11月第2週調達サマリー

国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は11月2週の注目資金調達情報だ。

ゼロスペック

  • 調達額:2億3000万円
  • 合計資金調達額:2億3000万円
  • 調達先:ENEOS、三信電気
  • プレシリーズAラウンド

効率よく配送をおこなうための情報収集システム「Smart Oil Sensor」の開発、運用をするスタートアップ。

Smart Oil Sensorは、無線でタンク内の在庫量データをクラウド環境に蓄積し、センサー本体と通信にかかるコストを削減し電池を⾧時間持続させるスマートセンサーと、クラウド環境に蓄積された在庫量に基づいて最適な配送タイミングを把握できるソフトウェア「GoNOW」のふたつのIoT技術を活用することで配送の最適化を図るシステム。

配送事業者が直面している、人手不足や配送経費の削減といった課題の解決を提案している。

2020年11月には、総額2億3000万円の資金調達を実施し、プレシリーズAラウンドを完了したことを発表。調達した資金は、GoNOWのシステム機能強化と追加を加速させるための人材採用、サービスと顧客満足度向上に向けての取り組み、販売先拡大、新規事業用の開発費用などに充てられる見込みだ。

Connect

  • 調達額:2億1000万円
  • 合計資金調達額:2億4500万円
  • 調達先:Beyond Next Ventures / エムスリー / フューチャーベンチャーキャピタル / 三菱UFJキャピタル / 慶應イノベーション・イニシアティブ
  • 備考:プレスリリースに累計調達金額は2億4500万円と記載

ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を応用した神経リハビリ機器の開発・製造・販売などをしているスタートアップ。

BMIとは、脳活動の検出や脳への電気刺激等の、脳と機械をつなぐ技術を示す。BMIを利用した同社が開発している医療機器は、麻痺患者の脳波から機能代償回路の活動を検出したタイミングで、麻痺部に装着したロボットを駆動することにより、脳と麻痺部位をつなぐ神経回路の再構築を促す。

この神経回路の再構築により、患者はロボットを外した状態でも自分の意志で麻痺部位を再び動かすことが可能になる。当医療機器の実現により、患者様のQOL回復に貢献し、国の財政負担の軽減を目指している。

2020年11月9日にBeyond Next Ventures、慶應イノベーション・イニシアティブ、フューチャーベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタル、エムスリーからの2億1000万円の資金調達を発表した。今回の調達を通し、医療機器承認取得のための製品仕様策定、量産体制の構築および人材採用を行う予定だ。

アイアンドアイ千葉中央

  • 調達額:2億円
  • 合計資金調達額:2億円
  • 調達先:日本物流未来投資ファンド
  • 備考:日本物流未来投資事業有限責任組合を通して出資

千葉や東京東部を地盤としてインターネットスーパー配送や企業専属便などの軽貨物運送・一般貨物運送を手掛けている企業。

同社の軽貨物配送は独自の低料金システムで企業の物流コストの削減を全面的にバックアップする。1回からの申し込みや即日、翌日の配送なども対応している。またチャーター便・スポット便や企業専属便、ルート便などの様々な状況に適応した配送手段を提供している。

2020年11月に、SBSホールディングスと日本政策投資銀行が共同で設立した、日本物流未来投資ファンドが組成した日本物流未来投資事業有限責任組合から2億円の資金調達を実施した。

SBSホールディングスと日本政策投資銀行がタッグを組んで営業網の拡充や財務基盤強化などを図ると同時に、SBSホールディングスグループと連携して小口配送サービスの品質向上や業務効率化を進める。将来はSBSホールディングスグループがファンドから株式を取得し、アイアンドアイ千葉中央を子会社とする見通しだ。

Natee

  • 調達額:1億2000万円
  • 合計資金調達額:1億8800万円
  • XTech Ventures / アカツキ / キュービックベンチャーズ / マネックスベンチャーズ
  • アカツキはHeart Driven Fundを通じて出資

TikTokに特化したタレントマネジメント事業と所属タレントを活用した広告事業を展開しているスタートアップ。

同社は、TikTokを用いたタレントマネジメント事業を行い、タレントのキャスティングから動画制作までを行なっている。2020年1月にはTikTok公認MCN契約を締結し、MCNプラットフォームを活用した緻密なデータ分析に基づいた広告クリエイティブ企画、制作、運用までの一気通貫したプロモーションサービスを提供することを可能とした。また、よりデータドリブンなサービスを提供すべく自社独自ツールの開発も行っている。自社アサインツールを用いることで、ターゲットとトレンドに合わせた広告・アカウントの運用を可能としている。

2020年11月には、XTech Ventures、アカツキ、キュービックベンチャーズ、マネックスベンチャーズを引受先とする資金調達を実施。調達資金により、提携インフルエンサーが抱える総勢2800万人のフォロワーに対して効果的なインフルエンサーマーケティングが実施できるデータプラットフォームの開発を進めていく方針だ。

DAIZ

  • 調達額:非公表
  • 合計資金調達額:14億1000万円
  • 調達先:日鉄物産
  • 備考:資本業務提携

植物肉(Plant-based Meat)の開発・販売を手がけるスタートアップ。

2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されており、それに伴い2030年頃に訪れると予測されている“タンパク質危機”、“食肉価格の高騰”に対して植物肉の提供を通じて貢献をしていく。同社は大豆の代謝に注目した独自の栽培方法である“落合式ハイプレッシャー法”を用いて植物肉(ミラクルミート)の開発を行っている。

一般的な植物肉は穀物の大豆を利用しているが、同社の提供している植物肉は芽を出して植物になった瞬間の大豆を利用しているため、アミノ酸やビタミン等の栄養分を多く含んでいる。これまで植物肉において課題とされていた”栄養不足”、”大豆特有の異風味”を独自の製法で解決している。

2020年11月には日鉄物産との資本業務提携を締結した。本提携により、日鉄物産がこれまで畜産の販売で培ってきたネットワークを介し、ミラクルミートおよびミラクルミートを用いた加工食品の国内における販売を拡大していく方針だ。