フードデリバリーサービス「Wolt」は新たに背番号入りの配達バッグを導入する
フードデリバリーサービス「Wolt」は新たに背番号入りの配達バッグを導入する Wolt Japanのプレスリリースより

フードデリバリーサービス「Wolt」を展開するWolt Japanは3月16日、配達業務を担う配達パートナーが背負うバッグに背番号を導入する意向を明らかにした。

Wolt Japanは2014年にフィンランドの首都・ヘルシンキで設立されたスタートアップ「Wolt Enterprises」の日本法人。Woltは世界23カ国140以上の都市で展開しており、1000万人以上のユーザーを抱える。

日本では2020年3月に広島県でローンチし、10月には東京都でのサービス提供を開始した。現在は札幌や福岡を含む国内10都市で展開している。

3月下旬からは大阪や川崎など7つの新たな都市にも進出する。大阪では新たな試みとして、新規登録を行う全ての配達パートナーへ背番号入りのバッグを貸与する。

背番号を導入する狙いについて、Wolt Japanカントリーマーケティングマネージャーの新宅暁氏は「我々がサービス提供する都市に住む皆さんの安全性、そして配達パートナーの信頼性を向上させることが目的です」と説明する。

「Woltはサービス展開する各自治体において警察と密に連携しています。大阪では(配達パートナーへの)説明会で警察の方に交通ルールに関する講習を行っていただきました。広島では有事の際に情報交換ができるという点が評価され、『自転車マナーアップ推進事業所』に指定されました。有事の際におけるさらに迅速な情報収集と対応を可能にするため、背番号の導入に至りました」(新宅氏)

フードデリバリー配達員の背番号制は3月9日に東京都議会予算特別委員会で提案されていた。都民ファーストの会の伊藤悠議員は「(自転車で業務を行う配達員には)車などと違ってナンバーがないため、(マナー違反を)通報できない。例えば配達バックなどにナンバープレートに代わるナンバーを付けるように促すべき」と述べていた。

新宅氏いわく、Woltが都議会での提案と同時期にに背番号を導入するに至ったのは「単なる偶然」。3月9日の時点ではすでに背番号入りバッグの在庫が大阪オフィスに用意されていたという。

Woltは海外でも背番号入りバッグをヨーロッパやアジアの数カ国で導入済みで、今後は日本でも全国の配達員に貸与する予定だ。今夏を目処に日本で新規に貸与する全ての配達バッグを背番号入りにする見込みだという。

「強調したいのは、背番号の導入は(マナー違反などの)監視目的ではないということです。我々と配達パートナー、ならびに警察が一段となって問題解決ができるという点は高く評価されているので、この連携をより強固にしていくことが目的です。(有事の際に)該当の配達パートナーを確認し、その配達パートナーに対して『我々にできる対応はありますか』と迅速に連絡を取れるようにすることも重要です。(背番号の導入は)配達パートナーの安全性向上にも繋がる取り組みです」(新宅氏)