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起業家が自らのアイデアをかたちにし、世の中を変えるプロダクトやサービスを生み出すためのブースターとして機能するのが、外部からの資金調達だ。だがシリアルアントレプレナーや自己資金を十分に持つ起業ならともかく、初めての起業ではファイナンス(金融)の用語を把握するのにも苦労するかもしれない。

今回はスタートアップの資金調達にまつわる用語の基本をあらためて解説する。

デット?エクイティ? スタートアップの主な資金調達手段

スタートアップの資金調達の手段は主に2つある。「デット(Debt)ファイナンス」と「エクイティ(Equity)ファイナンス」だ。

  • デットファイナンス:融資や借入、社債発行などによる資金調達
  • エクイティファイナンス:新株や新株予約権付社債の発行による資金調達

貸借対照表(B/S)上では、デットファイナンスでは負債が増加するのに対し、エクイティファイナンスでは資本が増加する。デットファイナンスでは負債を資金の借入先に返済する必要があるが、エクイティファイナンスで調達した資金は原則として出資者(株主)に返還する義務を負わない。株主は投資先の将来の株価上昇による利益か、配当金を得ることを目的として投資を行う。

スタートアップの主な資金調達手段
 

エクイティファイナンスは、定期的な償還が不要で時間のかかる取り組みへの投資が可能なことから、創業時や新規事業立ち上げ、R&Dなど、今後の収益化を目指す事業や取り組みを進めるための資金を調達する際に活用されている。ここからは、エクイティファイナンスに関連するさまざまな用語について、詳しく見ていこう。