Photo: Pool  / gettyimages
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先日、「スタートアップ育成5か年計画(案)」を発表した岸田内閣。同計画は2027年度にはスタートアップへの投資額を10兆円規模に引き上げるほか、スタートアップを10万社創出し、その中からユニコーン企業を100社創出することを目標としている。スタートアップ業界の関係者からは、計画に対するポジティブな意見も多く聞こえた。

実際のところ、起業家たちは岸田内閣の「スタートアップ育成5か年計画」について、どのような考えを持っているのだろうか? DIAMOND SIGNAL編集部が過去に取り上げたことのある起業家たちにアンケートを実施した結果を紹介する。掲載は氏名の五十音順。

赤川隼一 / ミラティブ代表取締役

Jリーグ創設30年の積み上げから、ワールドカップが今回の結果(ドイツとスペインを撃破しての決勝トーナメント進出)になっているように(※12/4予選突破時点で書いています)、短期的な目線以上に、アントレプレナーシップ教育など中長期の目線がより重要になるはずで、続けていくことにこそ期待を持っています。

また、すでに項目には挙げられている起業家のリスクサイドの低減(経営者の個人保証を不要にする制度の見直し)は、起業促進と同じくらい大事だと思っています(事実としてしんどい瞬間もまぁ少なくないのが起業なので、誰にでも起業しろとは言わない・言えない派です)。

及川厚博氏 / M&Aクラウド代表取締役CEO

日本の産業界を活性化していくためには、スタートアップへ資金が流入しやすくなる仕組みをつくっていくことが重要だと考えているので、非常にポジティブに受け止めています。特に、政府のスタートアップ支援は従来、資金の“入り口”に偏っていた(=起業や出資の促進施策が中心だった)中で、今回スタートアップM&Aを対象にした減税案が盛り込まれ、“出口”への配慮が見られたのが印象的です。

スタートアップエコシステム全体をよくしていこうという意気込みを感じました。一方、「ユニコーンを5年で100社」についてはさまざまな見方がありますが、個人的にはスタートアップに買収資金を提供し、合従連衡を促していくことが、グローバルに勝てる企業を増やしていくことにつながると考えています。

佐藤詳悟 / FIREBUG代表取締役 CEO

このアンケートではじめて知って読んでみましたが、中身がめちゃくちゃ多すぎて、本当に必要で絶対やったほうがいいことを3つくらいに絞って本気でやった方がいいと思いました。

篠塚孝哉 / 令和トラベル代表取締役社長

非常に素晴らしいと思いますし、個人的にも期待しています。それに合わせて、人材流動性を高めて産業全体の形式知のレベルを上げることが重要だと思っているので、踏み込んだ意思決定があることも期待したいと思っています。

ジョン・セーヒョン / oVice代表取締役CEO

順調にいっているスタートアップに対してではなく、セーフティーネットのような形で、起業して失敗した人が再挑戦するための仕組みづくりという形で資金を投入した方が、良い起業家が増えるのではないかと感じています。

濱渦伸次 / NOT A HOTEL CEO

政府がスタートアップ支援を本格的に行うことは歓迎です。特にディープテックなどの分野は政府の支援が不可欠であると考えています。それと同時に、規制改革も進めていくことでよりイノベーティブな企業が生まれていくと思います。

福島良典 / LayerX代表取締役CEO

とてもポジティブに思っています。

古川健介 / アル代表取締役

個人的にはかなり良いと思っています。よりエンジェル投資にお金が回るようになるといいんじゃないかと思っているので、そのあたりの施策はぜひとも実現していただきたいです。

吉兼周優 / Azit代表取締役CEO

どの筋で支援すると本質的に価値があるのか、今一度ご検討いただきたいです。