
俳優のウィル・スミス氏とプロサッカー選手の本田圭佑氏が2018年に共同で立ち上げた投資ファンド「Dreamers Fund(ドリーマーズ・ファンド)」。
"海外のベンチャー・スタートアップに投資する”ことを目的に、これまでに音声SNSアプリのClubhouseやオンライン決済サービスのBolt、ブロックチェーン・NFTサービスのDapper Labs、メールの高速処理ツールのSuperhumanなど、合計97社に投資を実行。投資先の中からユニコーン9社、デカコーン2社も生まれている。
Dreamers Fundの運用で得た手応えと実績をもとに、本田氏が新たなファンドの組成を10月12日に発表した。新ファンドの名前は「XPV Circle Fund」。ファンド規模は100億円以上を想定する。今回のファンドはグローバルでの投資を対象としており、日本の投資に特化したXPV Circle Fundに関しては近い将来に立ち上げる計画もあるとのこと。
XPV Circle Fundは本田氏らが「ファウンダー」と定義するセレブリティやユニコーン企業の創業経験者など、影響力を持った人たちが自身のファンドを立ち上げる際のLP出資に特化したファンド。これまでもVCの一部が子ファンドの組成に特化したファンド、いわゆるFoF(Fund of Funds)を作ってきたが、その「著名人特化版」とも言えるものだ。
XPV Circleという名称ではなく、それぞれのファウンダーの名称でファンドを組成するのも特徴で、ファンド組成のための資金提供以外にも、トップティアの投資案件を獲得するためのネットワークや日々の投資オペレーション、投資後のバリューアップなども支援する。
すでに米国の俳優・コメディアンとして有名なケヴィン・ハートを最初のパートナーとし、彼がGP(General Partner:無限責任のパートナー)を務めるファンド「Hartbeat Ventures」を共同で立ち上げている。また、他にも数人とファンド組成の話が進んでいるという。
XPV Circle Fundの運営元であるXPV Groupは、米国ユニコーン創業者のためのプライベートバンクを作ることを目的に、本田氏とDreamers Fundでマネージングパートナーを務めた中西武士氏、プライベートマーケットの取引所・Forgeを展開するSohail Prasadが2022年に設立した会社。投資機能はXPV Circle Fundが担い、XPV Groupでは創業者個人の未上場株式を担保にした低金利ローンの提供、創業者が株式を売却したい際の取引所の立ち上げなどに取り組んでいく予定とのこと。
なぜ、本田氏は新会社、新ファンドを設立することにしたのか。また、XPV Circle Fundでは具体的にどのようなことに取り組んでいくのか。本田氏を含めた創業者たちへのインタビューは後日、掲載する予定だ。