東京メトロ銀座線「外苑前駅」から歩いて1分ほどの場所にある「外苑前野球ジム(仮)」
東京メトロ銀座線「外苑前駅」から歩いて1分ほどの場所にある「外苑前野球ジム(仮)」

データを収集・分析し、課題の解決に役立てる──ビジネスの現場では当たり前のように行われている“データ活用”の流れがスポーツ、特に野球の領域で広がりつつある。

例えば、米メジャーリーグベースボール(MLB)は2015年ごろから、ボールの打球角度や速度を数値化するシステム「スタットキャスト」を導入。「打球速度が時速158キロ以上、打球角度が26〜30度で上がった打球が最もヒットやホームランになりやすい」というデータをもとにフライを打ち上げる、いわゆる“フライボール革命”は大きな注目を集めた。

そうしたMLBの流れを受け、日本でも“データ”が重視され始めた。ここ1〜2年ほどで、ピッチング(球速やボールの回転数・回転軸・変化量)、バッティング(飛距離や打球の回転数、回転軸、速度、角度)のデータを測定・分析できる大型のトラッキングシステム「トラックマン」、そのポータブル版とも言える「ラプソード」が使われるようになっている。

iPadを通じて、ラプソードで取得した打球の回転数、回転軸、速度、角度などが見れる。筆者撮影
iPadを通じて、ラプソードで取得した打球の回転数、回転軸、速度、角度などが見れる。筆者撮影

プロ野球を中心にデータの活用が進む一方、まだ課題もある。それがトラッキングシステムの価格だ。例えば、ラプソードは1台71万5000円(税込)もするため、草野球や部活動などアマチュアの選手たちは使えず、結果的に一部の限られた選手しか使えていない。

「もっと野球がうまくなりたい」と思った選手たちが、トレーニングジム感覚で通えて、ラプソードなどの最新鋭の設備を活用してレベルアップを図れる──そんな野球ジムが12月にオープンした。ジムの名前は「外苑前野球ジム(仮)」。東京メトロ銀座線「外苑前駅」から歩いて1分ほどの場所にある。