
- 自動運転技術開発用プラットフォームを提供するZMPが新規ランクイン
- Spiberが“事業価値証券化”によって250億円の大型調達を実施
- カテゴリー別では、環境・エネルギー、自動車領域がトップ。金融がそれに続く
国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目スタートアップの想定時価総額をランキング形式で紹介する。今回は1月の想定時価総額ランキングだ。
自動運転技術開発用プラットフォームを提供するZMPが新規ランクイン

2021年1月の想定時価総額ランキングでは、物流支援ロボット「CarriRo」や自動運転技術開発用プラットフォーム「RoboCar」シリーズなどを提供するZMPが新規ランクインを果たした。また、スマートニュースが新たに新株予約権を発行したことにより、想定時価総額を1237億円から1242億円に伸ばし、唯一のランクアップ、3位に浮上した。
ZMPは、自動運転技術やそれを応用した宅配ロボットを開発しているスタートアップ。メンバーは世界15カ国から優秀な人材が集まり活躍している。
主な事業として物流支援ロボットCarriRo、また自動運転車両プラットフォームRoboCarシリーズやステレオカメラ「RoboVision」シリーズの提供を行なっている。また、ほかにも画像認識技術の開発、建設、農業、ドローンなどの分野での事業展開も行なっている。
社名のZMPとは、ゼロモーメントポイント(Zero Moment Point)の略。動力学的な重心位置のことを意味し、二足歩行ロボットにおいて歩行を実現させる為に最も重要なポイントのことである。足裏上にZMPが来るように計算され、初めて歩行が実現するように、同社もロボット分野で最も重要な存在になることを目指し、社名とした。
Spiberが“事業価値証券化”によって250億円の大型調達を実施

累計調達金額で大きな変化がみられたのは415億8000万円から665億8000万円にまで調達金額を伸ばしたSpiberだ。
Spiberは独自の微生物発酵(ブリューイング)プロセスによりつくられる構造タンパク質素材「Brewed Protein」を開発するスタートアップ。医療用材料や樹脂材料、次世代軽量複合材料への添加剤などさまざまな用途で使用することができ、主原料が石油ではないことからマイクロプラスチックを生み出すこともないため、ポリエステルやナイロンなど従来の素材よりも海洋生態系を含めた海洋汚染に対する影響も少ないことが期待されている。
同社は、2020年12月30日に三菱UFJモルガン・スタンレー証券をアレンジャーとして事業価値証券化による総額250億円の資金調達を実施を発表。本スキームを通じて調達した資金は、米国の穀物プロセッサー大手、ADMと共同で推進する、Brewed Proteinの米国での量産体制構築、並びに新素材の研究開発などに充当して行く方針だ。
事業価値証券化は、幅広いクレジット投資家が参加可能で、⼀般的な株式を通じた資⾦調達⼿法に加え、先進的な技術や知的財産に基づく卓越した研究開発や事業を推進するスター トアップの⼤規模調達における選択肢を拡げることも期待される。
カテゴリー別では、環境・エネルギー、自動車領域がトップ。金融がそれに続く

TOP20企業をカテゴリー別にみてみると、環境・エネルギーと自動車領域が4社と最も多く、次いで金融領域が3社と続いている。自動車領域は、ZMPが新規ランクインしたことにより、以前までトップだった金融領域を抜いてトップとなった。