
- Skyland VenturesがWeb3に注力、総額50億円規模を目指す4号ファンドを設立
- 社員のコラボレーションを促すBeatrustが8億円の資金調達
- その他のスタートアップニュース
3年ぶりの行動制限のないGW(ゴールデンウィーク)。最大で10連休を取得できるということもあり、大型連休前の今週(4/23〜4/29)はさまざまなニュースが飛び交った。
いま、押さえておくべき「スタートアップ業界のニュース」をDIAMOND SIGNAL編集部が独自の視点からピックアップしてお伝えする連載「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」。今週はSkyland VenturesのWeb3特化ファンドの設立、社内コミュニケーションツールを手がけるBeatrustの資金調達を取り上げる。
Skyland VenturesがWeb3に注力、総額50億円規模を目指す4号ファンドを設立
2022年に入ってからバズワード化し、大きな盛り上がりを見せているワード「Web3」。連日、ニュース記事などで目にしている人も多いのではないだろうか。
そんなWeb3領域で新たに事業を立ち上げる起業家が増えているように、最近はWeb3領域に特化したファンドを立ち上げるベンチャーキャピタルも増えてきている。代表的なファンドはgumi Cryptos Capital、Next Web Capital、Bandai Namco Entertainment 021 Fundなどだ。そうした動きに続くかのように、独立系ベンチャーキャピタルのSkyland VenturesもWeb3特化ファンドの設立を発表した。
4月28日、Skyland Venturesは総額50億円規模の「SV4号ファンド」を設立した。同社初のWeb3案件である、ふるさと納税の返礼品をNFTで提供するあるやうむへの投資や、2022年4月にIEO(Initial Exchange Offering)計画・トークン発行を発表したナナメウエへの関与の経験から、Web3領域の成長性を強く感じ、ファンドを設立したという。2022年4月時点で7億円の出資コミットメントに至っており、すでに6社への投資もしくは投資合意に至っている。
今後もWeb3領域の盛り上がりとともに、Web3に特化するファンド組成の動きは続いていきそうだ。
社員のコラボレーションを促すBeatrustが8億円の資金調達
社員がひとつのオフィスに集まって働く──コロナ禍でそうした働き方ができなくなったことにより、一緒に働く社員が「どういった人なのか分からない」といった問題も生まれている。特にコロナ禍のさなかに入社してきた人たちに関しては、会ったこともなければ話したこともない、という人もいるのではないだろうか。
そうした課題を解決し、社員同士のコミュニケーションやコラボレーションの活発化を支援するタレントコラボレーション・プラットフォーム「Beatrust People」「Beatrust Ask」を展開しているのがBeatrustだ。
Beatrust Peopleは、社員個々人のスキルや経験のほか、過去の経歴なども公開・共有し、誰でも簡単に検索してコミュニケーションが取れるようにするためのツール。一方のBeatrust Askは、Beatrust Peopleの情報をもとにして企業内の人と人をマッチングするコラボレーション機能を提供する。リリース1年目の2022年3 月時点で利用ユーザー数が1万5000人を超えるなど、幅広い業界で使われているという。
運営元であるBeatrustは販売体制の強化、サービスの機能開発の促進を目的に、ジャフコグループをリード投資家として、グローバル・ブレイン、三菱 UFJ キャピタル、SMBC ベンチャーキャピタル、Pinterest初期投資家のWilliam Lohse氏のほか、既存投資家の伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、One Capital、サイバーエージェント・キャピタル、デライト・ベンチャーズ、PKSHA SPARX、みずほキャピタルから8億円の資金調達を実施したことを4月27日に発表した。
今後、エンタープライズ企業に対応したインフラ・セキュリティの整備や人員採用を加速し、海外市場の調査や研究開発、組織基盤の強化に取り組んでいくという。
その他のスタートアップニュース
Tippsy、合計約2億円の資金調達を実施
ロサンゼルスを拠点に、テイスティングキットのサブスクリプションを中心とした日本酒ECサービス「Tippsy Sake Club」を運営する日本発のスタートアップ・Tippsyは4月25日、プレシリーズAラウンドにて、W venturesをリード投資家として、DEEPCORE、KSK Angel Fund、Justin Waldronおよび複数の個人投資家から合計約2億円の資金調達を実施したことを発表した。
Plott、BUZZCASTを買収
YouTubeアニメの制作・配信を行うPlottは4月27日、YouTubeを中心にコンテンツ事業とマーケティング事業を展開するBUZZCASTを買収したことを発表した。買収金額の詳細などは非公表。今後、BUZZCASTが強みとするマーケティングと、Plottが強みとするコンテンツ創出を統合させ、次世代の大ヒットコンテンツを新たなプラットフォームから生み出すことを目指していくという。
fermata、総額2.1億円の資金調達を完了
フェムテック関連製品のECなどを手がけるfermataは4月27日、東京大学エッジキャピタルパートナーズをリード投資家とし、DEEPCORE、iSGSインベストメントワークス、伊藤忠商事を引受先とする第三者割当増資を実施し、シリーズAラウンドとなる総額2.1億円の資金調達を完了したことを発表した。
ANYCOLOR、東京グロース市場への新規上場承認
バーチャルYouTuber(VTuber)グループ・にじさんじを運営するANYCOLORが4月28日、東京グロース市場への新規上場を承認された。上場予定日は2022年6月8日。ANYCOLORの業績は売上高が76.3億円、営業利益が14.5億円となっており、黒字化している。想定時価総額は447億円となっている。
アダコテック、総額11億円の資金調達を実施
独自の画像解析技術を用いて検査・検品業務の自動化に取り組むアダコテックは4月27日、リアルテックファンド、Spiral Capital、東京大学協創プラットフォーム開発、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、DNX Venturesを引受先とした第三者割当増資により総額11億円の資金調達を実施したことを発表した。
AIメディカルサービス、総額80億円の資金調達を実施
AIと内視鏡を組み合わせ、“がん”の見落としゼロを目指す医療スタートアップ、AIメディカルサービス(AIM)は4月26日、シリーズCラウンドにおいてリード投資家のSoftBank Vision Fund 2(SVF2)、既存投資家のグロービス・キャピタル・パートナーズ、WiL、インキュベイトファンドから総額80億円の資金調達を発表した。
バベル、総額14.6億円の資金調達を実施
商談解析クラウド「ailead」を手がけるバベルは4月27日、スパークス・アセット・マネジメント(未来創生ファンド)、ポーラ・オルビスホールディングス、個人投資家などを引受先とする第三者割当増資に加え、複数の金融機関からの融資も含めて総額14.6億円の資金調達を実施したことを発表した。
アーバンエックステクノロジーズ、4億円の資金調達を実施
AIを活用した道路点検サービス「RoadManager」を手がけるアーバンエックステクノロジーズ(UrbanX)は4月28日、ANRI、東京大学協創プラットフォーム開発、三井住友海上キャピタルを引受先とした第三者割当増資により4億円の資金調達を実施したことを発表した。