ナナメウエが運営するバーチャルSNS「Yay!」
ナナメウエが運営するバーチャルSNS「Yay!」

登録者数540万人を超える日本発バーチャルSNS「Yay!(イェイ)」。開発元のナナメウエはサービスのコミュニティ拡大に向けて新たな一手を打つ。同社は6月1日、カヤックからオンラインゲームコミュニティ「Lobi」事業を譲受した。

今後はサービスをYay!に統合し、Lobiは7月31日にサービスを終了する予定だ。ナナメウエとしては約700万人の登録ユーザーを抱えるLobiと統合することで、熱狂的なコミュニティを拡大するのが狙い。同社は今後独自トークンの発行やIEO(Initial Exchange Offering)を計画しており、それに向けてコミュニティ基盤を強化する。

ナナメウエが2020年1月にローンチしたYay!は、同世代で共通の趣味・趣向を持ったユーザー同士が匿名でつながり、グループ通話やテキストチャットを通じて交流できるSNSだ。

掲示板のようなオープンなタイムラインに加えて、さまざまなジャンルの“サークル”を通じて共通点を持つ仲間とのコミュニケーションを楽しめる。最大18人で使えるグループ通話機能も特徴だ。500万人を超える登録者の約85%を24歳以下が占めており、Z世代を中心に人気を集める。

一方のLobiはゲームに特化したコミュニティサービスとしてユーザーから親しまれてきたサービスだ。前身の「ナカマップ」は2010年12月に位置情報を活用したコミュニケーションアプリとして始まったが、ゲームユーザーから重宝されていたことを受けゲーム専用のサービスとしてリニューアルを実施。2013年にサービス名称を現在のLobiに変更した。

同サービスはゲーム仲間や同じゲームで遊ぶプレーヤー同士がグループを作り、攻略情報の共有や作戦会議などのコミュニケーションの場として活用している。現在は終了しているものの以前には配信機能やボイスチャット機能なども提供しており、Yay!と共通するような要素も多い。冒頭で触れた通りLobiは7月末にサービスの終了を予定しているが、サービスの統合を受けてYay!では今後コミュニティ機能の拡充なども進める。

ナナメウエ代表取締役の石濵嵩博氏は以前から「毎日使ってくれる熱狂的なコミュニティがあること」をYay!の強みとして挙げていた。この基盤を強化しながら「いかにWeb3の世界へと転用して行けるか」が同社にとって大きなチャレンジになるとも話す。

ナナメウエでは現在トークンの発行とIEOに向けた準備を進めており、その先では熱狂的なコミュニティを基に「サステナブルなPlay to Earnの実現を目指していく」(石濵氏)という。