12月第1週調達サマリー

国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は12月2週の注目資金調達情報だ。

モンスター・ラボ

  • 調達額:30億円
  • 合計資金調達額:117億2800万円
  • 調達先:JICベンチャー・グロース・インベストメンツ

国内約300名、グループ約1200名のエンジニア・クリエイター集団として、世界の最適な場所の最適なリソースを提供するグローバルソーシング事業を世界16カ国27都市で展開している企業。

同社は最先端のテクノロジーを活用したプロダクトを提供している。音楽事業では、世界中の500万曲から厳選した業界最多である1000以上のチャンネルの中から店舗の雰囲気に合った音楽を月額で配信する「モンスターチャンネル」などを展開し、事業内容は多岐にわたる。また、飲食業界向けの注文プラットフォームである「koala」を提供している。

2020年12月にはJIC ベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合を引受先とした第三者割当増資により、約30億円の資金調達を実施。今回調達した資金は事業の顧客価値向上を目指し、サービスを拡大させることで、各産業分野の顧客のデジタル化を加速させ生産性向上の社会課題の解決を図る方針だ。

ココン

  • 調達額:19億5000万円
  • 合計資金調達額:94億7200万円
  • 調達先:JICベンチャー・グロース・インベストメンツ / YJキャピタル / ディープコア / 三菱UFJキャピタル / 千葉道場 / 大分ベンチャーキャピタル / 東京理科大学イノベーション・キャピタル
  • 備考:新株予約権付社債の発行

データ経済の核となるAI・Automationとデータを守るサイバーセキュリティの2つを中心に事業を展開するスタートアップ。

サイバーセキュリティ事業ではセキュリティ診断やIoTの可視化を行う検索エンジンの開発、情報漏洩後の監視、暗号技術の社会実装などを提供する。AI・Automation事業では特に小売・物流・需要予測などの分野に強みを持ち、AIを活用した業務効率化に取り組んでいる。事業では人間性・社会性・経済性・革新性など、様々な観点から検証された高いレベルでのデザイン・アウトプットにより社会へ実装を行う。

2020年12月、新株予約権付社債の発行によって資金調達を実施。今回の調達によってサイバーセキュリティ領域における優秀なエンジニアの採用、研究開発やプロダクト開発、マーケティング、M&A等に活用し、企業価値の向上を目指す方針。

GROOVE X

  • 調達額:18億円
  • 合計資金調達額:124億800万円
  • 調達先:SOMPOホールディングス / 日立グローバルライフソリューションズ
  • 備考:資本業務提携 / シリーズB3での調達 / その他複数の企業から調達

家族型ロボット「LOVOT(ラボット)」を開発するスタートアップ。Pepperに関わっていた事でも知られ、トヨタ自動車でスーパーカー「LFA」の開発や「F1」開発等に従事した経験を持つ林要氏が創業した。

LOVOTは2019年1月にラスベガスで開催された世界最大級の展示会「CES 2019」をはじめとして、様々な国際的な展示会で賞を受賞している。360°見渡せる半天球カメラ・音声の方向も判別できる半天球マイク・明るさを感知する照度センサー・サーモグラフィーカメラなど50以上のセンサー、全身に暖かさを保つエア循環システムが内蔵され、生命感をリアルに演出している。同社の製品は、ノンバーバル(非言語)によるサブコンシャス(潜在意識、無意識)コミュニケーションを基軸としており、世界に類を見ないロボット作りを行っている。

2020年12月にSOMPOホールディングスと日立グローバルライフソリューションズなどの企業から約18億円の資本業務提携を実施した。これにより累計調達額は124憶1000万円となった。今回の提携はこれからの高齢化社会やWithコロナ時代によるライフスタイルの変化に向けた新たなる社会的課題の解決、新サービスの共同開発に取り組むことを目的としている。

iCARE

  • 調達額:15億円
  • 合計資金調達額:22億9900万円
  • 調達先:JICベンチャー・グロース・インベストメンツ / SMBCベンチャーキャピタル / グローバル・ブレイン / セールスフォース・ドットコム / 三井住友海上キャピタル
  • 備考:JICベンチャー・グロース・インベストメンツはリード出資 / シリーズDラウンド / グローバル・ブレイはSFV・GB投資事業有限責任組合から出資

