
国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は11月4週の注目資金調達情報だ。
TBM
- 調達額:20億6000万円
- 合計資金調達額:134億1900万円
- 調達先:DCMホールディングス / QUANTUM / アデランス / ヨドバシホールディングス/ 島精機製作所 / 摂津倉庫 / 日本コルマー / 日本テレビ放送網 / 薬王堂 / 電通グループ
- 備考:その他個人投資家を含む / 日本テレビ放送網とQUANTUMは共同出資したファンドSpotlight1号を通じて出資
プラスチックや紙の代替となる世界初の新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売するスタートアップ。
数少ない日本のユニコーン企業として、サステナビリティのビジネス領域で世界のトップ・プレイヤーになることを目指している。同社の提供するLIMEXは、石灰石を主原料とし、炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む無機フィラー分散系の複合材料だ。紙・プラスチックの代替製品として、名刺やメニュー表などさまざまなところで導入されており、大手企業や政府など5200社以上の企業で採用されている。
2014年に国内特許を取得し、日中欧米を含む30カ国以上でも登録済み。また、リサイクル可能なLIMEXを自治体や企業間でパートナーシップを組み、循環型モデルづくりを推進している。また、LIMEX事業以外にも、資源循環を促進するため再生材料を50%以上含む素材「CirculeX」や、LIMEX製品を取り扱うECサイト「ZAIMA」を展開している。
2020年11月にはアデランス、島精機製作所、日本テレビ放送網、QUANTUMなどを引受先とする、20億6000万円の資金調達を実施。調達した資金は、LIMEXやCirculeXなどの環境配慮素材の用途拡大や、資源循環を実現するサプライチェーンの強化に充当し、今後もサステナビリティ領域におけるイノベーションを推進していく。
ロジレス
- 調達額:5億円
- 合計資金調達額:5億5000万円
- 調達先:BEENEXT / Coral Capital
- 備考:BEENEXTはALL STAR SAAS FUNDから出資
ネットショップのバックヤード業務を一括管理、自動化するサービス「ロジレス」を提供するスタートアップ。創業者の西川真央氏は2010年からP&Gにてアシスタントブランドマネージャーに従事したのち、Tapitの代表取締役を勤めた経歴をもつ。
ロジレスは元来分けられていた受注管理システム(OMS)と倉庫管理システム(WMS)を統合することで、受注・在庫・出荷に体操したオールインワン型自動出荷ツールを提供しており、バックヤード業務の自動化を実現する。また、倉庫の外部委託や複数拠点からの自動出荷に対応するだけでなく、国内主要ECモール(楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon.co.jp)でAPIによる自動取込にも対応している。また、同サービスはECサイト顧客向けに自動で配送や決済に関するメールを送る機能も備わっている。
2020年11月にはBEENEXTが運営するALL STAR SAAS FUND、Coral Capitalを引受先とした第三者割当増資により、5億円の資金調達を実施した。この調達資金は組織の拡大・強化、ロジレスの機能強化に活用し、日本のEC業界・物流業界の発展に尽力していく方針だ。
ネイリー
- 調達額:3億円
- 合計資金調達額:4億5000万円
- 調達先:SBCグループ / サイバーエージェント / ネクシィーズグループ / 西山知義 / 見城徹 / 近藤太香巳
- 備考:その他個人投資家を含む
ネイリストに直接コンタクト、予約を行う「Nailie」を運営するスタートアップ。
Nailie最大の特徴は、従来のクーポンサイトであるような価格重視のものではなく、SNSを活用してネイリスト個人の個性を発信している点である。ネイリスト個人の個性や世界観を発信することで、ネイリストのフォロワーを構築することができ、ネイリストが投稿したネイル画像からデザインを探したり、気に入ったネイリストをワンタッチで予約、クレジットカードを登録することで簡単に決済まで完了することができる。事前に決済を終わらせているため、ネイリストにとっては当日キャンセルを防ぐことが出来たり、面倒な会計業務や売上管理も短縮できるといったメリットがある。
2020年11月にはサイバーエージェント、SBCグループ、ネクシィーズグループ、見城徹氏、西山知義氏、近藤太香巳氏、その他個人投資家から2回目の調達ラウンドとして、総額3億円の資金調達を実施。本調達によりサービスの認知向上に向けたマーケティングの強化、 事業の成長スピードをより加速させ、ネイリストの新たな働き方、ネイルアートの新たな楽しみ方を実現させていく方針。
ジーネクスト
- 調達額:2億6000万円
- 合計資金調達額:7億2000万円
- 調達先:DG Daiwa Ventures / 三菱UFJキャピタル
- 備考:その他事業会社及び複数の個人投資家を含む
生活者共創プラットフォーム「Discoveriez」の開発・販売を行っている企業。
Discoveriezは顧客対応で生み出される情報やドキュメント、 連携部門とのやり取りなどを一元管理して共有できる、 顧客対応のDXを支援するSaaSプラットフォームである。顧客対応のすべてをデータ化し仕組み化・見える化することで、煩雑な顧客対応のワークフローをよりシンプルにより効率的にすることが可能である。また、セキュアなクラウド環境で運用しているため、場所を選ばずPCやスマートフォン等で利用することが可能である。
2020年11月には三菱UFJキャピタル、DG Daiwa Ventures、事業会社及び複数の個人投資家等を引受先とする第三者割当増資により、総額約2億6000万円の資金調達を実施。本調達により累計調達額は7億2000万円になった。本調達により、同サービスにおける顧客のデータ解析ならびにソリューションに直結するAIやアルゴリズム開発加速に進める。また、SaaS企業として顧客対応業務のDXを推進し、顧客と企業そして企業内コミュニケーションを牽引する存在となり、導入先の業績向上に寄与するリーディングカンパニーを目指す方針。
CharacterBank
- 調達額:1億円
- 合計資金調達額:1億円
- 調達先:マネックスベンチャーズ / ザシードキャピタル
- 備考:その他個人投資家1名を含む
2つの勢力に別れて行う対人VR人狼ゲーム「ANSUZ -アンスズ-」をはじめとするVR/ARを含むXRゲームの企画・開発・運営を手がけるスタートアップ。
スマートフォンやテレビなどの既存メディアの型に縛られず、常に新しい体験をつくることを目的としている。同社が手掛ける対人VR人狼ゲームANSUZは4名のプレイヤーに対し、ランダムに「善」か「悪」の役が振り分けられ「善」が割り振られたプレイヤーは「悪」のプレイヤーを見つけ出すゲームだ。VRにより身振り手振りや表情などの非言語コミュニケーション要素をゲームに取り入れることができ、より複雑な心理戦として楽しむことができる。
2020年11月にはマネックスベンチャーズ、THE SEEDおよび個人投資家1名を引受先とした1億円の資金調達を実施。今回の調達によりゲームの開発を複数ラインで行うための体制拡充やXRゲーム開発を進める方針だ。