プレティア・テクノロジーズ代表取締役の牛尾 湧氏
プレティア・テクノロジーズ代表取締役の牛尾 湧氏

Adobeがデザイン作成を民主化したように、誰もが簡単にAR体験を開発できるようにしたい──そんな思いのもと、ARクラウドプラットフォーム「Pretia」を展開するプレティア・テクノロジーズ。同社は8月4日、SBIインベストメント、電通グループ、小学館、アダストリア、SMBCベンチャーキャピタル、エンジェル投資家を引受先とした第三者割当増資によって総額約7億円の資金調達を実施したことを発表した。

Pretiaは専用の3Dスキャンアプリ(現在はAndroid版のみ提供、iOS版は数日以内に提供予定)と自己位置推定システムによって空間をデータ化し、そのデータをもとにしたAR体験を簡単に作れるプラットフォーム。今年の4月にリリースし、すでに5カ国で使われているという。

ここ数年、QRコードや画像を読み込むことでAR体験ができるサービスは増えてきているが、開発者が意図した場所に、意図した大きさ・向きでARオブジェクトを現実の物体のように出すAR体験の設計・開発は難易度が高かった。そうした課題を解決すべく、プレティア・テクノロジーズはPretiaの開発に取り組んできた。

Pretiaを使うことで、アニメやドラマのシーンを現地で見ることができる“聖地巡礼“コンテンツやビル内や商業施設をキャラクターが動きながら案内してくれるナビゲーション、建物やお店の特徴を活かしたAR謎解きゲームなどが低コストで開発できるという。

プレティア・テクノロジーズではこれまでに実証実験の立て付けで、フジテレビジョンと提携し、AR謎解きゲーム「PSYCHO-PASS サイコパス 渋谷サイコハザード」を共同開発したほか、NHN PlayArt、ドワンゴと提携し、コンパスAR謎解きゲーム 『MYSTERY OF MIRAGE MESSAGE』を共同開発してきた。

今後、プレティア・テクノロジーズはPretiaがエンターテインメント・小売・製造・教育・広告・建築など、さまざまな産業で活用される基盤となるよう、開発体制の強化・製品品質の向上・開発者コミュニティの支援に取り組んでいく予定だという。

調査会社のFortune Business Insightsは、AR市場が2022年以降、年率約40%で急伸し、2030年にはグローバルで13.2兆円まで成長すると予測している。

今後、数年以内にMetaやAppleがARグラスをリリースすると報じられているほか、MicrosoftやSnapもARグラスの開発に取り組んでいる。近い将来、ARグラスが普及していくに伴って、高品質なARアプリの開発需要も高まっていくだろう。プレティア・テクノロジーズ代表取締役の牛尾湧氏は「ここから本格的にPretiaの拡大に力を注いでいければ」と語った。