A.L.I.Technologiesが開発した空飛ぶバイク「XTURISMO Limited Edition」 画像提供:A.L.I.Technologies
A.L.I.Technologiesが開発した空飛ぶバイク「XTURISMO Limited Edition」 画像提供:A.L.I.Technologies

自らは事業を行なわない「箱」として上場し、その後スタートアップなどの未公開企業を上場させるために買収する上場企業を指す「SPAC(Special Purpose Acquisition Company、特別買収目的会社)」。この数年、米国市場で大きな話題を呼ぶも、5月に投資銀行大手ゴールドマン・サックスが撤退を表明したほか、8月にも大規模SPACのDe-SPAC(SPACとの合併を通じた上場)が相次いで破棄されるなど、ネガティブな報道が続いている。

だがそんなSPACを通じて、日本のスタートアップが米NASDAQに上場するという1つの「道」が見えてきたようだ。ホバーバイクやドローンの開発・製造を手がけるA.L.I.Technologies(A.L.I.)がSPACを通じてNASDAQ市場に上場する。

A.L.I.は米国法人のAERWINS Technologies(AERWINS)を2021年8月に上場したPONO CAPITALとDe-SPAC契約を締結。NASDAQも米国時間9月7日にその旨を発表をした。2022年第4四半期から2023年第1四半期をターゲットにDe-SPACを完了しNASDAQに上場する予定だ。実現すれば日本企業として初となるSPACによるNASDAQ上場となる可能性が高い。

時価総額はAERWINSが約6億ドルで、PONO CAPITALは約1.5億ドル。De-SPAC時にはSPACの株主が離脱・追加なども起こるが、それを踏まえない理論上の時価総額は約7.5億ドル(1ドル142円換算で約1080億円)となる。