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  • 給与データ、評価制度クラウド、コンサルティングの3本柱で適切な評価・報酬を決定

PROJECT COMPは5月17日、企業向け評価・報酬決定プラットフォーム「PROJECT COMP for Business」を提供開始した。

PROJECT COMPは2020年7月の設立。代表取締役の田川啓介氏はディー・エヌ・エー(DeNA)の出身だ。「給与市場を透明化して、人材流動性を高める」というビジョンを掲げ、2021年9月にユーザー参加型の給与統計データベースサービス「PROJECT COMP」をリリースしている。

同サイトでは、ユーザーの投稿をもとにテック企業を中心に約800社の企業データを蓄積。、「企業別」「職種別」「スキル別」「社会人歴別」などさまざまな切り口で年収データを閲覧したり、自身の情報と照らし合わせることで“自分の年収位置”を把握したりできる。

サイト上では企業別平均給与と中央値を公開しているほか、職種別やスキル別のデータも公開している。例えば「ソフトウェアエンジニア」の平均年収750万円、中央値670万円、「プロダクトマネージャー」は平均年収980万円、中央値900万円。「サーバーサイド開発」は平均年収770万円、中央値700万円、「Webフロントエンド」ではれば平均年収660万円、中央値612万円といった情報が公開されている。さらに自分の年収情報を登録することで、昇級率の相場比較など詳細なデータを確認できる仕様になっている。

今回同社がリリースした企業向け評価・報酬決定プラットフォーム「PROJECT COMP for Business」はこのPROJECT COMPを土台に、企業が時勢にあった適正な従業員の給与体系を設計したり、採用の際に提示する報酬の参考になる情報を提供したりするサービスだ。給与に不満を持つ社員のネガティブな離職の防止や、採用の強化につなげる。

給与データ、評価制度クラウド、コンサルティングの3本柱で適切な評価・報酬を決定

PROJECT COMP for Businessは、(1)スタートアップから大企業までテック企業を中心とした約800社の「給与データベース」、(2)テック系企業の評価制度事例をもとに自社にフィットする制度を作成できる「テック評価制度クラウド」、(3)インハウスでの人事経歴とコンサルティング経験も併せ持つ熟練者による「コンサルティング」の3つの機能で構成する。これらの機能を活用することで、企業は評価制度作りから評価査定までのあらゆる課題に対応できるようになり、適切な評価・報酬決定を実現していくことができるとしている。

「PROJECT COMP for Business」のイメージ

冒頭にもあるように、PROJECT COMP代表の田川啓介氏はDeNAの出身。新卒で入社した同社ではゲーム子会社の代表や人事責任者(HR本部長)、執行役員などを務めた。人事責任者時代には採用面接や評価面談、退職者の慰留交渉など幅広い業務に従事。その際に「給与情報は情報の非対称性が大きい」(田川氏)と強く感じ、給与統計データベース「PROJECT COMP」を開発。さらに今回、企業向け評価・報酬決定プラットフォーム「PROJECT COMP for Business」を開発した。