
- スニーカーブランド「Allbirds」は植物性素材を採用
- キノコの“根”から作られる代替レザーにAdidasも注目
- 車のバンパーを再生したスーツケースが登場
- 魚の皮から作られるフィッシュレザー
- 石灰石を主原料とする新素材「LIMEX」
SDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みの必要性が叫ばれるなか、環境負荷の低い素材を使用したエコなプロダクトが続々と登場している。海外ではAdidasなどのトップブランドが、キノコの根からできた代替レザーをスニーカーに採用。日本では不要となった車のバンパーをスーツケースとして再生する取り組みも出てきた。
エコなプロダクトはどんな素材で作られているのか。特にユニークな国内外5つの取り組みを編集部が独自にピックアップし、写真と共に紹介する。
スニーカーブランド「Allbirds」は植物性素材を採用
ハリウッド俳優のレオナルド・ディカプリオが出資して話題となったサンフランシスコ発のスニーカーブランド「Allbirds」。同社のスニーカーの最大の特徴は、環境負荷の低い素材で作られている点にある。2月22日に販売開始した「Tree Dasher 2」は、アッパーにユーカリの木を編んだニット素材、ミッドソールにはサトウキビ由来のフォーム素材を採用。植物性素材は、ナイロンなどの従来の素材と比べて二酸化炭素排出量を半分に抑えることができるという。
キノコの“根”から作られる代替レザーにAdidasも注目
米スタートアップのBolt Threadsは代替レザー素材の「Mylo(マイロ)」を開発し、提供している。Myloはキノコの根にあたる菌糸体から作られる素材だ。Adidasや、ファッションブランドのStella McCartney、フィットネスブランドのlululemonなどがMyloを採用したプロダクトを展開する。Adidasは2022年春夏コレクションで、Myloを使用したスニーカー「Stan Smith Mylo」を販売予定だ。
車のバンパーを再生したスーツケースが登場
1940年創業の老舗バッグメーカー・エースは3月14日、車のバンパーを再生したスーツケース「プロテカ マックスパスRI」を販売開始した。環境負荷低減に取り組むマツダとの共同の取り組みで、同製品の外装部には不要となったマツダ車のバンパーを再生した素材を使用する。
魚の皮から作られるフィッシュレザー
「ひみ寒ぶり」で有名な富山県・氷見市に拠点を置くレザーブランドのtototoは、氷見で獲れた魚の皮を廃棄せずに資源として活かす、フィッシュレザーを使用したプロダクトを展開。ブリ、マダイ、スズキの皮から作られた財布や名刺入れなどを販売する。
石灰石を主原料とする新素材「LIMEX」
日本のスタートアップ・TBMは紙やプラスチックを代替する新素材「LIMEX」を開発する。LIMEXの主原料は石灰石。世界中にほぼ無尽蔵に存在し、日本だけでも約240億トンが埋蔵されている。水をほぼ使用せずに紙代替製品を製造できるため、環境負荷を軽減することが可能だ。LIMEXはレジ袋やボールペン、飲料カップなどの素材として使われている。