
- Web3時代のチャレンジャーバンクを目指すナッジが資金調達
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ここ数カ月の間で頻繁に耳にするようになったキーワード「X to Earn(○○して稼ぐ)」。代表的なのは「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」や「Move to Earn(動いて稼ぐ)」だが、新たに「Cashless to Earn(クレジットカードを利用してNFTを受け取る)」をコンセプトにした実証実験に取り組むスタートアップがいる。スマホ連動型のクレジットカード「Nudge(ナッジ)」を展開するナッジだ。
同社は「Web3時代のチャレンジャーバンクを目指す」とし、資金調達を実施したことを発表した。今週(6/11〜6/17)の「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」では、そんなナッジの資金調達について取り上げる。
Web3時代のチャレンジャーバンクを目指すナッジが資金調達
ナッジは2021年4月に施行された改正割賦販売法で新設された「少額包括信用購入あっせん業者」の認定を2021年8月に取得し、上限10万円以下の範囲内でクレジットカードおよびデジタルクレジットカードを発行するスタートアップだ。
彼らが発行するクレジットカード・Nudgeはスマホ連動で「使いやすい」点が特徴となっている。アプリ上で利用履歴の確認やクレジットカードのロックができ、返済は好きなタイミングにセブン銀行ATMもしくは銀行振込で行える。
また、Nudgeはクレジッドカードとして利用できるほか、提携するアーティストやアスリート、スポーツクラブを選び、応援することも可能。具体的には、あらかじめ応援の対象を設定したユーザーがクレジットカードを使用すると、利用額に応じて応援先の用意するデジタルコンテンツなどの限定特典が受け取れるという仕組みだ。
この取り組みを進化させるかたちで、ナッジは2022年4月からカードを利用すると、利用金額に応じて、限定のNFT特典がもらえる実証実験「Cashless to Earn」を開始している。を開始している。第一弾ではアーティストの加藤ミリヤ氏が専用のクラブ「MILIYAH NFT Club」を開設。ユーザーはそのクラブを選べば、利用金額に応じて加藤ミリヤ氏が制作した書道作品のNFTをもらうことができる。第二弾では、元プロ野球選手・松井秀喜氏のクラブ「松井55ベースボールファウンデーション」が開設されている。
2021年9月のサービス開始から、提携するクラブ数などを増やしているナッジ。同社は6月14日、各種サービス開発・運用体制の一層の強化とともに、「Web3時代のチャレンジャーバンク」を目指すべく、シリーズAラウンドの資金調達を実施したことを発表した。金額は非公表。引受先となったのは、リード投資家のOne Capitalのほか、Mind Fund Group、既存投資家のInsignia Venture Partners、Spiral Capital、Headline Asia、DG Daiwa Ventures、FINOLAB FUND、および創業者の沖田貴史氏だ。今回の調達により、ナッジの累計調達額は25億円超となった。
今回調達した資金をもとに、人員・組織・体制のさらなる強化を目指していくという。また、ナッジが「クラブ」と呼ぶ提携先とのマーケティング連携も強化。各クラブの潜在・顕在ファンに対して、サービスの浸透を図り、クラブのファンエンゲージメントの強化および収益多様化に関して、貢献を目指していくという。
その他のスタートアップニュース
pickupon、総額2.4億円の資金調達を実施
AIが電話で話した内容のサマリーをテキスト×音声で作成し、自動入力・共有してくれるサービス「pickupon(ピクポン)」を提供するpickuponは6月15日、マネックスベンチャーズ、コロプラネクスト、セゾン・ベンチャーズ、CARTA VENTURES、既存投資家のサイバーエージェント・キャピタル、East Ventures、MIRAISE、大冨智弘氏からの第三者割当増資および融資を合わせて総額2.4億円の資金調達を実施したことを発表した。
カンム、新サービス「Pool」をリリース
アプリから誰でもすぐに発行できるVisaプリペイドカード「バンドルカード」を提供するカンムは6月15日、手元の資産形成に活用できるクレジットカード「Pool」を新たにリリースしたことを発表した。Poolは、年利1%のリターンを期待できる投資と、投資したお金をいつでもECやお店で使えるVisaのクレジットカードがセットになった新しい投資サービスだという。
ピックアップ(旧社名)、DMM.comからMBOを実施
ウェブノベルアプリ「テラー」を運営するピックアップは、2022年1月1日に代表取締役である蜂谷宣人氏によるマネジメント・バイアウト(以下MBO)を実施。親会社であるDMM.comが保有する全株式を買収したことを6月15日に発表した。それに伴い、6月1日付で社名を「テラーノベル」に変更し、6月15日付でサービス名を「テラーノベル」に変更した。
元タイミーCOOの守安功氏、Thirdverseに入社
コンプライアンス規程違反の事実が発覚したことをうけ、2022年3月25日付けでアルバイト仲介アプリ「タイミー」を展開するタイミーの取締役COOを退任した守安功氏。6月14日に自身のSNSで國光宏尚氏が率いるVRゲーム開発のスタートアップ・Thirdverseに入社したことを明かした。なお、6月9日にGMOインターネットグループが発表したところによると、同社グループで展開するWeb3特化CVC・GMO Web3の顧問にも就任する予定だ。
ビビットガーデン、約13億円の資金調達を実施
産直EC「食べチョク」を運営するビビットガーデンは6月14日、既存株主であるジャフコグループをはじめ、新生企業投資や6社の地方銀行系ベンチャーキャピタルなどを引受先として、約13億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。
any、総額4.5億円の資金調達を実施
社内のナレッジ共有を促進するクラウドサービス「Qast(キャスト)」を運営するanyは6月15日、DIMENSION、Archetype Ventures、みずほキャピタル、ICMG Partners、新生企業投資を引受先とした第三者割当増資により、総額4.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
techtec、レアゾン・ホールディングスにM&A
暗号資産・ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を展開するtechtecは6月15日、レアゾン・ホールディングスの子会社となり、グループ入りしたことを発表した。買収金額は非公表。
シンプルフォーム、約7億円の資金調達を実施
法人調査プロセスを自動化するクラウド型ソフトウェア「SimpleCheck(シンプルチェック)」を提供するシンプルフォームは6月15日、DNX Venturesをリード投資家とし、インキュベイトファンドを引受先とした約7億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。
Knowhere、約1億円の資金調達を実施
トラッキングシステムを導入した野球ジム「外苑前野球ジム」を運営するKnowhereは6月16日、元プロ野球選手の斎藤佑樹氏が設立した株式会社斎藤佑樹、Earthshot ファンド、GameWith、East Ventures(既存投資家)、Skyland Venturesなどを引受先とした第三者割当増資によって、約1億円の資金調達を実施したことを発表した。