
国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は8月2週の注目資金調達情報だ。
BeaTrust
- 調達額:3億円
- 合計資金調達額:3億円
- 調達先:DNX Ventures / One Capital / PKSHA Technology capital / STRIVE / みずほキャピタル / サイバーエージェント・キャピタル / スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント / デライト・ベンチャーズ / 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ
- 備考:J-KISS型新株予約権の行使 / 他複数の個人投資家からも調達
組織メンバーの協業を促進するコラボレーションプラットフォームを展開するスタートアップ。2020年にGoogle出身者である原邦雄氏と久米雅人氏によって創業。
従業員同士が自律的に協業し、持続的にイノベーションが起こせるような文化、環境作りを支援する統合型デジタルプラットフォームの開発を行っている。特にリモートワークといった多様な働き方が模索されている中、新しい従業員間の情報共有方法やオンラインコラボレーションのあり方が求められており、従業員同士での協業を促すプラットフォーム 「BeaTrust」を今秋リリース予定である。「BeaTrust」は、従業員の業務内容やスキル・経験の可視化、チーム構成・組織体制の把握、横断的かつスピーディで強力な検索機能、コラボレーションを生み出すためのコンタクト情報などの表示の4つの機能を予定している。
2020年8月には、シードラウンドにおいて、総額約3億円の資金調達を実施。調達した資金で、主にプロダクト開発、人材採用への投資を行っていく予定だ。
サステナブル・ラボ
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調達額:1億4198万円
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合計資金調達額:1億4100万円
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調達先:環境エネルギー投資 / サステナブルテクノロジーズ / 砂川大 / 金當一臣
SDGsやESGにモノサシをあてるためAIを活用した非財務データバンク「ESGテラスト」を運用するスタートアップ。”見える化”によって企業のサステナビリティ推進を支援している。
企業がSDGsやESG投資などのサステナビリティを推進することに新たなリソースやコストの投入が必要である反面、その費用対効果が不透明であることに着目。企業が環境や社会にもたらしたインパクトを精緻に測定することで”成果の見える化”を図り、また、環境や社会への貢献が収益・株価にどの程度繋がったかを測定し”最適化”することで、その取り組みを持続可能にしている。「ESGテラスト」では、この”見える化”と”最適化”を実現する、独自のデータ設計やデータ抽出技術による解析を行う。
2020年8月には、環境エネルギー投資、サステナブルテクノロジーズ、個人投資家の砂川大氏、金當一臣氏を引受先とする総額1億4,198万円の第三者割当増資を実施。”SDGsをAIで見える化する”非財務データバンクを拡大させ、同社が保有する非財務データの金融業界やエネルギー業界へのスピーディーな提供を目指す。
Taste Local
- 調達額:1億円
- 合計資金調達額1億円
- 調達先:非公表
- 備考:エクイティとデットによる調達
モール型のEコマースサービス「TASTE LOCAL」を展開するスタートアップ。発起者は、「Relux」運営のLoco Partners創業社長の篠塚孝哉氏である。
「TASTE LOCAL」は、一流宿の美味しい味を食卓でたのしめるECサービス。おうちにいながら、魅力的な一流宿のこだわりの食事からデザートまでをたのしむことができる。
2020年8月には、エクイティとデッドにより1億円を調達。今後半年間におけるフリーキャッシュフローの最大化を目指しつつ、引き続きコロナ下でダメージを受けているサービス産業のクライアントを中心に、事業を拡大していく方針だ。
リース
- 調達額:資金調達金額非公表
- 合計資金調達額:7000万円
- 調達先:ランサーズ
- 備考:資本業務提携
フリーランス向け賃貸与信サービス「smeta/スメタ」の開発・運営を展開するスタートアップ。その他、AI与信評価エンジン企画・開発、不動産事業、家賃債務保証事業なども手掛ける。
「smeta」は、フリーランスが引越しの前段階で信用力を適切に評価し、"事前与信"として与信枠(借りられる家賃の上限額)を付与する、賃貸与信アプリである。これにより、事前与信の枠に収まる家賃のお部屋であれば入居審査を100%通過できることから、フリーランスであっても正規雇用者同様の簡単かつスムーズなお引越しが可能になる。加えて、入居後の家賃支払履歴が「smeta」内に蓄積され、利用実績に応じて与信枠が増減する仕組みが搭載されているため、次回引越しをする際は増加した与信枠を活用することで選択肢の幅が広がる。
2020年8月には、ランサーズと資本業務提携を締結した。今後はリースの与信アルゴリズム、不動産業界におけるネットワークと、ランサーズのフリーランス・タレント・プラットフォームを活用した取組みを進める方針だ。
SENSY
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調達額:資金調達金額非公表
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合計資金調達額12億3600万円
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調達先:三菱商事
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備考:資本業務提携
感性を解析するパーソナル人工知能「SENSY」の開発を手がけるスタートアップ 。
「SENSY」は、感性工学に基づき一人ひとりの感性を個別に解析する、自然言語処理・画像解析技術などを組み合わせたディープラーニング技術だ。これを活用し、同社は企業向け・消費者向けに様々なサービスを展開する。主なサービスは、需要予測サービス「SENSY MD」だ。人工知能が顧客をパーソナルに解析するとともに、売上を左右する複雑な因果関係を解析することで、マーチャンダイジング計画を科学的に策定。商品の最適な発注・配分計画から販売後フォローアップまでの一連のオペレーションを支援するサービスとなっている。
2020年8月には、三菱商事との資本業務提携を発表。この提携により、共同でソリューション開発や事業推進のためのプロジェクトチーム組成などを通じ、中長期的な協業関係構築を目指す。