
国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は2月2週の注目資金調達情報だ。
アロマビット
- 調達額:3億円
- 合計資金調達額:11億5000万円
- 調達先:グローバル・ブレイン / テックアクセルベンチャーズ / 京セラ
- 備考:グローバル・ブレインはEP-GB投資事業有限責任組合から出資
人間しか知覚できない"におい"の情報を取得する「ニオイ識別センサー」の開発と同センサーを用いたサービスを企画・開発するスタートアップ。
ニオイ識別センサーは、さまざまなニオイの成分を複数の吸着膜で吸着し、重さの変化をセンサーで読み取ってパターンとして出力することで、ニオイのパターンを可視化する。また従来のガスセンサーが特定の成分にだけ反応していたのと比べて、より生物の鼻に近い判断が可能となる。同社の製品・サービスは、原理的にどんなニオイでもパターン表示できることから、ニオイが密接に関連しそうな業界、例えば食品、日用品、コスメといった領域だけでなく、産業機械やロボティクス、モビリティや見守り・ヘルスケア、農業、マーケティングといった幅広い分野での応用が期待されている。
2021年2月にはグローバル・ブレイン、京セラ、テックアクセルベンチャーズを引受先とする第三者割当増資による3億円の資金調達を実施した。この調達資金は小型ニオイセンサーの高機能化・量産化、事業開発などに活用する方針だ。
ミライロ
- 調達額:2億8000万円
- 合計資金調達額:2億8000万円
- 調達先:さくらインターネット / ゼンリンデータコム / ヤマトホールディングス / 京王電鉄 / 住友林業 / 大阪市高速電気軌道 / 東京海上日動火災保険 / 西武鉄道
人と企業をつなぐ障害者手帳アプリ「ミライロID」を提供する企業。
ミライロIDは障害者手帳を電子化しスマホで手軽に管理できるアプリだ。自身の車いすのサイズ、必要なサービスなどを登録することで窓口での伝達をスムーズにするほか障害種別に応じて、生活に役立つ情報やお得な情報をユーザーに届けてくれる。
2021年2月には大阪市高速電気軌道、京王電鉄、さくらインターネット、住友林業、西武鉄道、ゼンリンデータコム、東京海上日動火災保険、ヤマトホールディングス等を引受先とする第三者割当増資により2億8000万円の資金調達を実施。調達した資金は主にユニバーサルデザインやユニバーサルマナーの普及啓発、新規顧客獲得のためのマーケティング、サービスの開発と強化に当てる方針だ。
Stake Technologies
- 調達額:2億5000万円
- 合計資金調達額:2億5000万円
- 調達先:Binance Labs / Digital Finance Group / HashKey Group / LongHash Ventures/ PAKA Ventures
日本初のパブリックブロックチェーン「Plasm Network」を開発するスタートアップ。
Plasm Networkではブリックブロックチェーンの直面している大きな課題である相互運用性(インターオペラビリティ)とスケーラビリティ(処理性能)の解決を目指している。2020年2月現在、暗号資産の時価総額が世界4位であり、異なるブロックチェーンを接続するPolkadotを用いることでこれらの問題を解決する方針だ。また、Ethereum Virtual Machineをサポートしており、Ethereum上にデプロイされたスマートコントラクトを同サービス上で使用することも可能という。
2021年2月にはBinance Labs、HashKey、PAKA Ventures、LongHash Ventures、Digital Finance Groupから総額約2億5000万円の資金調達を実施した。次世代の中核技術となるパブリックブロックチェーンにおいて、グローバルのトッププレイヤーを巻き込みながら、今後一層結果を出すための調達だという。
LiLz
- 調達額:2億5000万円
- 合計資金調達額:2億5000万円
- 調達先:ソニー / ドーガン・ベータ / 沖縄振興開発金融公庫 / 環境エネルギー投資
- 備考:シリーズA / 他名前非公開の投資家からの調達を含む
アナログメーターの目視巡回点検を効率化するクラウドサービス「LiLz Gauge」などを提供するスタートアップ。
LiLz Gaugeは低消費電力IoTカメラと機械学習を活用し、アナログメーターの目視巡回点検を効率化するクラウドサービスだ。1日3回撮影で約3年連続動作するIoTカメラにより、電源の無い場所でも計器の遠隔点検が可能。また、画像解析と機械学習により点検時の計器値の入力作業をサポートする。
2021年2月9日には2億5000万円の資金調達を発表した。今回調達した資金は、IoTカメラ次機種の開発費、機械学習を活用した新たな価値創出のための研究費や開発費、SaaS事業における人材採用費や人件費、マーケティング費などに充当される。
aba
- 調達額:1億円
- 合計資金調達額:4億3900万円
- 調達先:Impact Venture Capital / ヤマシタ
- 備考:ヤマシタと資本業務提携 / 他投資家を含む
介護者・要介護者の精神的・肉体的負担の解決を目指し、要介護者の排泄状態を検知・記録できるデバイス「Helppad」の開発を行っているスタートアップ。
“においセンサー”で便と尿を検知し、要介護者に負担を与えない形状のプロダクトHelppadを大手ベッドメーカー・パラマウントベッドと共同開発し、既に販売を開始している。介護現場における排泄ケアは今なお適時適格なケアが実行できていない。これによる要介護者の負担が介護者の呵責やモチベーションの低下を招いており、介護業界の3年以内の離職率は想定7割と言われている。同サービスは介護者の負担軽減や要介護者のQOL向上を図るべく開発された。
2021年2月にはヤマシタ、Impact Venture Capitalなどから約1億円の資金調達を実施した。この調達資金は既存製品だけではなく、在宅介護市場を見据えた次世代排泄センサーの開発・販売・マーケティング活動などに活用する方針だ。