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国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は10月2週の注目資金調達情報だ。

アストロスケールホールディングス

  • 調達額:53億円
  • 合計資金調達額:218億2600万円
  • 調達先:エースタート / アイネット / スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー / 清水建設
  • 備考:シリーズE総額で約55億円の調達 / スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーは運営する宇宙フロンティアファンド、ヒューリックから出資

宇宙機の安全航行を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、デブリ)除去サービスに取り組むスタートアップ。シンガポールを本社拠点、日本をR&D拠点としている。

同社の展開する「IDEA OSG1」は、地球付近に漂う小さな宇宙ゴミを計測する超小型衛星で、0.1ミリから10ミリメートルの宇宙ゴミを地球の高度600キロから800キロメートルの楕円軌道上で計測する。微小な宇宙ゴミの分布や量のモデルを作り、宇宙機の防護設計や衝突被害の最小化に役立てる。

2020年10月には、エースタート、アイネット、清水建設、スパークス・イノベーション・フォー・フューチャーからの第三者割当増資により、シリーズE総額で約55億円の調達を実施し、累計総額で約210億円の資金調達を達成した。今後は重要な社会インフラとして宇宙からのサービスやデータを安心して活用できるよう、アストロスケールはデブリの低減・除去、軌道上サービスのミッション実現に向け、スペースデブリという世界でも最も複雑な社会課題に対して、技術、ビジネスモデル、法規制に取り組んでいく方針だ。

アンドパッド

  • 調達額:20億円
  • 合計資金調達額:87億円
  • 調達先:Minerva Growth Partners / Sequoia Capital
  • 備考:シリーズCエクステンションラウンド / Sequoia CapitalはSequoia Capital Chinaからの出資

クラウド型建設プロジェクト管理アプリ「ANDPAD」を提供するスタートアップ。

同サービスは、現場の効率化から経営改善まで一元で管理することができるクラウド型建設プロジェクト管理サービスだ。国交省が運営するNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されている。深刻な人手不足が懸念される建設業界において、"建設現場をシンプルに楽しく"を目指し、特に民間の新築・リフォーム、商業建築などの施工現場で、スマートフォンアプリを中心に利用されている。2020年5月には、導入企業数は2000社を突破し、シェアNo.1の施工管理アプリとなっている。

2020年10月にはシリーズCエクステンションラウンドとしてMinerva Growth Partnersをリード投資家とし、Sequoia Capital Chinaを引受先に約20億円の資金調達を実施。今回の調達により累計調達額は総額約87億円になる見込みである。SaaS関連企業およびDX関連企業に対する豊富な投資経験を持つ国際投資家の知見を活用することで、今後はプラットフォーム戦略を加速し、建設業界のDX化を推進する方針。

カケハシ

  • 調達額:18億円
  • 合計資金調達額:55億5000万円
  • 調達先:Coral Capital / DNX Ventures / Innovation Growth Ventures / セールスフォース・ドットコム / 三井住友トラスト・インベストメント / 千葉道場
  • 備考:ニュースに記載の合計金額より推計 / Innovation Growth VenturesはSony Innovation Fundからの出資 / 三井住友トラスト・インベストメントはジャパン・コインベストからの出資

電子薬歴システム 「Musubi」を展開する調剤薬局×ITのスタートアップ。最新のウェブ技術と徹底的な現場のフロー分析から生まれるUX設計によって、今までと全く異なる医療システムを提供する。

同社のサービス「Musubi」は患者の過去処方や過去薬歴、その他患者各々の情報を参照し、患者一人一人に合わせた指導内容の提示が可能。 事務作業を簡易化、かつ、患者への適切な指導に必要な情報を分かり易く提示することで、指導の質の向上、さらには、薬剤師が医療業務に集中できる環境の構築を目指す。

2020年10月にはInnovation Growth Ventures、Coral Capital、DNX Ventures、Salesforce Ventures、千葉道場、三井住友トラスト・インベストメントを引受先に総額約18億円の資金調達を実施。調達した資金の大半は、日本の医療をより良くより確かなものとして次世代へつないでいくエコシステムの構築に向けて、薬局業界のデジタルトランスフォーメーションを支援する既存事業の拡大と新規事業の創出、それに伴う組織の拡充へと継続投資する予定。本調達により累計調達額は約55億円となった。

オリィ研究所

  • 調達額:5億円
  • 合計資金調達額:7億7200万円
  • 調達先:日本電信電話 / 川田テクノロジーズ

人と人をつなぐロボット対孤独用コミュニケーションデバイス(ロボットを通じた遠隔コミュニケーションデバイス)「OriHime」などのロボット開発を行うスタートアップ。

「OriHime」は、子育てや単身赴任、入院など距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人のために、カメラ・マイク・スピーカーが搭載されたロボットを通しインターネットを通して操作することで、周囲を見回したり、あたりの人と会話できるようにするロボットである。

2020年10月には日本電信電話と川田テクノロジーズを引受先とした第三者割当増資により総額5億円の資金調達を実施。今回調達した資金により計画されている新プロダクトの量産体制、ハードウェアおよびサービスの開発体制、営業・マーケティングの人材採用を強化し、外出困難者の就労支援事業の推進、分身ロボット「OriHime」の普及、及び将来に向けた研究開発に注力する方針だ。

Gigi

  • 調達額:3億2000万円
  • 合計資金調達額:3億2000万円
  • 調達先:ジャパネットホールディングス / ウィルズ / CAMPFIRE Angels
  • 備考:CAMPFIRE Angelsは、CAMPFIREグループのDANベンチャーキャピタルが運営する、株式投資型クラウドファンディングプラットフォーム

アプリを通じて・人さまに・お食事をごちそうできるサービス「ごちめし」等のサービスを展開しているスタートアップ。

同サービスは遠方にいる人に対してアプリを通じて料理をごちそうすることができるサービスである。利用者はアプリを通じてごちそうしたい料理を選択する。そしてその料理をごちそうしたい相手を選択し、ごちそうされた側の利用者は決済が済んだ状態でお店で食事を楽しむことが可能である。また、その他サービスとして「さきめし」があり、これは先々使える食事券として決済を済ませた食券のようなものを購入しておく際や、災害時などで今すぐは行けなくてもお店を支援したいという際に利用ができる。

2020年10月にはジャパネットホールディングス、ウィルズ、およびCAMPFIRE Angelsの個人投資家により、総額3億2000万円の資金調達を実施。本調達によってサービスクオリティ向上を実現するための人員拡充、寄付文化が根付いている海外への展開、多言語に対応するシステム開発を進める方針。