健康管理システム「Carely(ケアリー)」の企画・開発・運営を行うスタートアップ。

Carelyは健康診断・ストレスチェック・長時間労働対策といった企業の健康管理をクラウドで一元化・自動化する事ができる。その為、人事担当者・産業保健スタッフの業務工数を大幅に削減することが可能となる。幅広い企業の健康管理の負担軽減を実現している実績を評価され、2020年7月に経済産業省等が後援する第5回 HRテクノロジー大賞において、健康経営の普及・促進に貢献する優れたサービスとして健康経営賞を受賞した。

2020年12月、シリーズDラウンドによる総額15億円の資金調達を実施。本調達によってプロダクト開発やセールスマーケティング活動、カスタマーサクセス体制やコーポレート機能のさらなる充実を図る方針だ。

アソビュー

  • 調達額:13億円
  • 合計資金調達額:37億5500万円
  • 調達先:JICベンチャー・グロース・インベストメンツ / YJキャピタル / きらぼしキャピタル / 三生キャピタル / ベンチャーラボインベストメント / 地域創生ソリューション / 新生企業投資 / 日本政策金融公庫
  • 備考:地域創生ソリューションはALL-JAPAN観光立国ファンド投資事業有限責任組合を通じて出資 / きらぼしキャピタルはきらぼしキャピタル夢・はばたき1号投資事業有限責任組合を通じて出資 / ベンチャーラボインベストメントはナントCVC2号投資事業有限責任組合を通じて出資

休日の便利でお得な遊び予約サイト「アソビュー!」の提供等を行っているスタートアップ。

アソビュー!は全国約7500店舗の事業者と提携、国内の遊び・体験プログラムを約460ジャンル・約2万2000プランを紹介している、週末の便利でお得な遊び予約サイトである。他に旅行に関する情報を発信するマガジン「asoview!TRIP」、レジャー事業者向けの顧客管理ステム「satsuki」などがある。遊びを広めていきたいがどのように情報を発信したら良いのか分からないという課題をもち、システム化が滞っているレジャー、エンターテイメント事業者の方々の悩みを解決し、同時に地方創生などにも取り組んでいく。

2020年12月にはJICベンチャー・グロース・インベストメンツをはじめとして、YJキャピタル、地域創生ソリューション、南都銀行、新生企業投資、きらぼしキャピタル、および三生キャピタルを引受先とするシリーズDでの第三者割当増資、及び日本政策金融公庫からの融資により総額約13億円を調達。本調達によりレジャー・観光・文化施設様向けDXソリューション、アクティビティ・体験施設様向けDXソリューションへ資金を投入し、さらに営業・サポート体制の強化に積極的に取り組んでいく方針。

クラウドクレジット

  • 調達額:1億円
  • 合計資金調達額:29億2900万円
  • 調達先:エッジ・ラボ / インベストメントLab

貸付型クラウドファンディングサービス「クラウドクレジット」を展開するスタートアップ。

クラウドクレジットは世界中の様々な国で本当にお金を必要としている人や事業者と投資家のお金を結びつけるソーシャルレンディングサービスである。新しいビジネスや雇用が生まれるなどの機会を増やし、世界経済も成長させていく“世界に貢献する投資”を目指すために提供を行っている。ソーシャルレンディングの市場規模は2016年650億円、2017年に1330億円と急成長している。2018年には2120億円、2022年には9000億円と予想されている。

2020年5月には、丸井グループ、ソニーフィナンシャルベンチャーズ、グローバル・ブレインを引受先とする資金調達を実施した。また、同年12月にはエッジ・ラボとインベストメントLabからの1億円の調達を発表。資金はファンドの管理体制強化や、サービスサイトのUI・UX改善を目的とした機能開発などに充て、貸付型クラウドファンディング事業の拡大を目指す方針だ。