2020年12月想定時価総額ランキング
 

国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目スタートアップの想定時価総額をランキング形式で紹介する。今回は12月の想定時価総額ランキングだ。

ビットキーとエリーパワーの2社が新規ランクイン

【2020年12月想定時価総額ランキング】スマートロックのビットキーなど2社が新規ランクイン
 

2020年12月の想定時価総額ランキングでは、2020年11月のランキングでは17位であった、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドと20位の資産運用ロボアドバイザー「WealthNavi」を展開するウェルスナビが、共に東証マザーズへの新規上場承認が発表された。これにより、上記2社はランキング非掲載となり、新たにブロックチェーン技術を基盤としたスマートロック「bitlock」を提供するビットキーが15位に、大型リチウムイオン電池および蓄電システムの開発を行うエリーパワーが20位に新規ランクインを果たした。

ビットキーは、独自のキーテクノロジー「次世代ID/Keyビットキー」の提供を行うスタートアップ。あらゆるシーンで欠かせない鍵を再発明すべくキーテクノロジー事業を展開している。2019年4月には月額500円から利用できるスマートロック「bitlock LITE」、2019年7月には集団玄関のオートロックドア向けスマートロック「bitlock GATE」の発売を開始した。2020年10月には働く空間において、人と仕事の間のあらゆるものをつなげ、働き方に即した体験を提供することができるコネクトプラットフォーム「workhub」の提供を開始した。

エリーパワーは、大型リチウムイオン電池および蓄電システムの開発、製造、販売を手掛ける。同社の大型リチウムイオン電池は、釘を刺しても押し潰しても過充電しても発煙・発火しない、世界トップレベルの安全と性能をもち、2011年にはドイツの国際的な第三者認証機関テュフラインランドが定める過酷な試験条件が盛り込まれた安全規格を通過し、大型リチウムイオン電池として、世界で初めて安全基準認証“TUV-Sマーク”を取得している。

ランクイン企業の内5社が累計調達金額200億円を超える

ランクイン企業の内5社が累計調達金額200億円を超える
 

時価総額ランキングで新たにランクインしたエリーパワーは、累計調達額がSpiber、Mobility Technology、Paidyに次いで4位となっている。2006年以来、コンスタントに10億円を超える大型調達を実施してきたことが要因だといえる。出資の引き受け先は、ゴールドマン・サックス、ジャフコグループ、ニッセイ・キャピタル 、SBIインベストメントなどが名を連ねる。

同じく新規ランクインを果たしたビットキーは、2020年10月にオカムラと資本業務提携を締結。働く場づくりの知見・実績のあるオカムラと、“働く”に必要なあらゆるものをコネクトするテクノロジーを持つビットキーが提携することで、企業とワーカーそれぞれにさらなる価値を提供することを目指す。

さらに、今回時価総額ランキング3位に浮上したプラスチックや紙の代替となる世界初の新素材「LIMEX(ライメックス)」を開発・製造・販売するスタートアップであるTBMも2020年11月にアデランス、島精機製作所、日本テレビ放送網、電通グループ、QUANTUMなどを引受先とする、20億6,000万円の資金調達を実施。調達した資金は、LIMEXや「CirculeX」などの環境配慮素材の用途拡大や、資源循環を実現するサプライチェーンの強化に充当し、今後もサステナビリティ領域におけるイノベーションを推進していく。

想定時価総額ランキングTOP20企業の会計監査法人内訳

想定時価総額ランキングTOP20企業の会計監査法人内訳
 

スタートアップにおける監査法人は、外部の第三者機関として企業の財政状態および経営成績を取りまとめた財務諸表の監査を行い、上場により一気に増加する投資家に対して、企業が開示する財務情報の信頼性を保証する責任を担っている。また、内部管理体制の整備・運用や決算開示体制のみならずコンプライアンス体制やガバナンス体制についても指導助言も行う。