Photo: NurPhoto/gettyimages
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日本では記録的な円安による物価高が進行しているが、米国でも同様に高いインフレ率などによる影響で、消費者の節約志向が加速している。だが、節約の標的となっているのは主に外食や食料品の購入などで、動画や音楽のサブスクリプションサービス(以下、サブスク)の解約には躊躇(ちゅうちょ)している消費者が多いようだ。

米調査会社・National Reseach Group(NRG)は2022年8月、18〜64歳の米消費者2509人を対象に、過去6カ月における節約の実態に関する調査を実施。同調査は年齢、性別、民族、収入などの点で、米国人口を代表するように重み付けしているという。その結果によると、回答者のうち45%が外食、44%が食料品の購入、42%がフードデリバリーにおける節約を実施したと答えた。しかし、これらと比較すると、サブスクに対する出費を抑えたとする回答は少ない。「Netflix」のような動画配信サービスにおいては18%、「Spotify」などの音楽配信サービスにおいては10%のみが節約したと述べている。

さらに、同調査では66%の回答者が「今後もさらなる節約を検討している」と回答しているものの、「サブスクの契約数を減らす」と答えたのはその半分以下の28%のみだ。そして実に68%が「契約数を維持する」と回答している。

ちなみに、最も解約を検討されているサブスクサービスは「Tinder」などに代表されるマッチングアプリとなっている。「1つ以上のサブスクの解約を検討している」とする回答者のうち、76%がマッチングアプリを解約するサービスの候補として挙げている。

Netflixは7月19日(米国時間)、2022年第2四半期(4〜6月)決算の発表で、会員数が前四半期から約97万人減となり、2四半期連続で減少したことを明らかにしている。だが、衣食住のほかの出費と比較すれば、エンターテインメント系のサブスクは消費者がまだ切り詰めずにいる「最後の楽しみ」となっているようだ。