
新型コロナウイルスの感染拡大で急速に普及したリモートワーク。通勤の必要がないぶん業務に集中できるなどのメリットがある一方、対面でのコミュニケーションが取れないため、新入社員や副業で参加した新メンバーに業務手順を説明するのは困難、といったデメリットもある。
そんなタイミングで登場したのが、業務マニュアルや手順書など、業務に必要なナレッジを作成し共有できるツールの「toaster team」だ。「リモート勤務の始め方」、「開発ミーティングの進め方」、「産休取得手続き」といった情報を業務マニュアルや手順書にして、チーム内で共有することができる。
toaster teamでは、業務プロセスをステップ順に書き出すだけで、書式が統⼀化された業務マニュアルや手順書を作成できる。各ステップに対して、メンバーがコメントや質問をできるのも特徴的だ。

他にも、日報・企画書・議事録を共有するノート、画像編集、用語集管理、タスク管理、チャット連携といった機能も備わっている。

toaster teamを開発し提供するnocoは2017年5月に設立されたスタートアップ。代表取締役の堀辺憲氏は、フォーム作成サービス「formrun」を開発し、リリースから約1年でエグジットを果たした人物だ。
堀辺氏は、新型コロナウイルス感染症対策でテレワーク・リモートワークなどの新しい働き方や職場モデルを推進する動きが活溌化したことを背景に、toaster teamの利用社数が急増したと説明する。
「チャットツールやZoomのようなWeb会議サービスでは、同僚に業務の指示や教育が難しいとの声もあがり、企業のストック情報を組織で運用できるツールが求められました」(堀辺氏)
2月にベータ版をリリースした際の導入企業数は約300社だったが、現在では約1300社が利用する。製造業やIT、小売、サービス、教育、外食、士業、宿泊業、コンサルティングファームなど、幅広い業界業種に利用されているという。
nocoは10月8日、ベンチャーキャピタルのアプリコット・ベンチャーズ、STRIVE、VOYAGE VENTURES、そして2名の個人投資家を引受先とするシードラウンドで、7500万円の資金調達を実施したことを発表した。同社は調達した資金で、開発体制の拡大やカスタマーサポート体制の構築のため、採用を強化する。
今秋には、Webメディアを中心としたニュースをクリッピングし、チームでディスカッションする「ニュースボード機能(仮称)」を追加して提供する予定だという。