
- Googleが動画生成AI「Imagen Video」を発表、モデルやコードは公開せず
- 韓国NAVER、中古衣料品マーケットプレイス運営の米Poshmarkを約12億ドルで買収
画像生成AI分野が2022年、にわかに盛り上がりを見せている。英AI開発のStability.Aiが「Stable Diffusion」をそのモデルやソースコードも含めて一般向けに公開したのが8月末のこと。そこから1カ月ばかりで、静止画像に続いて「動画生成AI」を大手IT企業が相次いで発表している。9月末にはMetaが「Make-A-Video」、そして10月に入りGoogleが「Imagen Video」を発表した。
今回の「海外テックニュース-Trend Now」では、Googleによる動画生成AI「Imagen Video」の発表、韓国NAVERによる中古衣料品マーケットプレイス運営の米Poshmark買収について紹介する。
Googleが動画生成AI「Imagen Video」を発表、モデルやコードは公開せず
Googleの研究チームは10月6日、テキストによる指示で動画を生成可能な動画生成AI「Imagen Video」を発表した。「ボウルからエサを食べているゴッホのような画風の猫」、「ニューヨークの街中を走っているテディベア」、「岩の上で竹を食べるパンダ」といったテキストを与えると、最大5.3秒の高解像度の動画を生成することができる。Googleの研究チームは、2022年5月にテキストから画像を生成できる画像生成AI「Imagen」を発表していた。
直近ではMetaの「Make-A-Video」をはじめ、動画生成AIも続々と発表されているが、Imagen Videoの特筆すべき点はテキストをアニメーション化する能力だという。例えば「色彩豊かな、絵筆で描かれた“Imagen Video”というロゴ」というテキストを与えると、その指示内容通りに、ロゴが現れるアニメーションの動画を生成することが可能だ。
研究チームによるとImagen Videoは、Imagenの発表時と同様に安全面や社会的な影響を鑑み、現時点でそのモデルやソースコードを公開しないとしている。
韓国NAVER、中古衣料品マーケットプレイス運営の米Poshmarkを約12億ドルで買収
「韓国のGoogle」とも呼ばれるIT大手のNAVERは10月3日、中古衣料品マーケットプレイス運営の米Poshmarkを約12億ドルで買収すると発表した。Poshmarkは2021年1月にナスダックへ上場しており、買収金額は10月3日時点の終値に対して15%の上乗せとなる。手続きは2023年の第1四半期までに完了見込みで、取引完了後はNAVERの独立子会社としてPoshmarkは運営される。マニッシュ・チャンドラCEOと現経営陣が引き続きPoshmarkの経営に取り組む。
NAVERのチェ・スヨンCEOは今回の発表のなかで「NAVERの検索、AIによるレコメンデーション、Eコマースの先駆的なテクノロジーは、Poshmarkのグローバルな成長の次の段階を後押しする」とコメント。2011年設立のPoshmarkは現在、ユーザー登録者数が8000万人を超えており、2021年の通期の売上高は3億2600万ドルと前期比25%増。一方で9800万ドルの損失を出し、直近の株価はピーク時から9割近く下落していた。
NAVERは、2022年4月にチェ氏がCEOに就任。その際、事業の海外展開を加速する見通しを示していた。今回のPoshmark買収は、同社として過去最大のM&A。北米展開へ、今回の買収を足がかりとする見込みだ。