
UB Venturesは3月9日、「SaaS Annual Report 2022」を発表した。それによると、国内SaaS企業はSansan、ラクスがARR(年間経常収益)200億円超、freeeやマネーフォワードなどもARR100億円超となり、引き続き成長を続けているという。また未上場のSaaSスタートアップについても、2022年には資金調達総額が過去最高の2063億円に達し、LegalOn Technologiesやアンドパッドによる100億円超の大型資金調達が話題を呼んだ。この勢いは2023年も続くのだろうか。
今回の「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」では、今週(3/4〜3/10)発表されたスタートアップの資金調達から注目すべきニュースをピックアップしてお届けする。
今週のスタートアップニュース
mindbento、総額2000万円の資金調達を実施
テキストや画像などさまざまな形式で散逸した情報を自動で整理するナレッジワーカー支援ソフトウェア開発のmindbentoは3月6日、東北発スタートアップを中心に支援する独立VCのスパークル、MIRAISEを引受先とした第三者割当増資により、総額2000万円の資金調達を実施したことを発表した。
アルファフュージョン、総額4.5億円の資金調達を実施
がん治療の新たな手法の研究開発に取り組むアルファフュージョンは3月7日、大阪大学ベンチャーキャピタル、住友重機械工業、日揮、科学技術振興機構などを引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドのファーストクローズで総額4.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
Happy Quality、総額4.5億円の資金調達を実施
テクノロジーを活用した農業経営の支援サービスを展開するHappy Qualityは3月7日、明石吉田屋産業、エヌエスティー、ベンチャー投資育成研究会などを引受先とした第三者割当増資および商工組合中央金庫、その他金融機関からの融資により、シリーズAラウンドで総額4.5億円の資金調達を実施したことを発表した。
ARAV、総額4億円の資金調達を実施
建設業や林業などで用いられる各種大型機械の遠隔操作、オートメーションを実現するソリューション開発のARAVは3月8日、東京大学協創プラットフォームを引受先とした第三者割当増資および日本政策金融公庫、商工組合中央金庫からの融資により、シリーズAラウンドで総額4億円の資金調達を実施したことを発表した。
SARAH、総額3.7億円の資金調達を実施
グルメ情報の投稿サービス「SARAH」、SARAHでの投稿をもとにしたデータ分析を提供する「FoodDataBank」を運営するSARAHは3月8日、既存投資家のPE&HR、新規投資家の味の素、スカイライトコンサルティング、アクト、バルクリーズなどを引受先とした第三者割当増資および商工組合中央金庫からの融資により、総額3.7億円の資金調達を実施したことを発表した。
イチロウ、総額2.2億円の資金調達を実施
介護士派遣サービス「イチロウ」を運営するイチロウは3月8日、三井住友海上キャピタル、Open Network Lab・ESG1号投資事業有限責任組合、みずほキャピタル、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、セゾン・ベンチャーズ、その他個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドで総額2.2億円の資金調達を実施したことを発表した。
HonneWorks、総額3000万円の資金調達を実施
テック業界などのビジネスパーソン向け匿名SNS「WorkCircle」を運営するHonneWorksは3月8日、ゼロイチキャピタル、ExecutiveSearch.AI、その他個人投資家などを対象とするJ-KISS型新株予約権の発行により、プレシードラウンドで総額3000万円の資金調達を実施したことを発表した。
NearMe、総額約7億円の資金調達を実施
相乗りシェアサービス「nearMe.」シリーズを展開するNearMeは3月8日、第一生命保険、大林組、三井不動産、JTB、トヨタ紡織などを引受先とした第三者割当増資および日本政策金融公庫からの融資により、シリーズBラウンドのセカンドクローズで総額約7億円の資金調達を実施したことを発表した。
favy、総額3億円の資金調達を実施
飲食店開発や飲食店運営支援SaaSの「favyサブスク」、「favyモバイルオーダー」などを提供するfavyは3月8日、阪急阪神ホールディングス、ケネディクス、その他個人投資家から、総額3億円の資金調達を実施したことを発表した。
ispace、東証グロース市場へ新規上場承認
月への輸送サービス展開を目指しランダー(月面着陸船)とローバー(月面探査車)を開発するispaceは3月8日、東京証券取引所グロース市場への新規上場が承認されたと発表した。想定時価総額は約190億円。ispaceは2010年の設立で、これまでの資金調達額は累計約268億円(融資を含む)。2022年3月期の売上高は約6.7億円、経常損失は約40億円となっている。
QPS研究所、総額約10億円の資金調達を実施
小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発・運用するQPS研究所は3月9日、スカパーJSAT、日本工営、三井住友海上キャピタルが運営するMSIVC2021V投資事業有限責任組合などを引受先とした第三者割当増資により、総額約10億円の資金調達を実施したことを発表した。
MOVeLOT、総額2500万円の資金調達を実施
人が搭乗可能な5m規模のロボット開発に取り組むMOVeLOTは3月9日、ANRI、グローカリンクを対象とするJ-KISS型新型予約権の発行により、プレシードラウンドで総額2500万円の資金調達を実施したことを発表した。
OpenStreet、総額約22億円の資金調達を実施
モビリティシェアリングサービス「HELLO CYCLING」「HELLO MOBILITY」などを運営するOpenStreetは3月10日、JICベンチャー・グロース・インベストメンツをリード投資家として、ENEOSホールディングス、SBIインベストメント、横浜銀行、東急不動産ホールディングスなどを引受先とした第三者割当増資により、シリーズCラウンドで総額約22億円の資金調達を実施したことを発表した。