国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は8月3週の注目資金調達情報だ。

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  • 調達額:30億円
  • 合計資金調達額:135奥7300万円
  • 調達先:インキュベイトファンド / スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー / 高砂熱学工業 / 三井住友海上火災保険
  • 備考:シリーズBラウンド / インキュベイトファンドはIF SPV 1号投資事業組合、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーは宇宙フロンティアファンドを通じて

民間による月面資源開発に取り組む、日本発の宇宙スタートアップ。

”人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ”をビジョンに掲げ、現在は日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動している。同社は、日本初民間開発の月着陸船による月面探査プログラム「HAKUTO-R」を発表し、独自のランダーとローバーを開発するとともに、2022年3に月面着陸、2023年には月面探査ミッションを予定している。打ち上げにはSpaceXのFalcon 9を使用する予定だ。

2020年8月にはインキュベイトファンドをリード・インベスターとし、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー、高砂熱学工業株式会社、三井住友海上火災保険株式会社を引受先としたシリーズB ラウンドによる第三者割当増資を実施。現在までで総額約135億5,000万円を調達し、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」の2021年内での組み立て、2022年の打ち上げを目指して開発を進めている。

BitStar

  • 調達額:6億4,800万円
  • 合計資金調達額:27億4300万円
  • 調達先:ABCドリームベンチャーズ / コロプラネクスト / セガサミーホールディングス / 丸井グループ / 電通グループ
  • 備考:他個人投資家を含む

インフルエンサーマーケティング事業や、インフルエンサーを軸とした新たなコンテンツ産業を創出するスタートアップ。

同社が運営する主なサービスは、クリエイタープロダクション「BitStar」、コンテンツスタジオ「BitStar Studio」、インフルエンサーマーケティング「BitStar Ads」など多岐にわたる。これらのサービスを通し、クリエイターや新たなインターネット発のスター、スターコンテンツの創出を手掛けている。2020年4月にはコーポレート・サービスの名称、ロゴを一新し、新たなステージへの一歩を踏み出した。

2020年8月には電通グループ、丸井グループ、フォーイット、SKIYAKI、ビーマップ、セガサミーホールディングス、コロプラネクスト、ABCドリームベンチャーズ、その他個人投資家を引受先に第三者割当増資を実施。金融機関からの融資もあわせて約10億円の資金調達に至った。また、今回の出資に合わせ、BitStarは電通パブリックリレーションズとソーシャルブランディング領域において業務提携も実施している。今回の資金調達により、大手事業会社との戦略的協業を開始し、タグラインの実現、およびコンテンツ産業におけるメガベンチャーを目指すべく、引き続き事業を推進していく。

FLOSFIA

  • 調達額:5億円
  • 合計資金調達額:34億400万円
  • 調達先:三菱重工業 / 京都大学イノベーションキャピタル
  • 備考:京都大学イノベーションキャピタルはKYOTO-iCAP1号ファンドを通じて出資

グリーン且つクリーンな技術を用いてイノベーションを誘発し、社会に貢献する製品をつくりだしているスタートアップ。

もっとも力を入れているのが“水”から“半導体”を作るイノベーションである。このイノベーションを実現するために、MISTEPITAXY®法と名付けた半導体に適したミストドライ®法を開発した。同社が開発したミストドライ®法で作製したGaO®(コランダム構造酸化ガリウム、α-Ga2O3)のパワーデバイス応用により、電源・車載・動力領域でのイノベーションの実現していく。従来、ミストドライ®法で作製した膜は半導体分野には応用が困難と考えられてきたが、これまでに結晶の高品質化(不純物濃度の低減)や大口径化(4インチ化)、デバイス実証試作(600V以上の耐圧を有する超低オン抵抗SBD試作)に成功してきた。

2020年8月には、三菱重工業および京都大学イノベーションキャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施し、5億円を調達。同社は、今後も独自のGaO®デバイスを活用して、究極の半導体エコロジーTMによる新しい未来の実現に挑戦していく方針だ。

stand.fm

  • 調達額:5億円
  • 合計資金調達額:5億円
  • 調達先:YJキャピタル
  • 備考:シードラウンド

音声コンテンツ配信アプリ「stand.fm」を運営するスタートアップ。

「stand.fm」は、誰でもどこにいても気軽に収録ができ、すぐに配信できる音声配信プラットフォームだ。エンタメからビジネス、恋愛、美容、ミュージック、ライフスタイルなど、幅広いジャンルのコンテンツが揃っており、好きな時に音声コンテンツを楽しむことができる。また、タレントからインフルエンサー、専門家などのコンテンツもあり、LIVE配信ではリアルタイム配信ができることはもちろん、複数人で同時配信できる新機能により、視聴しているリスナーも配信に参加することが可能。

2020年8月には、YJキャピタルを引受先とする、総額5億円の資金調達を実施した。調達した資金は、新たに開始する配信者の収益化を支援する「stand.fmパートナープログラム(SPP)」の拡充や、マーケティング強化、エンジニア採用に充当し、さらなる事業拡大を図る方針だ。

スピークバディ

  • 調達額:3億円
  • 合計資金調達額:8億9300万円
  • 調達先:グローバル・ブレイン
  • 備考:シリーズBラウンド

英会話アプリ「SpeakBuddy」の企画・開発などを手掛けるスタートアップ。

主にAI英会話アプリ「SpeakBuddy」、オンライン英語コーチングサービス「スパルタバディ」の企画と開発を行う。「SpeakBuddy」はキーフレーズを文脈や利用シーンとともに理解することで本番で話せるようになるというTESOL (英語教授法)の理論に基づいて開発されており、AIキャラクターと会話するため英単語や細かい文法を気にすることなく英会話を楽しむことができるのが特徴であり、アプリの強みでもある。2018年3月には「SpeakBuddy」が東京電機大学の授業に導入されることが決定。大学の授業にAI英会話ツールを導入するのは日本で初めての試みだ。今後も音声認識と人工知能を活用した英会話サービスを開発を継続し、英語で困らない世界を実現するために努める。

2020年8月にはグローバル・ブレイン株式会社、および31VENTURES Global Innovation Fundより総額3億円の資金調達を実施。調達した資金はAI英会話アプリ「スピークバディ」の機能やコンテンツの拡充、新規ユーザ獲得を目指し更なる事業拡大を図る方針だ。