
- 情報管理ツール「Notion」が外部ツールとの同期を可能にする新機能を発表
- Netflixがフィンランドのゲーム会社Next Gamesを買収
- 複数の日本企業がブロックチェーンベースのメタバース「The Sandbox」での展開を発表
- 主な資金調達
情報管理ツール「Notion」の新機能や、日本企業によるメタバース「The Sandbox」への相次ぐ参入──海外のテクノロジー業界では先週(2月27日から3月5日)、さまざまなビッグニュースが飛び交った。
毎週月曜日に掲載する連載「海外テックニュース-Trend Now」では、特に注目すべきニュースを編集部が独自にピックアップし、お伝えする。今週はNetflixやEpic Gamesによる企業買収や、約1730億円の大型調達も見られた。
情報管理ツール「Notion」が外部ツールとの同期を可能にする新機能を発表
多機能な情報管理ツールNotionを展開する米サンフランシスコのスタートアップ、Notion Labs。同社は3月2日(以下、すべて現地時間)、今回で2回目となる年次のオンラインカンファレンス「Block by Block」にて、今後追加予定のさまざまな新機能を発表した。
Notion LabsのCEO、アイバン・ザオ氏は2021年10月に筆者との取材で、「他のツールの情報をNotionで確認することができれば、あらゆる職種の従業員はNotionを離れる必要がなくなります。Notionは全ての情報を集約するハブになり得る」と話していた。2022年後半に登場予定の新機能「Synced Databases(同期データベース)」は、そんなザオ氏のビジョンの実現に向けた大きな一歩と言える。
Synced Databasesを使えば、外部ツールのデータをNotion上で表示できるようになる。同期後は外部ツールで情報を更新した場合、Notion上でも更新が反映される。現在は「Google カレンダー」、ソフトウェア開発プラットフォームの「GitHub」、プロジェクト管理ツール「Jira」への対応が進行中だという。
2021年5月にベータ版として公開開始した「Notion API」は、このイベントに合わせて3月2日に正式公開となった。開発者コミュニティはすでに3万人を超えているという。一般ユーザー向けには「Integration Gallery」を公開し、「Slack」、「Asana」、「Trello」といった、Notionと連携できる外部ツールを紹介している。
また、数週間以内には、「Better Databases」と呼ばれるデータベース機能の大幅アップデートが実施される予定だ。動作を改善し、ビューの作成やカスタマイズをしやすくするほか、フィルター機能やタブ機能などを拡充する計画だ。
大企業など、大規模なチームやグループの利便性向上を目的とした新機能「Teams」も、2022年春より順次提供開始する。ユーザーはサイドバーに追加されるTeamsという新たなセクションに、チームやプロジェクトなどの情報をTeamsに集約できるようになる。これまで提供してきたチーム利用向けのセクション「Workspace」よりも、きめ細かな権限設定が可能となる。
Netflixがフィンランドのゲーム会社Next Gamesを買収
米Netflixは3月1日、フィンランドのゲーム会社Next Gamesを総額6500万ユーロ(約83億円)で買収すると明かした。
Next Gamesは2013年に設立したモバイルゲームを専門としたゲームパブリッシャーだ。これまでに、『Stranger Things』や『Walking Dead』など、Netflixの人気ドラマシリーズを題材としたゲームを手がけてきた。
Netflixは2021年7月にゲーム市場への参入を表明。この買収からはゲーム開発の強化という狙いが読み取れる。
また、ゲーム会社による大型買収ニュースもあった。人気ゲーム『Fortnite』を提供する米Epic Gamesは3月2日、音楽配信・販売サービス「Bandcamp」を展開する米Bandcampを買収する計画を明かした。買収総額などの取引の詳細は公表されていない。
Fortnite上ではアーティストによるライブコンサートなどが開催されており、音楽との親和性は高い。日本人では2021年に米津玄師などもライブを開催し話題を集めた。
Epic GamesのVP、スティーブ・アリソン氏は公式ブログへの投稿で「Epic GamesとBandcampは、クリエイターへの還元を最大化し、『最もアーティストに優しいプラットフォームを構築する』というミッションを共有しています」とコメントした。
複数の日本企業がブロックチェーンベースのメタバース「The Sandbox」での展開を発表
先週はブロックチェーンベースのメタバース、The Sandboxでの展開を日本企業が相次いで発表した週でもあった。
エイベックスのグループ会社、エイベックス・テクノロジーズは3月1日、2022年度中にテーマパーク「エイベックスランド(仮称)」をThe Sandbox上にオープンする計画を明かした。同日には商業施設「SHIBUYA109渋谷店」などを運営するSHIBUYA109エンタテイメントも、The Sandbox上に「SHIBUYA109 LAND」を開設すると発表。また、スクウェア・エニックスも3月2日、RPGゲーム『Dungeon Siege』をThe Sandbox上で展開する意向を示した。
主な資金調達
デジタルスポーツプラットフォーム企業、米Fanaticsが約1730億円の資金調達
世界最大規模のデジタルスポーツプラットフォーム企業、米Fanaticsが15億ドル(約1730億円)の資金調達を実施し、評価額は270億ドル(約3兆円)規模となった。米新聞社「The Wall Street Journal」が3月2日に報じた。Fidelity、BlackRock、Dell Technologiesの創業者、マイケル・デル氏のファミリーオフィス、MSD Capitalなどが出資したという。
アジア系食品のネットスーパー「Weee!」が約490億円の資金調達
アジア系食品のネットスーパー「Weee!」を展開する米スタートアップ・Weee!は2月28日、シリーズEラウンドで4億2500万ドル(約490億円)の資金調達を実施したと明かした。ソフトバンク・ビジョン・ファンドの2号ファンドがラウンドをリードした。