ノンカフェインティー「daytune.-tea」
ノンカフェインティー「daytune.-tea」 すべての提供画像:フローミュラ
  • 自然な状態を取り戻す「チューニング」を届けたい
  • 商品開発を進める中、突然訪れたコロナ禍
  • ゼロから体当たりで始めた、チームビルディング
  • フローミュラはチューニングを広めるための会社

ビジネスパーソンが日々の生活の中で、気軽に心身の調子を「ととのえる」ことができるようにする──そんなビジョンの実現を目指し、2020年11月に応援購入サービス「Makuake」でノンカフェインティーのD2Cブランド「daytune.-tea」の先行販売が開始された。

daytune.-teaは働く1日の中で、その時々の気分や状態にあったブレンドを選んで飲むことで気持ちの切り替えを行い、心地く働くことがサポートするノンカフェインティーだ。

例えば、朝に仕事モードに入りたい時は、ブレンド「turn on」を飲む。またプレゼン前に気合を入れたい時はブレンド「warm up」、落ち着いて考えごとをしたい時はブレンド「calm down」といった具合に、daytune.-teaはビジネスパーソンの働く1日に寄り添う、6種類のブレンドを用意している。

また、従来のお茶のパッケージデザインとは一線を画している。A4サイズのフラットな白い台紙に1週間分のブレンドのティーバッグが貼られたシンプルなプロダクト設計により、性別・年代問わず、どのような仕事環境にも馴染むようになっている。

そんなdaytune.-teaが、どのような想いから誕生したのか、その裏側を紹介していく。

自然な状態を取り戻す「チューニング」を届けたい

daytune.-teaが誕生したきっかけは、私の原体験にある。中学・高校・大学と進学校に通い、新卒で大手コンサルティング企業に入社。世間的にはエリートと言われるような経歴を歩んできた。しかし、その一方で自分が望んでいた人生を歩んでいるはずなのに、私は自分のことがなかなか好きになれずにいた。それは、自分が「こうしたい」という基準よりも、世の中的に「こうあるべきだ」という基準を優先していたからだ。

日々、ハードな働き方をする中で、心身ともに辛さを感じたときも、「強くあるべきだ」「疲れたというのは、自分が弱いからだ」と自分の気持ちを否定し続け、いつしか次第に自分の気持ちがわからなくなっていった。

ある日、深夜残業帰りのタクシーの中で「これで倒れたり、鬱になったりしても、自分で選んだことだから誰も責任をとってくれないな」と、ふと頭をよぎった。

これ以上は限界だと、退職を決意。この時の経験から、「誰もがすり減らずに、自分の基準でやりたいことをやれている世界」の実現を目指すようになった。

私はこの「自分の身体や心の声に気づき、自然な状態を取り戻す」ことを“チューニング”と名付け、チューニングを世の中に広めるための事業を構想し始めた。

商品開発を進める中、突然訪れたコロナ禍

ここ数年、瞑想やサウナなど自分の内面と向き合い、ケアをする体験が以前よりも身近なものになってきている。この体験を、より気軽に、日々の生活の中で行うことができないか。そんな中、着目したのが、小さい頃から慣れ親しんでいた「ハーブティー 」だった。

日常の中でハーブティー を選んで飲む時間を作ることで、自分の心身の声と向き合う。その考えのもと、商品開発を進めていった。

開発を進める中、図らずも新型コロナの感染が拡大していき、リモートワークが一般化。移動時間や会議の合間の時間など、スキマ時間が少なくなったことで「以前よりも慌ただしくなった」という声や、「働き方が大きく変わり自分の人生を見直すようになった」という声が聞こえるようになてきた。

こうした声を受け、私はチューニングの考えが、以前より人々から、求められているように感じた。チューニングを広めることで、ビジネスの世界でよく求められる「こうあるべき」という“当然”から、自分は「こうありたい」という一人ひとりの“自然”を優先できるようにしたい。

そのために、ハーブティーのブレンドを選んで飲むという体験を通じて、日々の生活の中で「立ち止まって、自分の声を聞く」時間を届けることにした。

こうして、daytune.-teaの商品の世界観が決まった。

ゼロから体当たりで始めた、チームビルディング

daytune.-teaを開発する前に、私は前身となるハーブティーブランド「Herbalance(ハーバランス)」を立ち上げたことがある。当時はほぼ独力で進めていたこともあり、チューニングの価値体験を届けることができていなかった。

もっと日常の中で気軽に、自分の心身の調子を意識して、ととのえることができるようにしたい。そのためには、今度は個人の力ではなく、チームの力で取り組む必要がある──そう考え、まずはチームづくりから着手することにした。

しかし、私はあまり人をリーダーとして引っ張るタイプではないし、強く意見を主張することも苦手て、チームというものにも苦手意識を持っていた。どのようなリーダーであるべきか。どのようなメンバーを集めるべきか。気づけば、自分自身が再び「当然」の世界に囚われていた。

チューニングの考えを世の中に広めるためにも、自分にとっての“自然”を追求していきたい。それが導き出した答えだった。

決して別の人格になるのではなく、自分らしさを大切にしたままリーダーとなり、それぞれが自然で心地よくいられるメンバー達と、チームを作る。

その考えのもと、事業企画、デザイナー、財務、調達、PRなど、各分野のプロフェッショナルが集まり、チームが出来上がっていった。そして、今度は自分自身が理想とするチューニング体験を届けることができる商品を作り上げることができた。

一念発起し、ほぼ独力でまずはHerbalanceを作ったが、まだ理想とするチューニング体験はまだ十分に実現できずにいた。そこからもっと理想を追求するため、今度はチームで取り組むことにした。デザイナー、商品企画、ビジネスデザイン、次第に集まった仲間たちと、チューニングを体験できるためにブランドを刷新して、day tune.-teaを開発。今度は「自分が欲しい」ものができた。

フローミュラはチューニングを広めるための会社

11月中旬にスタートしたプロジェクトは、多くの支援を集め、1週間足らずで目標金額を達成することができた。しかし、daytune.-teaの挑戦はまだ一歩目。これから、商品の本リリース、新たなブレンドの展開、各種コラボレーションなど、やるべきことは山積みだ。

新たに立ち上げた会社「フローミュラ」はハーブティーを提供する会社ではなく、チューニングを広めるための会社と定義している。

その言葉の通り、「フローミュラ」という社名は、オーケストラが「ラ 」の音からチューニングを始めること(フロム“ラ”)、方程式やいつものやり方を意味する言葉(フォーミュラ)に由来しており、チューニングへの想いが強く込められている。

世の中の「あるべき」に囚われるのではなく、ひとりひとりが、自分が心地よくいられる状態を意識して追求できるように。チューニングを身近なものにするため、フローミュラの挑戦は続く。

松見咲子
一橋大学社会学部卒業後、野村総合研究所(NRI)に入社。経営コンサルタントとして、官公庁の委託調査事業や新規事業支援などを担当。スタディストに入社しWEBマーケティング・ディレクションを経て独立。求職者支援訓練「ハーブセラピスト科」 修了・日本メディカルハーブ協会認定ハーバルセラピスト資格取得。2020年4月にフローミュラを設立。11月にノンカフェインティー「daytune.-tea」を発表、2021年2月中に本リリース予定。