
- SkyDriveが96億円の資金調達、加速する空飛ぶクルマの開発
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米Google共同創業者のラリー・ペイジ氏が出資するなど、「空飛ぶクルマ」の実現を目指し開発を進めてきた米Kitty Hawk(キティホーク)。
2010年の設立から約12年が経ったタイミングで、先日事業を終了することを発表した。海外では志半ばで事業終了の決断を下す企業がいる一方で、国内では空飛ぶクルマの実用化に向けて各プレーヤーの動きが激しくなってきている。
9/26〜9/30の「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」では、空飛ぶクルマを開発するSkyDrive(スカイドライブ)の総額96億円の資金調達、空飛ぶクルマやドローンのインフラ開発を行うSKYSCAPE(スカイスケープ)の資金調達を取り上げる。
SkyDriveが96億円の資金調達、加速する空飛ぶクルマの開発
空飛ぶクルマ、いわゆるeVTOL(電動垂直離着陸機)の開発は欧米を中心に盛り上がりを見せており、Emergen Researchの最新の分析によれば、2028年に2億8840万ドル(レポート発表当時のレートで約330億円)の市場規模に達する、と言われている。
新たな移動の手段として世界的にも大きな注目が集まる中、日本では2025年に開催予定の「関西・大阪万博」をひとつのマイルストーンとして、各プレーヤーが開発を加速させている。代表的な会社が2018年設立のSkyDriveだ。
2019年に空飛ぶクルマの有人飛行に成功し、現在は2025年の関西・大阪万博開催時に、大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現を目指し、2人乗り機体「SkyDrive式SD-05型機」の開発に取り組んでいる。
その開発を加速させるための資金として、同社は9月26日に三菱UFJ銀行や関西電力、損害保険ジャパンなど13社を引受先とした第三者割当増資および銀行融資により、シリーズCラウンドで総額96億円の資金調達を実施したことを発表した。今回の調達した資金よって事業基盤、経営基盤を強化し、空飛ぶクルマの機体開発や事業推進に力を入れていく予定だという。
空の移動にかかわる事業で期待されている企業は、SkyDriveに限らない。空飛ぶクルマなどエアモビリティのメンテナンス・修理をするめのインフラ施設「Vertiport(バーティポート)」の開発を手がけるSKYSCAPEは9月27日、DRONE FUNDから資金調達したことを発表している。金額は非公表。その発表に併せて、社名をドローネクストからSKYSCAPEに変更している。
2022年6月には、空飛ぶクルマの開発を手がける国内企業・テトラ・アビエーションが4.5億円の資金調達を発表。同社は関西・大阪万博での飛行など2拠点間移動サービスを行うための機体をリリースする予定だという。海外ではKitty Hawkが事業終了を発表した一方、日本では関西・大阪万博での実用化を目指し、開発競争が激しくなっている。
その他のスタートアップニュース
TakeMe、総額2.6億円の資金調達を実施
インバウンド観光客を対象とした店舗マーケティング支援や世界100種類以上の決済方法に対応した決済サービス「TakeMe Pay」などを展開するTakeMeは9月26日、New Economy Venturesや個人投資家などを引受先とした第三者割当増資によって総額2.6億円の資金調達を実施したことを発表した。
バフェットコード、資金調達を実施
企業調査・分析にかかる時間を削減するSaaS「バフェット・コード」を提供するバフェットコードは9月26日、嶺井政人氏(グロース・キャピタル代表取締役CEO)ほか複数人の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により資金調達を実施したことを発表した。金額は非公表。
BluAge、10億円の資金調達
不動産仲介業者の業務効率化ソリューションと部屋探しアプリ「カナリー(CANARY)」を提供するBluAgeは9月26日、ヤマダホールディングス資本業務提携契約を締結し、10億円の第三者割当増資を実施したことを発表した。
セクションL、2.5億円の資金調達を実施
長期滞在型ホテル「SECTION L」の運営と省人化ソリューションおよびゲストコミュニティ・プラットフォーム「InterSection」を開発するセクションLは9月27日、董花、DGインキュベーション、プロフィッツを引受先とする第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドで2.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
シーベース、総額4.14億円の資金調達を実施
企業の360度フィードバック(多面評価)の支援に特化したクラウド型のサーベイシステム「スマレビ for 360°」を提供するシーベースは9月28日、三菱UFJキャピタル、SGインキュベート、静岡キャピタルを引受先とする第三者割当増資および銀行融資により、総額4.14億円の資金調達を実施したことを発表した。
Revie、総額1億円の資金調達を実施
顧客体験のパーソナライゼーションを可能にするSaaS「ReviewBank」を提供するRevieは9月28日、ジェネシア・ベンチャーズ、DNX Venturesを引受先とするJ-KISS型新株予約権の発行により、総額1億円の資金調達を実施したことを発表した。
Cygames、ベンチャーキャピタル「Cygames Capital」を設立
ゲームの企画・開発を手がけるCygamesは9月28日、スタートアップへの投資を行うベンチャーキャピタル「Cygames Capital」を設立したことを発表した。ファンドの規模は総額50億円を想定しているという。
Shippio、総額16.5億円の資金調達を実施
国際物流プラットフォーム「Shippio」を提供するShippioは9月28日、既存投資家のデライト・ベンチャーズ、環境エネルギー投資、ソニーベンチャーズ、アンカー・シップ・パートナーズのほか、新規投資家のDNX Ventures、Spiral Innovation Partners、東京海上日動火災保険、みずほキャピタル、あおぞら企業を引受先とした第三者割当増資により、シリーズBラウンドで総額16.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
goooods、5.4億円の資金調達を実施
取引先の発見や与信管理など、スモールブランドを取り巻くB2B取引の課題解決を一括でサポートするコマースサービス「goooods」を運営するgoooodsは9月28日、XTech Ventures、Incubate Fund US、Vela Partnersなどを引受先とした第三者割当増資により、日本円で5.4億円(為替レートは7月26日時点)の資金調達を実施したことを発表した。
PROJECT COMP、総額2億円の資金調達を実施
エンジニア向け給与データベースサービス「PROJECT COMP」を提供するPROJECT COMPは9月28日、新規投資家のSpiral Capital、既存投資家のXTech Ventures、 Delight Venturesを引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドで総額2億円の資金調達を実施したことを発表した。