
インフルエンサーの支援・マネジメントなどを手がけるBitStarは8月17日、第三者割当増資および金融機関からの融資により、総額10億円の資金調達を実施したことを発表した。
引受先は事業会社が中心で、電通グループ、丸井グループ、フォーイット、SKIYAKI、ビーマップ、セガサミーホールディングスが今回、新たに株主として加わった。また、電通グループからの出資を受け、連結子会社の電通パブリックリレーションズとはソーシャルブランディング領域における業務提携を締結した。
BitStarは2014年7月に設立(当時の社名はBizcast)したスタートアップだ。Youtuberと企業をマッチングする広告領域で事業を開始し、プロダクション領域、コンテンツ制作領域などにも手を伸ばした。
現在BitStarが提供するのは、インフルエンサーを活用したマーケティングソリューションの「BitStar Ads」、クリエイターの育成からマネタイズまでを支援するプロダクションの「BitStar」、そして企業のYoutubeチャンネル運営とコンテンツ制作を行う「BitStar Studio」だ。
事業会社を中心にした資金調達を行った狙いについて、BitStar代表取締役社長CEOの渡邉拓氏は「事業会社との協業を前提とした調達。(協業により)各事業をより成長させることで、クライアント企業や所属クリエイターにより大きな価値を提供していきます」と説明する。
広告領域では、電通グループとの協業を通じてナショナルクライアントの獲得を目論む。広告商品を共同開発しており、今後「随時発表していく」(渡邉氏)予定だという。
プロダクション領域では、ファンサイトやファンクラブの制作・運用を行うSKIYAKIと協業する。BitStarに所属するクリエイターのグッズ制作・販売が目的だ。
加えてBitStarでは、VR領域の研究・開発を行う「BitStar Akihabara Lab」を展開する。丸井グループとの提携では、Vtuberが参加するリアルイベントの「わくわく!VTuberひろば」を東京・渋谷の商業施設である渋谷モディに常設することが決まっている。
アフィリエイトプラットフォームを開発するフォーイットとの協業では、システムの連携が視野にある。プロダクションに所属する前の段階のインフルエンサーが企業から仕事を受注できる仕組みの構築を目指す。
BitStar Adsは累計で約800社が利用してきた。BitStar Studioの月間売上、そしてBitStarに所属するクリエイターによる動画の総再生数は、共に昨年比で約200%に成長しているという。
「今は広告以外の事業領域にも投資しているフェーズです。(広告領域以外も)しっかりと伸ばしていきたい。成長フェーズでアクセルを踏んでいく、転換期だと思っています」(渡邉氏)