国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は8月1週の注目資金調達情報だ。

ヘイ

  • 調達額:資金調達額非公表
  • 調達先:Anatole / Bain Capital / PayPal / WiL / YJキャピタル / ゴールドマン・サックス
  • 備考:ニュースよりBain Capital単体で70億円の出資額と記載あり

「楽しみ」によって駆動される経済発展を支援することを目指し、コイニーとストアーズ・ドット・ジェーピーの経営統合により生まれたスタートアップ。

フリークアウト、イグニスでそれぞれ上場まで導いた経験をもち、エンジェル投資家としても活動している佐藤裕介氏が代表取締役を務める。同社は、誰でも簡単に使うことが出来るキャッシュレス 決済サービス「Coiney」とオンラインストア 開設/運営サービス「STORES」の提供を行っている。民間商取引市場全体におけるEC化率が年々増加傾向にあることに注目して、そこをターゲットとしたビジネスモデルを展開中だ。

2020年1月30日より「Coiney」「STORES.jp」のサービスブランドを「STORES(ストアーズ)」に統合した。サービスブランド統合に伴い、お店のキャッシュレスサービス「Coineyターミナル」ならびに「Coineyスキャン」は「STORESターミナル」へ、「Coineyペイジ」は「STORES請求書決済」へ。誰でも本格的なネットショップがつくれるサービス「STORES.jp」は「STORES」へとサービス名称を変更する。

2020年8月には米投資会社のBain Capital、香港投資会社のAnatole、米金融機関のGoldman Sachs、米決済会社のPayPal、YJキャピタル、および既存株主であるWiLを引受先に第三者割当増資による資金調達を実施。シリーズEラウンドをクローズした。今回調達した資金はこれまで以上に製品開発と事業者の方々のサポートに注力し、優れた人材の採用と、その働く環境に積極的な投資される方針。

Photosynth

  • 調達額:35億円
  • 調達先:農林中央金庫 / NTTドコモ・ベンチャーズ / グローバル・ブレイン / LINE Ventures / 凸版印刷 / Scrum Ventures / 常陽産業研究所 / グロービス・キャピタル・パートナーズ / Business Strategic Partners
    融資先:新生銀行 / 日本政策金融公庫 / みずほ銀行 / 常陽銀行

世界初後付けスマートロック「Akerun」の開発、IoT関連機器の研究開発をしているスタートアップ。

「Akerun」はスマホで鍵を開け閉めすることができるため鍵を持ち歩く必要がなく、また鍵をfacebookやLINEなどSNSで開け閉めの権限をゲストに与えることができる機能をもつ。また開け閉めされた記録も残るため防犯対策にも活用することが可能。B2B向けでは自動で勤怠管理を行なってくれる機能を備えているため労務管理の工数の削減を実現する。

2018年7月には、週刊東洋経済が選ぶ「すごいベンチャー100」にも選出されたるなど多くの注目を受け続けており、今後も日本発のIT企業である同社に期待が寄せられている。2020年8月第三者割当増資とデットファイナンスにより35億円の資金調達を実施。調達した資金をもとに、新戦略となるキーレス社会を実現するためのアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」を推進していく。

ウェルスパーク

  • 調達額:9億円
  • 調達先:SBIインベストメント / みずほキャピタル/ Marcus Everard / Varun Bery / Water Cheung
  • 融資先:あおぞら銀行 / 日本政策金融公庫
  • 備考:他国内外複数の個人投資家及び、ファミリーオフィスからも調達

不動産とテクノロジーを組み合わせ、個人投資家向けの投資プラットフォームを手がけるスタートアップ。ファウンダー兼CEOの川田隆太は過去に投資銀行・ITベンチャー企業で働き、国内外に豊富なネットワークを持ち、ボードメンバーには投資銀行業務経験者が集う。

