(左から2番目)クラダシ代表取締役社長CEOの関藤竜也氏
(左から2番目)クラダシ代表取締役社長の関藤竜也氏

年間約522万トン──この数値は日本で発生している「フードロス」の量だ。農林水産省によれば、1人当たりの食品ロス量は1年で約41kg。毎日、お茶碗1杯分のご飯を捨てているのと近い量のフードロスが発生している状況にあるという。

令和2年度推計値では、フードロスの量は前年度より48万トン減少しているものの、依然として大きな社会課題のひとつとなっている。SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」には「2030年までに1人当たりのフードロスの量を半減させること」が明文化されていることもあり、食品メーカーや小売、飲食店といった各事業者がフードロス削減に向けた取り組みを進めている。

そうした中、「マーケットプレイスの展開」という切り口でフードロスの削減に取り組んでいるスタートアップがある。2014年7月設立のクラダシだ。

同社は賞味期限が迫った食品や季節商品、パッケージの汚れやキズ、自然災害による被害などの要因で通常の流通ルートでの販売が困難な商品を協賛価格で買い取り、販売するショッピングサイト「Kuradashi(旧:KURADASHI)」を展開。2015年2月のサービス開始から約7年でサービスの利用者数は35万人、商品を掲載するパートナー企業数は990社を突破している。

廃棄される商品を“おトク”に購入、フードロスの削減を目指すクラダシが6.5億円の資金調達
 

また、売上の一部を寄付することで、環境保護や動物保護の団体など、さまざまな社会貢献活動団体を支援する仕組みも設けている。Kuradashiを通じて寄付した総額は8000万円超に上り、削減したフードロスの量は9889トンを超えているという。