
インドのエドテック・スタートアップByju’s(バイジューズ)による大型の資金調達を筆頭に、海外のテクノロジー業界では先週(3月13日から3月19日)も、さまざまなビッグニュースが飛び交った。
「海外テックニュース-Trend Now」では、毎週、特に注目すべきニュースを編集部が独自にピックアップし、お伝えする。今回は、先週明かされたインドとアフリカのスタートアップによる大規模な資金調達を紹介する。
3月15日にはシリコンバレーのベンチャーキャピタル・Sozo Venturesが監修した『ベンチャー・キャピタリスト──世界を動かす最強の「キングメーカー」たち』が発売されている。筆者は同社の共同創業者であるフィル・ウィッカム氏と中村幸一郎氏、そしてマネージング・ディレクターの松田弘貴氏を取材した巨額の資金調達を実現する諸外国の状況から、日本は何を学ぶべきか──そうした話を聞き、近日記事化する予定だ。
インドのエドテックByju’sが約470億円の資金調達
インドのエドテック・スタートアップ、Byju’sは4億ドル(約470億円)の大型な資金調達を実施。米ウェブメディア・TechCrunchが3月14日に報じた。この資金調達を経て、同社の企業価値は約220億ドル(約2兆7000億円)規模となった。
TechCrunchによると、この資金調達はByju’sによる8億ドル(約940億円)規模の資金調達ラウンドの一部という位置付けだ。米データベースのCrunchbaseによると、ラウンドにはSumeru Ventures、Vitruvian Partnersといったインドのベンチャーキャピタルに加えて、世界最大の資産運用会社・BlackRockも参加している。
2011年11月にインド・バンガロールで設立されたByju’sは、インド最大のオンライン学習プラットフォーム「Byju’s」を展開する。Byju’sでは低価格で動画授業や教材、模擬テストといったコンテンツを提供。特徴は、ユーザーの学習データをもとにパーソナライズされた学習プランを提供することにある。現在は21カ国で展開し、1億5000万人ものユーザーが利用する。
Byju’sにはこれまで、ヘッジファンドのTiger Global Managementや、Sequoia Capital India、Lightspeed Venture Partnersといった名だたるベンチャーキャピタルが出資してきた。Crunchbaseによると、今回の資金調達を経て、同社の累計調達額は53億ドル(約6300億円)となった。
アフリカでECプラットフォームを展開するWasokoが約149億円の資金調達
アフリカでB2BのECプラットフォーム「Sokowatch(ソコウォッチ)」を展開するスタートアップのSokowatchは3月16日、社名およびプロダクト名をWasoko(ワソコ)にリブランディング。そしてシリーズBラウンドで1億2500万ドル(約149億円)の資金調達を実施したと明かした。
Crunchbaseによると、このラウンドにはTiger Global Managementのほか、スウェーデンの投資会社・VNV Global、ガーナを拠点としインパクト投資を推進するGolden Palm Investmentsなどが参加。累計調達額は1億4360億ドル(約170億円)となった。
Wasokoは2013年にケニア・ナイロビで設立したスタートアップだ。同社が展開するECプラットフォームのWasokoでは、ケニア、タンザニア、ウガンダ、ルワンダなどで事業を展開する小売業者に米や石鹸などの生活必需品を届けている。
TechCrunchによると、Wasokoでは2016年のローンチ以降、5万もの小売事業者からの250万もの注文に対応してきた。現在の月間注文数は15万件程度で、ARR(年間経常収益)は3億ドル(357億円)規模となっている。
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