
- 「リテールメディア」に活路を見出すエブリーが24億円の資金調達
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TastemadeやTastyなど海外発のプレーヤーが日本に参入し、2017〜2018年ごろに大きな盛り上がりを見せた「レシピ動画メディア」。国内スタートアップとしてはdelyが提供するクラシル、エブリーが提供するDELISH KITCHENが有名だ。各社のサービス開始から4〜5年の時が経ち、戦い方も変わってきている。
delyはクラシル以外にも、電子チラシサービス「クラシルチラシ」やクイックコマース型のネットスーパー「クラシルマート」を展開。一方のエブリーは食品スーパー向けにレシピ動画の配信が可能な店頭サイネージ「リテールメディア」の拡大に力を注いでいるという。今週(7/30〜8/5)の「スタートアップ最新動向-Weekly SIGNAL」では、エブリーの資金調達について取り上げる。
「リテールメディア」に活路を見出すエブリーが24億円の資金調達
エブリーの設立は2015年。同年からレシピ動画メディア・DELISH KITCHENの提供を開始している。現在、DELISH KITCHENは5万本以上のレシピが掲載されており、ユーザー数は3000万人以上を超える規模にまで成長しているという。
2018年には、食品スーパー向けにレシピ動画の配信が可能な店頭サイネージの提供を開始。4年間で1800店舗以上に導入されており、店頭サイネージの設置台数5500台以上の規模になっている。この店頭サイネージを拡大していくべく、エブリーは食品卸売業の加藤産業および旭食品と協業。この2社を引受先とした第三者割当増資により、シリーズEラウンドで総額24億円の資金を調達したことを発表した。今回の資金調達によって、同社の累計資金調達額は約133.3億円となった。
今後は、店頭サイネージの導入を進めていくほか、AIカメラやビーコン連携を行い店内行動をデータ化し、実際の視聴者層や視聴維持率をもとに売上拡大に向けた改善の提案を行っていく。また、ネットスーパーやウェブチラシ、クーポン、ID連携などを基本機能として備えた“小売アプリ”の開発・提供も行っていくとのことだ。
その他のスタートアップニュース
PONO CAPITAL TWO、米NASDAQ市場に上場
千葉道場ファンドの代表パートナーであり、エンジェル投資家などとしても活動する千葉功太郎氏。その千葉氏が社外取締役を務める特別買収目的会社(SPAC)で、米国ハワイ州に拠点を持つ「PONO CAPITAL TWO」が現地時間8月5日に米NASDAQ市場に上場した。今後12カ月(最大6カ月までの延長も視野に入れる)をめどに、NASDAQへの上場を目指す日本のディープテックスタートアップとの合併(De-SPAC:SPACとの合併による上場)を目指す。
SPACの規模は約1億1600万ドル(約156億円)。SPACが注目を集めた2020年から2021年頃は数千億円規模のSPACが主流で桁1つ小さなサイズとなるが、昨年末以降の株価下落で、小規模SPACのニーズは高まりつつあると同社では説明している。
ストックマーク、総額11億円の資金調達を実施
自然言語処理技術を用いて、国内外約3万5000サイトのビジネスニュースをAIによる分類をもとに提供するサービス「Anews」などを展開するストックマーク。同社は8月9日、大和企業投資、東北大学ベンチャーパートナーズ、博報堂DYベンチャーズ、Bonds Investment Group、ユナイテッド、三菱UFJキャピタルを引受先とした第三者割当増資によってシリーズCラウンドで総額11億円の資金調達を実施したことを発表した。
だんきち、総額1.4億円の資金調達を実施
オンラインでスポーツレッスンが受けられるアプリを提供する、だんきちは8月10日、オリコンを引受先とした第三者割当増資により総額1.4億円の資金調達を実施したことを発表した。
ゼスト、約7.6億円の資金調達を実施
在宅医療のスケジュール調整を自動化するサービス「ZEST」を展開するゼストは8月10日、ミダスキャピタル、複数の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により約7.6億円の資金調達を実施したことを発表した。
FastLabel、総額4.6億円の資金調達を実施
AIに必要な教師データの作成を自動化するAIデータプラットフォーム「FastLabel」を展開するFastLabelは8月10日、新規投資家であるジャフコグループをリード投資家とし、NTTドコモ・ベンチャーズ、セーフィー、Sony Innovation Fundらの新規投資家に加え、既存投資家であるジェネシア・ベンチャーズを引受先とした第三者割当増資により、シリーズAラウンドで総額4.6億円の資金調達を実施したことを発表した。
ファミリマート、Telexistence開発のAIロボットを店舗に導入
ファミリーマートは8月10日、Telexistenceが開発したAIロボット「TX SCARA」および店舗作業分析システム「TX Work Analytics」を2022年8月より順次導入することを発表した。今後、導入店舗を300店舗に拡大する見込みだという。
オンリーストーリー、約9.55億円の資金調達を実施
決裁者のコミュニティを活用したマッチングプラットフォーム「チラCEO」を展開するオンリーストーリーは8月10日、ニッセイ・キャピタル、エッグフォワード、ユーザベースを引受先とした第三者割当増資と金融機関からの融資により、約9.55億円の資金調達を実施したことを発表した。