MENOUのメンバー。外観検査AIをノーコードで開発できる「MENOU-TE」を用いて人物特定AIを作った様子  すべての画像提供 : MENOU
MENOUのメンバー。外観検査AIをノーコードで開発できる「MENOU-TE」を用いて人物特定AIを作った様子 すべての画像提供 : MENOU

コンピュータやロボット技術など、テクノロジーの進化に伴って製造業のデジタル化や自動化が進んでいる。ただ、製品が市場に出る前に実施する「検査作業」に関しては、多くの現場において未だに人の“目”と“脳”に頼っているのが現状だ。

2019年にニコン出身のエンジニアらが創業したMENOU(メノウ)はそこにディープラーニング技術を取り入れることで、現場の課題解決を目指している。

MENOU代表取締役CEOの西本励照氏によると、目視検査による課題は年々深刻化しているという。

属人的な業務になるため品質にバラツキが発生するほか、数値化や標準化が難しく新人に技術を伝達するのにも時間がかかる。必ずしも人気のある職業というわけでもなく、新しい人材を確保するのも簡単ではない。その上新型コロナウイルスの影響で現場に行けず、「検査ができないので出荷もできない」という状況に陥る現場もあるそうだ。

目視検査が必要なのは、機械や電子機器を扱う製造業だけではない。インフラ、食品、農産、アパレルなどさまざまな業界でニーズがある。MENOUが狙っているのは、これらの業務をAIで自動化し、人の目や脳に変わるソリューションを提供することだ。