
- Meta、ハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表
- Microsoft、Azureで画像生成AI「DALL・E 2」が利用可能に
GAFAMの一角を占めるMeta(旧Facebook)とMicrosoftが今週、相次いで年次カンファレンスを開催。各社、次の事業展開を見据えた大きな発表を行った。
Metaは、昨年の企業名変更からメタバース領域での事業展開を加速。今回の「Meta Connect 2022」では、昨年の同カンファレンスで予告されていたハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」がついにお目見えとなった。
Microsoftは、2022年に入って注目が集まっている画像生成AIの筆頭、米OpenAI開発の「DALL・E 2」と連携。「Microsoft Ignite 2022」において、クラウドサービス「Azure」上でDALL・E 2が使えるようになると発表した。
今回の「海外テックニュース-Trend Now」では、MetaによるMeta Quest Pro発表、そしてMicrosoftによるDALL・E 2連携について紹介する。
Meta、ハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表
Metaは10月11日(現地時間)、年次カンファレンスの「Meta Connect 2022」を開催。その中でハイエンドVRヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表した。10月25日に発売で、価格は日本円で22万6800円から。現行モデルの「Meta Quest 2」と比べ、そのデザインから機能に至るまで、大幅な性能向上となっている。
Meta Quest Proの開発は昨年開催の同カンファレンスで「Project Cambria」として予告されており、これまでもその存在についてはリークなどで数々の情報が飛び交っていたが、今回ついに正式な発表となった。
Metaは、同社提供のVR空間「Horizon Workrooms」でMeta Quest Proを使用して仕事や制作といった実作業が行われることを想定している。カンファレンスにはMicrosoftのサティア・ナデラCEOが登壇し、Microsoft 365やTeamsといったMicrosoftのアプリケーションが今後Meta Questに対応し、VR空間で利用可能になると発表した。
Metaは2021年、メタバース領域へのビジネスシフトを念頭にFacebookから社名変更を敢行しており、Meta QuestやHorizon Workroomsの開発は同社肝入りのプロジェクト。The Vergeの取材に対してMetaのマーク・ザッカーバーグCEOは、「(ソーシャルメディア事業からメタバース事業への)リブランディングは、長期にわたる旅の始まり。Meta Quest ProはVRデバイスの最初のバージョンであり、製品の成熟は10年後」と発言している。
Microsoft、Azureで画像生成AI「DALL・E 2」が利用可能に
Microsoftは10月12日(現地時間)、年次のカンファレンス「Microsoft Ignite 2022」を開催。その中で、同社のクラウドサービス「Azure OpenAI Service」を通じて画像生成AI「DALL・E 2」を使えるようになると発表した。当初は招待制で利用可能となる。
DALL・E 2は米AI開発のOpenAIによって発表され、テキストから生成する画像の高い精度が大きな話題を呼んでいた。2022年4月から招待制で提供を開始し、9月末からは一般ユーザーによる使用を解禁している。
Microsoftは、2019年7月にOpenAIへ10億ドル(当時の為替レートで約1080億円)を出資。その際に「OpenAIが新たなAI技術を商用化する際の優先パートナーとなる」と発表していた。今回のDALL・E 2の導入は、その流れを汲んだものと見て間違いなさそうだ。2020年にMicrosoftは、OpenAIの開発した大規模言語モデル「GPT-3」の独占ライセンスを取得。2021年には自社製品へGPT-3を実装した機能を提供し始めている。
MicrosoftはDALL・E 2を組み込んだサービスとして今回、Microsoft 365の新たなアプリケーション「Microsoft Designer」を発表した。Microsoft 365シリーズとしては初のデザイン領域のアプリケーションで、DALL・E 2の技術によりMicrosoft Designer上でテキストの記述によるデザイン生成が可能となる。