Quoraのエバンジェリストである江島健太郎氏 提供:Quora
Quoraのエバンジェリストである江島健太郎氏 提供:Quora

TwitterやInstagramなど、今や誰もがアカウントを持つようになったSNS。一方で、誤った情報の拡散や有名人を自殺に至らせるまでの誹謗中傷を見ていると、SNSの現状に疑問を感じる人も少なくないのではないだろうか。

そんな中、日本でも徐々に存在感を強めているのが、米国発のQ&Aコミュニティ「Quora(クォーラ)」だ。これから求められるコミュニティサービスのあり方とはどのようなもので、実現のためにQuoraは何を行っているのか。エバンジェリストとして日本での普及に携わる江島健太郎氏に聞いた。

Facebook初代CTOが立ち上げた実名制Q&Aサービス

Quoraは2009年にアメリカで創業し、2010年に運営を開始した実名制のQ&Aコミュニティサービス。全世界での月間ユニークビジター数はすでに3億人を超えており、売り上げは非開示だが、広告収益などによって収益を得ている。

PCで表示したQuoraのフィード画面。ユーザーが興味を持ちそうな質問とそれに対する回答が、Facebookのフィードのように表示される。
PCで表示したQuoraのフィード画面。ユーザーが興味を持ちそうな質問とそれに対する回答が表示される

創業者は、マーク・ザッカーバーグとともにFacebookを立ち上げた初代CTOのアダム・ディアンジェロだ。彼が軌道に乗りつつあったFacebookを離れてQuoraを開発したのは、両者のプラットフォームとしての思想が根本的に異なるからだと江島氏は説明する。

「リリース当初こそ(特定の大学の学生だけが参加する)クローズドなコミュニティだったFacebookですが、初期から万人に開かれた『コミュニケーションの場』を目指していました。それに対して、Quoraのミッションは『世界中の知識を共有し、広め深めること』で、どちらかといえばWikipediaに近い性質を持っています。ちなみに、Wikipediaの創設者であるジミー・ウェールズも、Quoraの利用者です」(江島氏)