Photo: Dimitrios Kambouris / gettyimages
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  • ビル・ゲイツ氏が「NFTは“大ばか理論”に基づく」いかさまだと主張
  • Twitter創業者のジャック・ドーシー氏が提唱する「Web5」とは
  • 「Internet Explorer」がついにサポート終了
  • Starbucks CEOがリモートワークの生産性を疑問視
  • BTSがグループでの“活動休止報道”で事務所の株価が大暴落
  • 今週注目した海外企業の資金調達ニュース

NFTで稼ぐアーティストを「クソ資本家(Little Capitalist Asshole)」呼ばわりした現代音楽家のブライアン・イーノ氏や、NFTについて意見を求められると「簡単に複製できる」と答え爆笑した俳優のキアヌ・リーブス氏など、NFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)ブームに懐疑的な著名人は少なくない。今度はMicrosoft共同創業者のビル・ゲイツ氏が「NFTは“大ばか理論”に基づく」と発言し、世間を沸かせた。

今回の「海外テックニュース-Trend Now」では、ゲイツ氏がNFTを無価値とする背景や、Twitter創業者であるジャック・ドーシー氏による「Web5」プロジェクト、イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発ベンチャーSpaceXによる16億8000万ドル(約2261億円)の超大型調達などを紹介する。

ビル・ゲイツ氏が「NFTは“大ばか理論”に基づく」いかさまだと主張

Microsoft共同創業者のビル・ゲイツ氏は6月15日、「NFTは100%“大ばか理論”に基づいた資産」だと発言し、SNS上で議論に発展した。大ばか理論とは、金融業界で使われる、実際の価値より高値で資産を買っても、さらに高値で買う“ばか”がいれば利益を得られるという理論だ。

気候ファンド「ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズ」の創設者で、慈善活動にも力を入れるゲイツ氏は、米テックメディア・TechCrunchが主催する気候変動会議において、自身のNFTに対するスタンスを主張した。同氏は農場や形のある製品を製造する工場への投資には惹かれる一方、暗号通貨やNFTには関心がないと語った。

また、米スタートアップ・Yuga Apesが展開する人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」については、「サルの高価な画像は大いに世界の発展に貢献するだろう。素晴らしいものです」とジョークを飛ばし、皮肉った。なお、BAYCのほとんどのNFTの価格は現在、ピーク時の半分以下にまで落ちている。

ゲイツ氏が暗号通貨への敵意をむき出しにしたのは今回が初めてではない。2021年にもブルームバーグのインタビューで「ビットコインには興味がない」と述べ、その理由としてマイニング(採掘)が環境へ悪影響を与えることなどを挙げていた。

Twitter創業者のジャック・ドーシー氏が提唱する「Web5」とは

パブリック型ブロックチェーンを基盤とした次世代インターネットの「Web3」。「情報を独占する巨大テック企業に対抗し、ブロックチェーン技術を活用して情報を分散管理することで情報の主権を民主化する」という概念として、注目を集めている。だが、Twitter創業者でBlock(旧:Square)CEOのジャック・ドーシー氏は6月11日、Web3を超え、Web4もすっ飛ばしたかのようなプロジェクト「Web5」を発表した。

Web5はBlock傘下のビットコイン関連会社・TBDのプロジェクトとして立ち上がった。TBDが公表した資料によると、同社はWeb5で、Web3では実現できない「真の分散型インターネット」の実現を目指す。Web5のインターネットでは、ネットユーザーはサービスやアプリのIDや履歴といったすべてのデータを「分散型ウェブノード」に保存できるようになるのだという。

Web5の発表に際して、ドーシー氏は「Web3に投資するベンチャーキャピタル(VC)のみなさん、お疲れ様です」とツイートしているが、同氏はかねてよりWeb3領域に出資するVCに批判的だった。2021年12月には「Web3はみんなのものではなく、VCとVCが出資する企業のものだ。結局は中央集権型の組織の別名称でしかない」と投稿している。

また同じ2021年12月には、イーロン・マスク氏が「Web3が見つからないんだけど、どこ?」とツイートすると、ドーシー氏は「aとzのあいだ」とリプライ。Web3領域に積極投資するVCで、「a16z」とも表記されるAndreesen Horowitzに敵対心を示していた。

「Internet Explorer」がついにサポート終了

Microsoftは6月15日、1995年に登場したウェブブラウザ「Internet Explorer(以下、IE)」のほぼすべてのバージョンのサポートを終了する。今後、数カ月のうちにIEを起動しようとすると、同社の新ブラウザ「Microsoft Edge(以下、Edge)」にリダイレクトされるようになる。

Microsoftでは Edgeに非対応のサイトやサービスにアクセスできる互換機能「Internet Explorer モード」をEdgeに搭載している。同社によれば、この機能は少なくとも2029年までは利用できるという。

Starbucks CEOがリモートワークの生産性を疑問視

Starbucks CEOのハワード・シュルツ氏はリモートワークの生産性を疑問視し、すべての従業員をオフィスに呼び戻したい考えだ。シュルツ氏は6月9日、米新聞社・The New York Times主催のカンファレンスに登壇し、「私は悲願しています。ひざまずきます。なんなら腕立て伏せもしましょう。何でもしますから。(オフィスに)戻ってきてください」と述べた。

BTSがグループでの“活動休止報道”で事務所の株価が大暴落

人気K-POPグループのBTSは6月14日、深夜に投稿したYouTube動画で、グループ活動とソロ活動を並行していくと表明した。だが、グループでの活動を休止するとの報道が相次ぎ所属事務所・HYBEの株価は前日比で約25%も急落した。

今週注目した海外企業の資金調達ニュース

宇宙開発ベンチャーのSpaceXは16億8000万ドルの超大型調達

イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発ベンチャーのSpaceXが16億8000万ドル(約2261億円)の大型調達を実施したことが、米国証券取引委員会に提出された書類から明らかになった。同社が提供する、衛星インターネットアクセスのサービス「Starlink」は、ロシアの侵攻を受けるウクライナにも提供されている。

フードデリバリーのWonderは3億5000万ドルの資金調達

米フードデリバリーのWonderは6月14日、3億5000万ドル(約471億円)の資金調達を明かした。ラウンドはシリーズBで、Accel、Bain Capital Ventures、Forerunner VenturesなどのVCが出資を引き受けた。同社が提供するフードデリバリーサービス「Wonder」は夕食に特化しており、アプリで料理を注文すると、Wonderが雇ったドライバーが運転するキッチンカーの車内で、提携レストランのシェフが料理を調理し、自宅まで届けてくれる。

垂直離着陸機を開発するOverairが1億4500万ドルの資金調達

電動の垂直離着陸機を開発する米スタートアップ・Overairは6月14日、1億4500万ドル(約195億円)の資金調達を明かした。同社では「Butterfly」と呼ぶ垂直離着陸機の試作機を2023年までに開発する予定だ。