AMPHICO創業者でCEOを務める亀井潤氏
AMPHICO創業者でCEOを務める亀井潤氏。すべての画像提供 : AMPHICO

100%リサイクル可能で、有害な化学物質を一切含まない“透湿防水素材”──。2018年創業のAMPHICO(アンフィコ)が研究開発を進めているのは、アウトドアアパレル市場に新風を吹き込む可能性を秘めた次世代素材だ。

透湿防水素材と言えば、「ゴアテックス」を筆頭に実績のあるメーカーがひしめく領域。ただ近年は、はっ水加工に使用するPFAS化合物(有機フッ素化合物)の規制が国際的に進んでおり、新素材への需要が増えてきている。つまり市場が転換点にある状況だ。

そんな変化をチャンスと捉え、AMPHICOでは防水性と透湿性、伸縮性などを兼ね備え、環境にも配慮した独自素材「AMPHITEX(アンフィテックス)」を開発。2024年の商用化を目指し、複数のアパレルメーカーとR&Dにも取り組む。

実はこのAMPHICO、日本人起業家の亀井潤氏がイギリス・ロンドンで立ち上げたスタートアップだ。亀井氏は東北大学大学院を経て、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(英国王立芸術大学院大学)に留学。そこで自身の研究をもとに「人工エラ」技術を開発した。

AMPHICOが商品化を見込むAMPHITEXに関しても、その人工エラ技術が大きく関わっているという。