Photo Illustration by Mateusz Slodkowski/SOPA Images/LightRocket via Getty Images
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評価額は2021年に4000億ドル(約54兆円)を突破し、テック企業の評価額の下落が続く今でも3000億ドル(約41兆円)を超えると言われるByteDance。同社が展開する短尺動画SNS「TikTok」は、2022年中に米国における1日あたりの視聴時間でYouTubeを超え、2024年には広告収入でYouTubeに並ぶとする調査結果も出ている。米国で急拡大する一方、国家安全保障上のリスクが懸念され、ついには米連邦通信委員会(FCC)がAppleとGoogleにアプリストアからの削除を要請した。

今回の「海外テックニュース-Trend Now」では、AppleとGoogleにTikTokの削除を要請したFCCの見解や、AR(Augumented Reality:拡張現実)スタートアップ・Nianticによる従業員の解雇、カスタマーサポート支援SaaSの「Front」による大型調達などを紹介する。

米連邦通信委員会がApple・Googleにアプリストアから「TikTok」の削除を要請

米連邦通信委員会(FCC)のコミッショナーであるブレンダン・カー氏は6月29日、Apple CEOのティム・クック氏、ならびにGoogle CEOのサンダー・ピチャイ氏に、両社が運営するアプリストアから、短尺動画SNS「TikTok」を削除するよう要請した。

6月17日には、TikTokを運営する中国企業・ByteDanceの中国拠点のエンジニアが、米国のTikTokユーザーの個人情報にアクセスしていると、米ウェブメディア・BuzzFeed Newsが報じていた。カー氏は書簡において、同報道に触れた上で「TikTokによる過剰なデータ収集は国家安全保障上のリスクに他ならない」と論じた。また、自身のSNSでは「TikTokは単なる動画アプリではない。羊の皮を被り、機密データを収集している」と投稿している。

米国の議員や規制当局は以前より、TikTokによる機密データの収集や保護に関する懸念を表明してきた。ドナルド・トランプ前米大統領は2020年、ByteDanceに対してTikTokの米国事業の売却を命令。だが、ジョー・バイデン現米大統領は2021年、安全保障上のリスクを再検討するとし、売却命令を保留にした。