
国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は12月1週の注目資金調達情報だ。
CAMPFIRE
- 調達額:42億円
- 合計資金調達額:82億5300万円
- 調達先:Minerva Growth Partners LLP / BASE / みずほ銀行 / 丸井グループ
- 備考:出資元はニュースから推測 / その他既存投資家を含む / シリーズDラウンドで約6億円、シリーズEラウンドで約30億円の調達 / みずほ銀行は6億円を上限とするコミットメントライン契約締結による融資
国内最大のクラウドファンディング・プラットホームサービス「CAMPFIRE」を運営するスタートアップ。paperboy&co.(現GMOペポパ)を立ち上げJASDAQ上場を経験した家入一真氏が設立。
同社はあらゆるファイナンスニーズに応えるべく、個人やクリエイター、企業、NPO、大学、地方自治体など、様々な挑戦を後押しする。「CAMPFIRE」では、プロジェクトを実行する前に、顧客のニーズを把握することができ、在庫リスクや販売不振を大きく軽減することが可能。さらに「CAMPFIRE」のメッセージ機能を活用することで、パトロンとのコミュニケーションを円滑に取ることができる。“個展を開催したい”、“CDをつくりたい”など、すべての挑戦者の声を、ネットで多くの方に届け、充実のサポート体制で支える。2020年8月時点で3万9000件以上のプロジェクトを掲載し、支援者数は延べ320万人以上、流通金額は290億円に達している。
2020年12月には、Minerva Growth Partnersをリード投資家とするシリーズEラウンドの資金調達を実施。今回調達した資金を活用し、国内最大の購入型クラウドファンディング「CAMPFIRE」を中心に、さらなる利用者拡大に向けて事業基盤強化などに取り組む。
ペプチスター
- 調達額:17億9000万円
- 合計資金調達額:214億6000万円
- 調達先:ダイセル / ワイエムシィ / 旭化成 / 横河電機 / 神鋼環境ソリューション
ペプチド原薬の研究開発・製造をおこなうスタートアップ。
ペプチド原薬とは、現在医薬品の主流である低分子医薬品と抗体医薬品の両方の特徴を兼ね備えており、かつ化学合成で製造できる医薬品である。同社はこの一般的なペプチド医薬品に加え、非天然アミノ酸を含んだ環状構造の特殊ペプチド原薬も製造できる技術を持つ。この活性や特異性に優れたペプチド医薬品を安定供給できる体制を同社が世界で初めて構築したことが注目を集めている。特殊アミノ酸の調達から合成、精製、固体化までをすべて対応しており低コストでの製造を実現している。
2020年12月には旭化成、神鋼環境ソリューション、ダイセル、横河電機、ワイエムシィを引受先とする第三者割当増資を実施し、総額約17億9000万円の資金調達を実施した。この調達資金を活用し、ペプチド医薬品原薬の安定供給とペプチド医薬品創出に貢献すべく、最先端製造技術の開発を加速させていく方針だ。
HRBrain
- 調達額:13億円
- 合計資金調達額:35億400万円
- 調達先:Eight Roads Ventures Japan / 第一生命保険 / SMBCベンチャーキャピタル/ AGキャピタル / SCSK
- 備考:デットファイナンスによる3億円の調達を含む
組織成長クラウド「HRBrain」を運営するスタートアップ。
「HRBrain」は従業員の目標設定から評価までプロセスの全てをクラウド型のソフトウェアで効率化し、組織の生産性や目標達成力を高めるクラウドサービス。これまでExcelや紙が主体で、ストック性・データ化・UXが損なわれきた目標・評価管理を大きく効率化することができる。2017年1月のリリースから、積極的な機能追加を行いプロダクトを進化させていく中、生産性の向上を目的とした働き方改革も追い風となったことで、2020年1月には650社を超える企業に導入されている。
2020年12月には資産運用大手フィデリティ系のEight Roads Ventures Japanをリード投資家とした10億円の第三者割当増資と、3億円のデットファイナンスを合わせ最大で13億円の資金調達を実施。これまでに約12億円の資金調達を実施しており、エクイティによる累計資金調達額は、今回の資金調達を含め約22億円となった。調達した資金は、日々需要が高まる人事領域のデジタル・トランスフォーメーションやニューノーマルな働き方へのシフトを推進する企業のためのプロダクト開発と、事業基盤の強化に活用する方針。
WAmazing
- 調達額:8億円
- 合計資金調達額:27億3200万円
- 調達先:ANRI / AZ-Star / BEENEXT / BEENOS / みずほキャピタル / キャナルベンチャーズ / ギフティ / 三井住友ファイナンス&リース / 住友商事 / 日本政策金融公庫 / 東急 / 電通グループ
- 備考:ほか個人投資家複数を含む / AZ-StarはAZファンドを通じて出資 / ギフティ、電通グループ、住友商事、三井住友ファイナンス&リースらの新規投資家、東急はじめ既存投資家との戦略的事業提携
訪日外国人旅行者の日本旅行中に使う スマホ向けアプリサービス「WAmazing」を開発、運営しているスタートアップ。
WAmazingはタクシーや宿泊施設、ツアーアクティビティの予約などがアプリ上で出来るサービス。最も大きな特徴として、主要空港で無料の500MB通信が出来るSIMカードを受け取る事が出来ることが挙げられる。訪日外国人が簡単に日本で通信を行える環境を提供している。2019年1月時点では香港、台湾、中国に住んでいる方のみに対応しているが、今後順次ターゲットを拡大していくと考えられる。
2020年11月には複数の事業会社・ファンド・個⼈投資家を引受先として、総額約8億円の資金調達を実施。各事業会社との戦略的協業により、訪日外国人旅行者向け“手の中のエージェント”としてのサービス拡充を進めていく。
ブリッジ・シー・キャピタル
- 調達額:4億7800万円
- 合計資金調達額:9億4300万円
- 調達先:詳細不明
- 備考:取引先等を中心とする複数投資家からの出資
不動産投資クラウドファンディング「CREAL」の開発・運営を行っているスタートアップ。
CREALの特徴は、社会的に必要性は高いが、銀行や機関投資家の資金が十分に行き渡らない不動産に、個人の投資家が1万円から投資ができることである。個人の資金を増やしつつ社会貢献もするという金銭的リターンと社会的リターンを両立させるサービスになっている。また「CREAL Buyer」の提供も行っている。同サービスは不動産事業会社向けの緊急な資金ニーズを支援する。その他の事業としてBtoB事業では、機関投資家等からの資金を預かり、老人ホームや病院、保育園等といった不動産への投資運用をおこなうアセットマネジメント事業およびヘルスケアファンド事業を展開している。
2020年12月には取引先等を中心とする複数の投資家を引受先とする第三者割当増資により、総額4億7880万円の資金調達が完了した。本調達により更なる財務基盤及び事業基盤の強化を図るとともに、調達資金を、特に同社の運営する不動産投資クラウドファンディングサービスCREALの成長資金に充当することによってより一層のサービス向上を目指す。