すべての提供画像:RABO
すべての提供画像:RABO

コロナ禍による自粛生活の長期化に伴い、生活に癒やしを求めて猫を飼い始める人が増加している。ペットフード協会が実施した「2020年の全国犬猫飼育実態調査」によれば、1年以内に新たに飼われた猫の数は約48万匹。前年比で16%増加している。

新たな家族となった猫とは「1秒でも長く一緒にいたい」と思うのが親心というもの。そのために欠かせないのが“健康管理”だが、猫は本能的に飼い主に体調不良を隠してしまう。そのため、飼い主は体調の変化に意外と気づきにくく、病院に連れていったら、実はすでに症状が悪化していた、といった事態も起きてしまいがちだ。

昨今はペット用の見守りカメラも登場しているが、あくまで画像を通して猫の様子を把握するためのものであって、体調不良が起きているどうかまでは分からない。

そうした中、首輪型のデバイスとアプリを通じて、猫の様子を見守るサービス「Catlog(キャトログ)」を提供しているスタートアップがRABOだ。

同社は4月6日、STRIVE、XTech Ventures、W ventures、三⽣キャピタル、みずほキャピタルを引受先とする第三者割当増資および、みずほ銀⾏からの融資によって総額約6億円の資⾦調達を実施したことを明かした。今回の資金調達によって、RABOの累計調達額は8億5000万円となった。今後、Catlogシリーズのさらなる展開に加えて、Catlogが所有する7億件を超える猫のデータを⽤いた事業展開も加速させていくという。

Catlogは首輪に内蔵された超小型の加速度センサーによって、猫の活動データを24時間365日記録。それをバイオロギング解析技術や機械学習によって解析するというサービスだ。

飼い主は、Catlogを使うことで猫の食事や睡眠、運動、水飲みといった行動が専用のスマホアプリから常に確認できるため、健康管理に役立てられる。また、普段の行動と異なる変化を検知し、アプリに通知する機能「ようすモニター」によって、前日比較だけではなく、「午前・午後」「数日間」など、いつと比較して変化があったかどうかも教えてくれる。

デバイスの価格は1万6280円(税込)。それに加えて、アプリの利用料はプチみまもりプラン(無料)、みまもりプラン(月額380円)、猫バカプラン(月額580円)の3つが用意されており、プランごとに利用できる機能は異なる。ただし、アプリの利用料に関しては何匹の猫でも、何台のデバイスでも一律料金で使えるという。

2019年9月のリリースから、約1年6カ月。現在は約7000匹の猫がCatlogを身につけた生活を送っており、飼い主から送られてくる猫の行動データは7億件を突破している。

また、RABOは首輪型デバイスに続く、第2弾のプロダクト「Catlog Board」を2020年10月に発表。これは普段、猫が使ってるトイレの下に置くだけで、体重と尿量など排泄物の量やトイレの回数を自宅の無線LAN経由で毎回自動で記録し、Catlogアプリで管理できるようにするというものだ。

応援購入サイト「Makuake」で予約販売を開始したところ、開始6分で初期ロットが完売するなど、正式販売前から大きな反響を呼んでいる。現在、Catlog Boardは⾃社での予約販売に切り替えているそうで、商品の発送を今年の夏を予定している。

今後、RABOは首輪型デバイスとボード型デバイスのを通じて、さらに猫の行動データを取得していく。それと同時に、すでに取得している7億件のデータを使って、かかりつけの獣医との連携やご飯の開発など周辺事業にも取り組んでいく予定だという。