ALE代表取締役社長・CEOの岡島礼奈氏
ALE代表取締役社長・CEOの岡島礼奈氏 ALEのプレスリリースより

国内最大級の成長産業領域向け情報プラットフォーム「STARTUP DB」。1万2000社を越える企業の情報を保有するSTARTUP DBのデータを元に、注目のスタートアップの資金調達情報をサマリ形式で紹介する。今回は2月4週の注目資金調達情報だ。

ネットプロテクションズホールディングス

  • 調達額:60億円
  • 合計資金調達額:60億円
  • 調達先:ジェーシービー
  • 備考:資本業務提携

ネットプロテクションズホールディングスは未回収リスク保証型の後払い決済サービス「NP後払い」の運営を行うネットプロテクションズの親会社。

ネットプロテクションズは2002年、未回収リスク保証型の後払い決済サービス、NP後払いの提供を開始。取扱高前年比約130~140%のスピードで成長を続け、累計利用件数は1億7000万件を突破するまでに成長している。他にも、カードレス決済サービスの「atone(アトネ)」を国内で、台湾においてもカードレス決済サービス「AFTEE(アフティー)」を提供しており、日本発のクレジットインフラのグローバル展開を進めている。

2021年にはジェーシービーを引受先とする約60億円の第三者割当増資を実施。今回の資金調達に伴い、国内外において拡大するBNPL(Buy Now, Pay Later=先に買って後から支払う決済)市場における事業連携を開始する予定だ。

ALE

  • 調達額:22億円
  • 合計資金調達額:49億500万円
  • 調達先:スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー / Horizons Ventures / 東北大学ベンチャーパートナーズ
  • 備考:2022年4月までを目処に調達を完了する予定 / 個人投資家を含む / シリーズA

ALEは人工流れ星事業「Sky Canvas」を筆頭に、宇宙関連のエンターテインメント事業や衛星事業などを行っているスタートアップ。学生時代にサイエンスとエンターテインメントの会社を設立し、卒業後はゴールドマン・サックスの証券戦略投資部にて債券投資事業やPE事業に従事した岡島礼奈氏が2011年に設立した。

Sky Canvasは、軌道上の人工衛星から特殊な素材の粒を宇宙空間に放出して大気圏に突入させることによって、流れ星を人工的に再現することを目指している。ただ人工的に流れ星を再現するにとどまらず、自然界の流れ星や隕石のメカニズムを解明したり、これまで観測が困難であった高層大気の挙動を観測するなど、科学の発展にも寄与しており、社会貢献性も非常に高い。

2021年2月末にはスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー、Horizons Ventures、東北大学ベンチャーパートナーズ、他個人投資家等を引受先とする第三者割当増資を実施。2022年4月までをめどに、総額約22億円(今回の資金調達金額を含む)の資金調達を完了する予定だ。この資金調達を通じて、2023年に技術実証を予定している人工流れ星衛星3号機の開発および同年のサービス開始に向けた事業開発、2021年度に技術実証を予定しているEDT(導電性テザー)を利用したデブリ化防止装置の開発、さらには大気データ取得活動の要素技術開発及びその体制構築を実行していく予定だ。

H.I.F.

  • 調達額:15億9000万円
  • 合計資金調達額:74億3000万円
  • 調達先:エレメンツキャピタルリサーチ
  • 備考:ほか投資家を含む / シリーズBラウンド

H.I.F.は決済代行・信用保証サービス「Fimple決済」を展開するスタートアップ。

Fimple決済は、入金保証付の企業間請求代行サービスだ。顧客の請求業務を格安で代行することにより、請求業務にかかる人件費の削減などのコストを削減できる。また売掛債権の保証を行うことで、債権回収リスクのない安全な取引を実現している。

Fimple決済に加え、次世代型バンキングサービス「Fimple Bank」も提供している。ネット専業システムや無店舗展開による業務効率化を徹底することにより、低コスト運用を実現し、削減したコストを顧客に還元する、世界初のイノベーションバンクへの第一歩を踏み出す。

2021年2月にはエレメンツキャピタルリサーチなどを引受先とする第三者割当増資により、15億9000万円のシリーズBラウンド資金調達を実施した。この資金はFimple決済のAI与信審査開発に活用する方針だ。また、本調達により同社の累計資金調達金額は74億3000万円となった。

Psychic VR Lab

  • 調達額:9億円
  • 合計資金調達額:19億円
  • 調達先:グローバル・ブレイン / DGベンチャーズ / DG Daiwa Ventures / DK Gate
    備考:ほか投資家を含む / グローバル・ブレインは、KDDI Open Innovation Fund 3号を通じて出資

VR空間を駆使し、新たな表現・体験を生み出せるクリエイティブプラットフォーム「STYLY」を運営するスタートアップ。

STYLYは、アーティストに空間表現の場を提供し、コンセプチュアルなショップ空間やギャラリーなどクリエイターのイマジネーションを際限なく表現した多彩な空間を構築することができる。WebブラウザのみでVR空間作成ができ、MacやWindowsに対応している点が大きな特徴だ。同サービスでARシーン作成にあたり、デフォルトで用意されている素材や、自身で作成した素材も活用できるため、オリジナリティのあるシーンが作成可能だ。作成したVR/ARコンテンツは「STYLY GALLERY」で世界に発信、シェアできる。

2021年2月にはグローバル・ブレイン、DGベンチャーズ、DG DaiwaVentures、DK Gateなどを引受先とした計9億円の資金調達を実施した。この調達資金は組織体制の強化などに活用する方針だ。

MyRefer

  • 調達額:6億円
  • 合計資金調達額:9億6200万円
  • 調達先:グローバルブレイン / 博報堂DYベンチャーズ / STRIVE
  • 備考:シリーズBラウンド

日本初のリファラル採用活性化プラットフォーム「MyRefer」を運営するスタートアップ。

MyReferは、“会社とつながる全員をファンにする”というコンセプトのもと、人事・社員・友人がリファラル採用を簡単に、楽しく促進できる、国内初のリファラル採用活性化プラットフォームだ。新卒・中途・アルバイトの採用において活用でき、2020年3月現在で550社以上が導入。社員50人から10万人まで、幅広い規模の企業に利用されている。低価格で簡単にリファラル採用を導入・活性化でき、リファラル採用の制度設計から、運用・採用成功まで企業の課題に合わせたプログラムを構築できるのが特徴だ。

2021年2月には、グローバルブレイン、博報堂DYベンチャーズ、STRIVEを引受先とした総額6億円の資⾦調達を発表。今後は、リファラル採⽤を軸とした“HRTechプラットフォーム構想”の実現に向けて、人材採用、プロダクト開発、マーケティングを強化していく方針だ。