
- アクプランタが約1.5億円の資金調達を実施
- TOKIUMが約35億円の資⾦調達を実施
- その他のスタートアップニュース
今やグローバル・アジェンダとなっている気候変動への対策。日本でも2050年までに温室効果ガスの排出を実質的にゼロにする、いわゆるカーボンニュートラルを目指すことを宣言している。こうした社会の流れもあり、気候変動の対策に取り組むスタートアップの数も増えてきている。
いま、押さえておくべき「スタートアップ業界のニュース」をDIAMOND SIGNAL編集部が独自の視点からピックアップしてお伝えする連載「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」。今週は気候変動による食糧問題の解決を目指すアクプランタの資金調達、ペーパーレス経費精算システムを手がけるTOKIUMの資金調達を取り上げる。
アクプランタが約1.5億円の資金調達を実施
気候変動による砂漠化リスクの増大に伴い、食糧問題の懸念も高まっている。砂漠化が進めば、飢餓や栄養失調などの可能性も高まり、植物資源の生産もダメージを受けてしまう。そうした課題の解決に取り組むのが、アクプランタだ。
同社は「酢酸が植物の乾燥耐性を高める」というメカニズムを基に開発したバイオスティミュラント資材「Skeepon(スキーポン)シリーズ」を販売するスタートアップ。バイオスティミュラント資材とは、植物自体やその周辺環境が持つ自然な力を活用することで植物に良好な影響を与える資材群のことだ。
Skeeponを植物に投与することで、植物自身が乾燥・高温耐性を高め、過酷な環境下でも生育を維持するため、植物のロスを減らすことができる。価格は1リットルのボトルで6050円(税込)。500倍に希釈して使い、1本で最大8万苗へ散布が可能だ。2019年から日本国内での販売を開始し、現在までに累計1万リットル以上を販売している。
海外展開にも力を入れるべく、アクプランタは4月20日に農林中金イノベーションファンド、KHネオケム、SMBCベンチャーキャピタルを引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドのファーストクローズで約1.5億円の資金調達を実施したことを発表した。調達した資金をもとに、今後海外での製品開発およびグローバルなチーム体制の構築を目指していく。
農業分野における気候変動の影響や減農薬・減化学肥料意識の高まりを背景として、欧米を中心に利用者が増えているバイオスティミュラント資材。アクプランタは2023年春を目処に米国と中国でSkeeponを販売できるよう、開発を進めていくという。
TOKIUMが約35億円の資⾦調達を実施
2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法や、2023年10月からのインボイス制度(適格請求書保存方式)の導入を背景に、法人の支出管理業務における課題を解決するサービスを手がけるプレーヤーが増えている。
例えば、クラウド請求書受領ソフト「バクラク請求書」などを展開するLayerX、クラウド請求書受領サービス「Bill One」を展開するSanSanなどが有名だ。スタートアップのBEARTAILあらためTOKIUM(トキウム)も、そのうちの1社。
TOKIUMは4月19日、社名・サービス名をTOKIUMに変更するとともに、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、インキュベイトファンド、ジャフコ グループ、SMBCベンチャーキャピタル、SMBC日興証券、Axiom Asia Private Capitalを引受先とした第三者割当増資により、約35億円の資⾦調達を実施したことを発表した。
同社が展開する領収書のデータ化・回収・点検・保管まで一括代行する「TOKIUM経費精算」、請求書オンライン受領・処理サービス「TOKIUMインボイス」の導入社数は900社を突破している。調達した資金をもとに、今後TOKIUMは新サービスの研究開発、それにともなう採用およびマーケティング活動に力を入れていくという。
その他のスタートアップニュース
Sanu、約10億円の資金調達を実施
セカンドホーム・サブスクリプションサービス「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」を提供するSanuは、リード投資家であるジャフコ グループに加えて、アカツキ、ケネディクス、ヒューリックのCVCファンド、その他個人投資家を引受先とする第三者割当増資により、約10億円の資金調達を実施したことを発表した。
aipass、総額2.5億円の資金調達を実施
接触型のチェックイン機能をベースにした基幹システム「aiPass(アイパス)」を提供するaipassは4月20日、サイバーエージェント・キャピタル、DGインキュベーションを共同リードインベスターとし、新たにグリーベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタル、その他複数の投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額2.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
ラピュタロボティクス、64億1500万円の資金調達を実施
ロボティクスプラットフォームを提供するラピュタロボティクスは4月20日、ゴールドマン・サックスをリードインベスターとして、総額64億1500万円の資金調達を実施したことを発表した。
Manabie、約15億円の資金調達を実施
教育機関のDXを推進するプロダクトを開発するManabieは4月20日、既存投資家である千葉道場ファンドやジェネシア・ベンチャーズに加え、新たにグロービス・キャピタル・パートナーズなどを引受先した第三者割当増資により、約15億円の資金調達を実施したことを発表した。
ログラス、総額17億円の資金調達を実施
経営管理クラウド「Loglass」を提供するログラスは4月20日、ALL STAR SAAS FUND、Spiral Capital、みずほキャピタル、三菱UFJイノベーション・パートナーズを引受先とした第三者割当増資により、総額17億円の資金調達を実施したことを発表した。
toiro、総額数千万円の資金調達を実施
愛犬用歯磨きケアセット「BowDent(バウデント)」を運営するtoiro(といろ)は4月18日、ANRI、ANOBAKA、エンジェル投資家を引受先とする第三者割当増資により、総額数千万円の資金調達を実施したことを発表した。
Lazuli、総額5億円の資金調達を実施
AI技術を活用した、クラウド製品マスタ「Lazuli PDP(Product Data Platform)」の開発を行うLazuli(ラズリ)は4月21日、Carbide Venturesをリードインベスターとして、Coral Capital、インフォマートを引受先とした第三者割当増資により、総額5億円の資金調達を実施したことを発表した。
ミラーフィット、資金調達を実施
ミラー型のフィットネスデバイス「MIRROR FIT.」を手がけるミラーフィットは4月18日、千葉道場ファンドを含めた投資家から資金調達を実施したこと発表した。
ファインディ、約15億円の資金調達を実施
エンジニア転職支援サービス「Findy」などを手がけるファインディは4月19日、Carbide Ventures、グローバル・ブレイン、SMBCベンチャーキャピタル、JA三井リース、みずほキャピタル、KDDI Open Innova tion Fund 3号を引受先とした第三者割当増資により、約15億円の資金調達を実施したことを発表した。
MOSH、総額8億円の資金調達を実施
ネットでサービスを売れる個人ブランド支援サービス「MOSH」を手がけるMOSHは4月20日、グローバル・ブレインをリード投資家とし、千葉道場ファンド、KDDI Open Innovation Fund3号、DBJキャピタルを引受先とする第三者割当増資により、総額8億円の資金調達を実施したことを発表した。
道路交通法の改正案が可決、電動小型モビリティが特定小型原付に
4月19日、道路交通法の改正案が可決され、電動キックボードをはじめとする電動小型モビリティが、運転免許やヘルメットが不要となる「特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」と位置づけられた。
ナレッジワーク、約10億円の資金調達を実施
営業資料や営業ノウハウの共有、営業向けの学習プログラムの開発などをサポートするクラウドサービス「ナレッジワーク」を手がけるナレッジワークは4月20日、正式版の提供をスタートするとともに、グロービス・キャピタル・パートナーズ、DNX Ventures、ANRI、XTech Venturesを引受先とした第三者割当増資により、約10億円の資金調達も実施していたことを発表した。