
文章、写真、イラスト、音楽、映像といった作品を個人のユーザーが配信できるメディアプラットフォームの「note」は4月7日、サービス開始から7周年を迎えた。
2021年3月末時点での会員数は380万人、総記事数は1500万件。コロナ禍では「人と繋がりたい」という想いからnoteを使い始めるユーザーが増加し、昨年同月比で会員数は1.8倍、総記事数は2倍とこの1年で大幅に成長したとnoteは説明する。
ユーザーのエンゲージメントも高まっている。2020年、気に入った記事に対するユーザーの「スキ」の数は前年比で3.1倍、投げ銭機能の「サポート」の件数も前年比で2.9倍に増えた。
noteは同日、7周年を記念して報道関係者向けに事業発表会を開催。代表取締役CEOの加藤貞顕氏とCXOの深津貴之氏が登壇し、プラットフォームとしての成長を加速させるために導入を検討している3つの新機能について説明した。深津氏いわく、これらの機能はまだ研究開発段階で、必ず導入されるというわけではないそうだ。

noteが検討している1つ目の新機能は、ユーザー間での直接のメッセージのやりとりを可能とするDM(ダイレクトメッセージ)だ。
深津氏は「クリエイター同士、あるいは企業とクリエイターが直接コミュニケーションを取れるようにすることを計画しています。noteを利用するクリエイターの仕事やキャリアの発展に貢献できれば。DMで仕事を受発注できるようにしたい」と説明した。

2つ目は、今年の夏から秋にかけて導入する予定だという新しい記事エディタだ。
深津氏は「表現力が大幅に広がります。取り消し線や箇条書きが使えたり、今までは制限されていたさまざまな文章表現が可能になります」と述べた。
マークダウンにも対応する予定のほか、note以外のエディタから文章をコピーしてペーストした場合でも書式が引き継がれるようになるという。

3つ目は、ページのレイアウト機能。ユーザーやメディアのマイページにおいて、用途やテイストに合わせて表示したいものを自由に並べることが可能になる。

深津氏は「自分だけのトップページが作れるようになります。絵を描くクリエイターの場合は文章よりも絵を大きく表示する。noteを使っているメディアであれば、新着記事や特集記事のコーナーを設置する。レイアウトをユーザーが自分でコントロールできるようになります」と説明した。

加藤氏は「かなりさまざまなホームページを作るためにnoteを使えるようになるのかなと思っています」と述べ、深津氏は「『会社のホームページはnoteで良いんじゃないか』と思っていただけることを目指していきます」と付け加えた。
また、noteから他のプラットフォームに情報を移行するためのエクスポート機能やインポート機能について、加藤氏は時期については言及しなかったものの、導入を検討している意向を示し「強化していく予定です」と話した。
(編集部注:2021年4月7日17時20分)エクスポート機能・インポート機能の導入について追記しました。