
国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は2月1週の注目資金調達情報だ。
Ridge-i
- 調達額:7億8000万円
- 合計資金調達額:15億2900万円
- 調達先:オリックス / グローバル・ブレイン / スパークス・グループ
Ridge-iは企業における、ディープラーニング・機械学習などのAI技術の活用を支援するスタートアップ。
企業の様々なフェーズにおいて、AIを含めた適切な技術の組合せを提案・開発している。例として荏原環境プラントとの共同開発により、ゴミ焼却工場でゴミの質をピクセル単位で認識することを可能にし、熟練オペレータのノウハウを再現することで、投入するごみ質の安定化を果たした。その他にも、3Dデータを活用した学習データの自動作成、白黒画像の自動彩色化、衛星データ(SAR)による災害観測・埋蔵資源の発見・オイル流出検出など、様々な事業分野に携わる。
2021年2月にはオリックス、グローバル・ブレイン、スパークス・グループを引受先とした資金調達を実施。今回の調達を通し、財務基盤を強化することでより積極的な発信と研究開発を加速し、ニーズの創出を目指す方針だ。
ビードットメディカル
- 調達額:7億円
- 合計資金調達額:7億円
- 調達先:慶應イノベーション・イニシアティブ / メディアーク / ニチコン / Cosylab / JA三井リース
超小型陽子線がん治療装置開発、粒子線治療コンサルティング事業を行なっているスタートアップ。
陽子線には、体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな放射線量を与える、という優れた特性がある。そのため、陽子線を利用することで体内の深部にある腫瘍へ、ピンポイントで放射線を照射することができる。同社は日本で陽子線治療が普及していない原因は装置サイズの大きさ、高額な導入費用の二点にあると考え、小型で低価格な装置の開発に取り組んでいる。
2021年2月には、慶應イノベーション・イニシアティブ、JA三井リース、メディアーク、ニチコン、Cosylabを引受先としてシリーズAの第三者割当増資を実施。7億円を調達した。調達資金は、現在開発を進めている「小型陽子線がん治療装置」の開発・製品化に充当する方針だ。
1sec
- 調達額:2億7000万円
- 合計資金調達額:2億7000万円
- 調達先:gumi ventures / イグニス / イーストベンチャーズ / 國光宏尚 / 内藤裕紀
次世代のインターフェース、3DCGテクノロジーを駆使したVirtual Modelを開発・プロデュースするサービス「ONE AI」を提供するスタートアップ。
ONE AIは3DCGやAI テクノロジーを用いた、次世代のインターフェースで新たな社会をデザインするサービスである。2021年1月現在はAIシステムと結合した独自のプラットフォームを開発している。その他テクノロジー、ネットワーク、クリエイティブアセットを用いてデザインし、KOL(Key Opinion Leader
2021年2月にはセレス、gumi ventures、イグニス、イーストベンチャーズ、個人投資家の國光宏尚氏、内藤裕紀氏らを引受先とする第三者割当増資を実施。本調達により同社の累計資金調達金額は2億7000万円となった。調達した資金は会話機能などを搭載したAIヒューマンテクノロジーの開発に充てる方針だ。
TRiCERA
- 調達額:1億1500万円
- 合計資金調達額:2億9900万円
- 調達先:有安伸宏 / 加藤恭輔 / 松本大輔 / 小池藍 / 山本幸央 / 杉浦崇之 / 宮下秀麿 / 小林俊仁
現代アート売買のグローバルプラットフォーム「TRiCERA.NET」を運営するスタートアップ。
TRiCERA.NETは世界中のアーティストが自由形式にアート作品を発表・販売出来るノーボーダーECサイトである。2021年2月時点で、80を超える国と地域から2400名を超えるアーティストが参画しており、総出品数は1万7000点を超えている。流通総額は前期比の約500%に増加。同サービスを通し、アートが好きな人たちのボーダーを取り払い、より快適で安全なアートの流通を支援できるプラットフォームの実現を目指す。
2021年2月には有安伸宏氏やその他複数人の投資家を引受先とした第三者割当増資を実施。融資を含め1億1500万円を調達した。調達した資金はTRiCERA.NETにおけるUI/UXの改善や、認知向上にむけたアートフェア東京2021への参加などのプロモーションの強化に充当する方針だ。
ランプ
- 調達額:1億円
- 合計資金調達額:1億円
- 調達先:ANRI
- 備考:その他、個人投資家を引受先とした第三者割当増資 / 金融機関からの借入を含む / 事業譲渡による調達を含む
飲食店向けテイクアウトの予約・決済サービス「TakeEats」を運営するスタートアップ。
TakeEatsは初期費用・月額費用が無料の飲食店向けのテイクアウトに特化した予約・決済システムだ。テイクアウト営業を検討する飲食店には「商品の手数料が高い」、「サイトやシステム導入に初期費用がかかる」といった負担やリスク、消費者にとっては「メニューや値段がわからない」、「電話が繋がらない」など、デジタル化が遅れていることで購入に至らないという現状があった。このような飲食店の負担と消費者の不便を解決するために生まれたのが、テイクアウトに特化したプラットフォームTakeEatsだ。2020年6月のリリースから7カ月間で全国500店舗の飲食店に導入されており、大きくサービス展開を行なっている。
2021年2月には、独立系VCのANRI他、個人投資家を引受先とする第三者割当増資、金融機関からの借入、事業譲渡を実施し、総額約1億円の資金調達を実施。この調達を通じ、「TakeEats」の新機能追加、バージョンアップ、優秀な人材の採用等を加速していく予定だ。また、ウィズコロナ、アフターコロナの中で人々の“食”の生活様式が変わる中、地域社会・飲食店業界・タクシー業界のデジタル化に貢献するべくスピード感を持って事業の拡大に注力していく。