ウェルスパークのサービスは「Wealth Park」であり、個人投資家向けの”非流動資産の資産運用プラットフォーム”である。非流動資産には不動産から絵画まで、現金化しづらい様々な資産が含まれる。同社は不動産分野から着手し、個人投資家と不動産管理会社にアプリ・システムの開発を行なっている。また、資産の管理はデベロッパー、仲介会社、管理会社、銀行、保険会社からなる幅広い体制ができているので、包括的にサポートがなされる。そのことで常に最新のマーケットニュース、チャットによる確認、アセットのポートフォリオをいつでもアプリで確認できることを目指す。

2020年8月にはSBIインベストメント、みずほキャピタル、あおぞら銀行、日本政策金融公庫、国内外複数の個人投資家から総額9億700万円の資金調達を完了。今後は、金融機関との連携による電子取引利便性の向上や各種手続きのオンライン化を計画しており、不動産管理会社様、及び不動産投資家の皆様により多くの機能をオンラインでデジタルに提供することを計画している。また、同社の提供するプラットフォームは不動産の領域に留まらず、”テクノロジー”をキーワードに、不動産管理会社様と共に、”ウェルスマネジメント”の領域へと事業領域を拡大していく方針だ。

ファインディ

  • 調達額:7億7,000万円
  • 調達先:グローバル・ブレイン / JA三井リース / SMBCベンチャーキャピタル / みずほキャピタル / ユナイテッド / 博報堂DYベンチャーズ
  • 備考:他金融機関からの融資を含む / グローバル・ブレインはKDDI Open Innovation Fund 3号からも出資

主にエンジニア採用支援サービス「Findy」を運営するスタートアップ。

同社が運営するサービスはエンジニアと企業をマッチングするプレミアム転職サービス「Findy」や、フリーランス・副業エンジニア向けサービス「Findy Freelance」などがある。「Findy」は「Findy Freelance」と合わせて2020年7月時点で約3万人のエンジニア、約300社の企業が利用するサービスへと成長している。また2020年4月にβ版をリリースした、エンジニア組織の生産性を自動診断・改善するサービス「Findy Teams」は、ファインディが独自開発したアルゴリズムにより、開発組織全体のGitHubにおける活動状況を自動解析し、開発プロセスの活動量や改善点を可視化する。今後も、AIによって個人のスキルの見える化をすることによって転職時のマッチング向上や、個人がさらに自由に働ける社会の実現を目指す。

2020年8月にグローバル・ブレインをリード投資家とし、ユナイテッド、SMBCベンチャーキャピタル、KDDI、JA三井リース、博報堂DYベンチャーズ、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資と融資を合わせ、総額7億7,000万円の資金調達を実施した。今回調達した資金を活用し、プロダクト開発やマーケティング、営業活動をさらに加速していく。

シン

  • 調達額:6億5,000万円
  • 調達先:ANRI / Coral Capital / DCM / GO / デライト・ベンチャーズ
  • 備考:GOはGO FUNDから出資

国内発の新しいフードデリバリーサービス「Chompy」を提供するスタートアップ。
同社は日本の食の良さを更に引き出し、その素晴らしさを国内外に届けていくインターネット事業を展開。主要サービス「Chompy」は渋谷区と目黒区周辺で毎日10時〜24時にサービスを提供している。お店の魅力や商品へのこだわりなど、"温もり"が感じられるフードデリバリーサービスを目指し、個人店を中心に独自の基準で厳選したお店のみを取り揃えている点が同サービス最大の特徴である。また、配達は全てベテラン配達員によるものとなっており、安心して注文を待つことができる点も強みである。その他サービス機能として、グループでまとまって注文した際には配送料が自動的に割り勘になり、オフィス単位で事前注文できる「オフィスランチ便」の機能を備えている。2020年8月現在、サービス参加予定店舗は150近くに達し、今後も参加店舗数を増やすとともに、順次エリアと時間帯を拡大する方針だ。

2020年8月にはANRI、Coral Capital、DCM Ventures、Delight Ventures、GO FUNDから総額6億5,000万円の資金調達を実施し、「Chompy」の正式リリースを発表した。今回調達した資金とインターネット分野で経験豊富なメンバーの開発力を活かし、「Chompy」のさらなる成長に尽力していく方針だ。