
- 水産養殖のDXに取り組むウミトロンが12.2億円の資金調達
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世界では漁業・水産業が拡大傾向にある一方、漁業生産量の減少や漁業従事者の高齢化・後継者不足に伴い、衰退傾向にある日本の水産業。そうした状況を変えるべく、水産省が2027年までの実現を目指しているのが「スマート水産業」だ。
スマート水産業は、水産資源の持続的利用と水産業の成長産業化を両立した次世代の水産業の実現を目指し、ICTやIoTなどの先端技術を活用するというもの。今週(6/4〜6/10)の「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」では、水産養殖にAIやIoT、衛星リモートセンシングなどの技術を活用した事業に取り組むスタートアップ・ウミトロンの資金調達について取り上げる。
水産養殖のDXに取り組むウミトロンが12.2億円の資金調達
ここ数年、頻繁に耳にするようになった言葉「DX」。デジタル技術を活用したトランスフォーメーションが水産業にも求められている。具体的には、水産物の水揚げデータや海域情報、気象条件、魚群情報などのデータを活用。それによって、水産資源の持続的利用と水産業の成長産業化を両立を目指すというわけだ。
2016年4月設立のウミトロンは、水産養殖にAIやIoT、衛星リモートセンシング等の技術を活用することで、持続可能な水産養殖の実現に取り組んでいるスタートアップ。
衛星リモートセンシング 技術を活用し、世界中のさまざまなエリアの高解像度の海洋データを取得できるプラットフォーム「UMITRON PULSE(ウミトロン パルス)」のほか、エビの食欲、大きさ、生物量、健康状態といった複数の生育状況データをリアルタイムに取得し分析できる「UMITRON EAGLE(ウミトロン イーグル)」を展開。また、海外向けには魚の食欲状況をリアルタイムで解析し、給餌の最適化や生産管理の強化を可能にする「UMITRON REMORA(ウミトロン リモラ)」を展開している。
同社は既存・新規サービスの事業基盤強化に加え、サーモンおよびエビ養殖向けの海外事業展開の加速を目的に、ENEOSホールディングス、QBキャピタル、東洋製罐グループを引受先とした第三者割当増資および商工中金などの金融機関からの借入も含めて総計12.2億円の資金調達を実施したことを6月7日に発表した。
今後はサーモン養殖の主要市場である北欧、チリやエビ養殖の主要市場である東南アジアなどへの現地法人の設立および事業展開を加速させていくという。
その他のスタートアップニュース
ANYCOLOR、東証グロース市場に新規上場
バーチャルYouTuberのプロジェクト「にじさんじ」を運営するANYCOLORが6月8日、東証グロース市場に上場した。公開株式数は180万300株。公募・売出価格(公開価格)は1530円だったが、上場初日は買い気配のまま売買が成立せず、初値はつかなかった。上場2日目に公募の3.14倍となる、初値4810円を記録。同日の終値は5510円となり、終値ベースの時価総額は約1653億円となった。
上場に併せて開示された資料「事業計画及び成長可能性に関する事項」によれば、22年4月期の売上高は132億5900万円(前期比73.6%増)、営業利益は37億8500万円(同160.7%増)、純利益は24億9700万円(同166.4%)を見込んでいるという。
HYPERITHM、100億円規模のWeb3ファンドを設立
日本と韓国を拠点に機関投資家などを対象とした暗号資産のウェルスマネジメント事業を展開するHYPERITHMは6月9日、既存株主を含めた機関投資家より出資を受け、約100億円規模のファンドを設立したことを発表した。
tonari、4.5億円の資金調達を実施
次世代遠隔コミュニケーションサービスを開発するtonariは6月8日、プレシリーズAラウンドでリアルテックホールディングスとOne Capitalを引受先とする第三者割当増資によって、4.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
shizai、総額5億円の資金調達を実施
EC・D2C事業者のバックエンド全般を一気通貫でサポートするプロダクト「shizai」を運営するshizaiは6月8日、シリーズAラウンドで既存株主であるグローバル・ブレイン、ANRIを引受先とする第三者割当増資により総額5億円の資金調達を実施したことを発表した。
ヘンリー、7.3億円の資金調達を実施
中小病院向けクラウド型電子カルテ・レセコン(レセプトコンピューター)システム「Henry」を展開するヘンリーは6月8日、シリーズBラウンドでグロービス・キャピタル・パートナーズ、フェムトパートナーズを引受先とする第三者割当増資によって、7.3億円の資金調達を実施したことを発表した。
Brave group、合計13.7億円の資金調達とM&Aを実施
バーチャルミュージックプロダクション「RIOT MUSIC」などを運営するBrave groupは6月7日、Dawn Capitalや大阪ガスなどの国内企業、海外系投資ファンドおよび複数の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、合計13.7億円の資金調達を実施したことを発表した。また、資金調達の発表に併せて「ぶいすぽっ!」などを運営するバーチャルエンターテイメント、「Palette Project」などを運営するMateRealをM&Aにより経営統合したことも発表した。
FromTo、6000万円の資金調達を実施
自治体施策の情報収集から申請までをDXする情報プラットフォーム「「47pass(よんななパス)」を展開するFromToは6月7日、サイバーエージェント・キャピタル、W ventures、ライフタイムベンチャーズを引受先とした第三者割当増資によって6000万円の資金調達を実施したことを発表した。
スリーシェイク、総額7.48億円の資金調達を実施
SRE特化型コンサルティング事業「Sreake(スリーク)」、データ連携プラットフォーム「Reckoner(レコナー)」などを展開するスリーシェイクは6月7日、ジャフコ グループを引受先とする第三者割当増資によって、シリーズBラウンドで総額7.48億円の資金調達を実施したことを発表した。
GMOインターネット、新会社「GMO Web3」を設立する方針を決定
GMOインターネットは、2022年6月6日に新会社「GMO Web3」を設立する方針を決定したことを発表した。GMO Web3はWeb3ベンチャー支援に特化したハンズオン型コーポレートベンチャーキャピタル。GMO Web3はGMOインターネットが培ってきたブロックチェーン技術や暗号資産などのノウハウをWeb3ベンチャーに提供することで、国内Web3市場の活性化およびWeb3ベンチャーの成長に貢献するとともに、Web3ベンチャーとGMOインターネットグループを繋ぐ”架け橋”の役割も担うという。
スマート修繕、1.5億円の資金調達を実施
マンションの管理組合やビルのオーナー向けの一括見積もり支援サービス「スマート修繕」を展開するスマート修繕は6月8日、デライト・ベンチャーズを引受先とした第三者割当増資によって1.5億円の資金調達を実施したことを発表した。