【ゲームビジネストレンド2022】PCゲームの先にあるクラウドの可能性、“専用機”の存在意義の変化
 

モンスターハンターシリーズ最新作の『モンスターハンターライズ』の発売や『ウマ娘 プリティーダービー』のヒット、1年が経過してもまだまだ購入が困難なPlayStation 5(PS5)、そしてゲーム配信プラットフォーム「Steam」のさらなる隆盛など、2021年もゲームビジネスにはさまざまな動きがあった。今年最後となる本稿では、2022年のゲームビジネスの行く末を予想してみよう。

2021年7月に発売された『ファミ通ゲーム白書2021』によると、日本のゲーム専用機ユーザーは2707万人であったのに対し、PCゲームユーザーは1527万人。このうち、どちらでもゲームをするユーザーは773万人となっている。

日本に住んでいると、テレビCMやニュースでモバイルゲームの流行についてはわかっても、PCゲームがここまで普及しているということに気付きづらい。なぜPCゲームのファンが増えているのかと言えば、魅力的なゲームがPCで発売されることが増えているからに他ならない。

PCゲーム流行の理由は、良質なゲームの増加によるもの

PC用ゲーム増加の理由は、主な流通経路がダウンロード販売になるため、小資本のパブリッシャーでもゲームがリリースできる点(パッケージ販売をする場合には、生産原価がかかる)。そして、発売される本数が増えるほど競争が激しくなり、結果として優れたゲームだけが生き残るという切磋琢磨が生じて、高クオリティのゲームが誕生するという点だ。

それに加えてSteamでは、ユーザーレビューを記載する習慣が根付いている。ヒットゲームともなればレビュー数が数万件という投稿数になるし、どのレビューも「自分が好きなゲームを、他の人にも遊んでもらいたい」という感情が伝わってくるような優れたものばかり。その件数の多さから、飲食店情報サイトやAmazonで問題となっているような「やらせレビュー」もほとんど無いので、購入に迷っているユーザーにとっては非常に心強い存在となっている。たとえば『NieR:Automata』Steam版ユーザーレビューページであれば、レビュー件数は7万件超で、平均点数は「非常に好評」となっている。