Photo: choochart choochaikupt/gettyimages
Photo: choochart choochaikupt/gettyimages
  • 企業のDX化をサポートするROUTE06が15億円の資金調達
  • その他のスタートアップニュース

コロナ禍をきっかけに、オフラインで事業を展開していた企業の多くがオンラインでも事業を展開しなければいけなくなった、というのは何度も耳にした話だろう。とはいえ、今までオフラインを中心に事業を展開していた企業が急にオンライン化に取り組むのはハードルが高い。そうした背景もあり、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)をサポートするスタートアップの存在感も高まってきている。2020年1月に立ち上がったROUTE06も、そのうちの1社だ。

同社はエンタープライズ向けビジネスAPIプラットフォーム「Plain」の開発などを目的に資金調達の実施を発表した。今週(6/25〜7/1)の「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」では、ROUTE06の資金調達について取り上げる。

企業のDX化をサポートするROUTE06が15億円の資金調達

デジタル領域での事業開発、サービス開発の必要性は年々高まっているものの、大企業にはテクノロジーに知見のある人材も少ないため、なかなか開発が進んでいかない。

そうした課題を解決し、企業のDX化をサポートする会社として、2020年1月に立ち上がったのがROUTE06だ。代表を務める遠藤崇史氏は、ストライプデパートメントで、「STRIPE DEPARMENT(ストライプデパートメント)」と「smarby(スマービー)」という2つのファッションECの責任者(取締役 CPO/CMO)を務めていた人物。ストライプデパートメントを退職後、デライト・ベンチャーズのEIR(Entrepreneur in Residence、客員起業家制度)を経て、同社を立ち上げた(編集部注:EIRはVCに所属して投資や新規事業立ち上げなどに関わりながら、起業準備をするプログラムのこと)。

ROUTE06は、大手企業のビジネスモデル変革をサポートする事業を展開している。これまでに、そごう・西武や三菱マテリアルをはじめとした大手企業のデジタル事業の立ち上げ、グロース支援に取り組んできた。

こうしたサポートを通して培った知見などをもとに、同社が開発しているのはビジネスAPIプラットフォーム「Plain」だ。Plainは、B2CやB2Bなどに関わらず、オンライン・マーケットプレイスをはじめとした、さまざまなデジタル事業の垂直立ち上げおよび継続的なサービス改善に貢献するという。例えば、デジタルプロダクト開発の体制が十分に整っていない大手企業でも、Plainを活用することでシステム開発の期間が短縮されるとともに、社内外の開発パートナーとのアジャイル開発や日々の業務オペレーションを円滑に行うことができるようになるとのことだ。

そんなPlainの開発を加速させることと、リモートファーストな開発体制の構築や人材育成への投資を目的に、同社は6月30日、ALL STAR SAAS FUNDをリード投資家とし、ジャフコ グループ、デライト・ベンチャーズ、ジェネシア・ベンチャーズ、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタルの合計7社を引受先とする第三者割当増資によって、総額15億円の資金を調達したことを発表した。

現在、店舗や工場施設のようなリアルアセットを活用したデジタルプラットフォームサービスを立ち上げたい小売・製造・不動産業、国内外での取引先ネットワークを活用したマッチングプラットフォーム事業を立ち上げたい流通・仲介業での支援実績があるというPlain。今後、調達した資金をもとに開発を加速させていき、大手企業を中心に今後5年間で契約数100件以上を目指していくという。

その他のスタートアップニュース

日本農業、総額約11億円の資金調達を実施

自社園地の運営・生産指導、農産物輸出などに取り組む日本農業は6月29日、アグリビジネス投資育成、オイシックス・ラ・大地、センコーグループホールディングス、ニチリウ永瀬、福岡ソノリク、ラクスルCOOの福島広造氏などを引受先とする第三者割当増資によって総額約11億円の資金を調達したことを発表した。

テックドクター、総額5億円の資金調達を実施

医療データ解析SaaS「SelfBase」、メンタルヘルスソリューション「SelfDoc.」をを展開するテックドクターは6月29日、ジャフコ グループ、日本ベンチャーキャピタル、三井住友海上キャピタル、みずほキャピタル、ジェネシア・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資によって、総額5億円の資金を調達したことを発表した。

Goals、総額15.5億円の資金調達を実施

飲食店で使用する食材を自動で発注するクラウドサービス「HANZO 自動発注」を展開するGoalsは6月29日、ALL STAR SAAS FUNDをリード投資家とし、新規投資家のAngel Bridgeなど8社を引受先とした第三者割当増資によって総額15.5億円の資金を調達したことを発表した。

メトセラ、14.2億円の資金調達を実施

患者本人の細胞を用いる「自家再生医療等製品」の開発を手がけるメトセラは6月28日、CYBERDYNEおよび同社子会社が運営するCEJファンドリード投資家とし、日本ライフライン、Sony Innovation Fund、レアゾン・ホールディングスを引受先とした第三者割当増資によって14.2億円の資金を調達したことを発表した。

KiZUKAI、4.35億円の資金調達を実施

顧客体験管理を収益につなげるツール「KiZUKAI」を提供するKiZUKAIは6月27日、大和企業投資、STRIVE、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタルを引受先とした第三者割当増資によって4.35億円の資金を調達したことを発表した。

カウシェ、総額約22億円の資金調達を実施

“シェア買い”アプリ「カウシェ」を提供するカウシェは6月28日、Bonds Investment Groupをリードインベスターとし、SIG Asia Investment、三井住友海上キャピタル、Sony Innovation Fund、モバイル・インターネットキャピタル、電通ベンチャーズおよび既存投資家を引受先とした第三者割当増資によって総額約22億円の資金を調達したことを発表した。

Mellow、総額約10億円の資金調達を実施

キッチンカーを始めとする“店舗型モビリティ”と街の中の空きスペースをつなぐプラットフォーム「SHOP STOP」を手がけるMellowは6月28日、トヨタファイナンシャルサービスをリードインベスターとし、損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、BRICKS FUND TOKYO、清水建設、東急不動産ホールディングスのCVCファンド、電通ベンチャーズ、博報堂DYベンチャーズ、PKSHA SPARX アルゴリズム1号ファンドを引受先とする第三者割当増資によって、総額約10億円の資金を調達したことを発表した。

クイックゲット、3.5億円の資金調達を実施

ダークストアを用いたクイックコマースサービス「QuickGet」を展開するクイックゲットは6月29日、Spiral Capital、マネックスベンチャーズ、ココナラスキルパートナーズおよび個人投資家を引受先とした第三者割当増資によって、3.5億円の資金を調達したことを発表した。