
人手不足に加えて新型コロナウイルスの影響もあり、サービス業における店舗接客のデジタル活用が急務になってきている。2019年創業のタイムリープは“遠隔接客”という手法を用いて、この課題の解決に取り組むスタートアップだ。
同社は3月1日、事業拡大に向けてジャフコ、HIRAC FUND、VOYAGE VENTURESを引受先とする第三者割当増資により総額約1.8億円の資金調達を実施した。今回の資金調達により累計調達額は約2.4億円になるという。
タイムリープが運営している「RURA(ルーラ)」は遠隔地にいるスタッフがインターネット越しに店舗で接客ができるサービス。店頭にディスプレイなどを設置し、スタッフが自宅など離れた場所からリモートワーク形式で接客を進めていく。
複数店舗をまたいで接客できる機能も特徴で、これによって店舗ごとに固定のスタッフを何人も設置せずとも、限られた人数で複数店舗の接客に対応していくことが可能。スタッフの顔を出す代わりに、ロボットやバーチャルキャラクターを用いて接客することもできる。

タイムリープによるとホテル、商業施設、シェアオフィス、小売業などさまざまな業界から200件以上の問い合わせを受けているとのこと。
たとえばケイアイスター不動産が運営する無人モデルハウスでは、RURAを通じて遠隔から顧客のサポートを実施。顧客との会話はリアルタイムボイスチェンジの仕組みを用いてキャラクター越しに行うことで、人の目を気にせずリラックスして内覧できるような環境を整えているという。

RURAを活用すれば接客担当者でもリモートワークができるため、活躍できる人材の幅が広がるほか、店舗運営の効率化や新型コロナウイルスへの感染対策などにも繋がる可能性がある。タイムリープでは今回調達した資金で組織体制を強化し、RURAの開発と事業拡大に力を入れていく計画だ。