Photo:SOPA Images / gettyimages
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  • Instagram、クリエーター向け収益化支援ツール「Gifts(ギフト)」を新たにテスト中か
  • Googleが社内インキュベーター「Area 120」のプロジェクトを半減
  • Adobe、共同デザインツールのFigmaを200億ドルで買収

Instagram、TikTok、YouTube──各社プラットフォームによるクリエーターの争奪戦が、熾烈を極めている。そこから抜け出すべく、Instagramが新たにクリエーターの収益化支援ツール「Gifts(ギフト)」をテスト中だという。

またGoogleは、景気の不透明感などを理由にスンダー・ピチャイCEOが同社の人員削減に言及。この方針を受けてか、社内インキュベーター「Area 120」の取り組むプロジェクトを半減することを決めた。

今回の「海外テックニュース-Trend Now」では、MetaがInstagramでテスト中だというGiftsの機能、Googleが事業の縮小を決定した社内インキュベーター「Area 120」、そしてAdobeによる共同デザインツール・Figmaの買収について紹介する。

Instagram、クリエーター向け収益化支援ツール「Gifts(ギフト)」を新たにテスト中か

Insiderは米国時間の9月13日、Instagramが新たに「Gifts(ギフト)」という機能を社内でテストしていると報じた。Instagramで投稿可能な短尺動画「Reels(リール)」内に追加する機能になるという。

Giftsを使えば、Reelsで動画を投稿したクリエーターへファンがチップを送れるようになる。FacebookやTikTok、Twitterでも見られる同様の機能に類似しており、クリエイターがInstagram上で収益を得る手段になると見込まれる。

この機能をテストしていることは、MetaやTwitterなど大手IT企業が開発中の新機能をリークしてきたエンジニアのアレサンドロ・パルッチ氏によるツイートで明らかになった。Instagramを提供するMetaの広報担当者は、Insiderに対して「Giftsは現在、社内で試作段階の機能であり、外部ではテストしていない」とメールで回答している。

現在Instagram上では、視聴者が購入することでクリエーターによるライブ配信の収益化が可能な「Badges(バッジ)」の機能がある。このほかにもFacebookをはじめとしたMetaの提供するサービス上では、クリエーター向けの収益化支援ツールが複数用意されている。

Metaは当初、2023年からこれらのツールの使用料を徴収するとしていたが、徴収開始を2024年に延期すると2022年6月に発表。TikTokやYouTubeなど他社プラットフォームとのクリエーターの奪い合いの様相は、まだまだ続きそうだ。


Googleが社内インキュベーター「Area 120」のプロジェクトを半減

Googleが社内インキュベーターである「Area 120」の取り組むプロジェクトを削減する。TechCrunchが米国時間の9月15日に報じた

Area 120は、Googleによるかの有名な「20%ルール」(従業員は業務時間の20%をやりたいプロジェクトに費やせるというルール)を体現するべく、2016年に設立された。

これまで数多くの先駆的なプロジェクトに取り組んでおり、HTML5ゲームプラットフォーム「GameSnacks」、エンジニア向け作業管理ツール「Tables」、AIを搭載したライブチャット型広告ツール「AdLingo」といったプロダクトを生み出してきた。これらのプロダクトは、Google製品に統合されたものもあれば、現在まで単独で提供されているものもある。

今回、GoogleはArea 120の規模を半分に縮小する「人員削減」を社員に通告。Area 120には14の稼働中のプロジェクトがあったが、7つに減らされることとなった。プロジェクトが継続されない従業員は、2023年1月末までにGoogle社内で新しい仕事を見つける必要があり、それが叶わなければ解雇されると告げられたという。

2021年末に立ち上げられたクリエーター向けのストアフロント作成ツール「Qaya」は、今回の決定で停止されることとなったプロジェクト。他の6つは、Google Sheets向けの財務会計のプロジェクト、ショッピングに関連したプロダクト、AR/VRに関する分析、3つの気候関連のプロジェクトだという。

Googleの広報担当者は、今後Area 120は「AIファーストの、ユーザーの問題を解決する可能性を持つプロジェクトにフォーカスして取り組む」と述べている。

Adobe、共同デザインツールのFigmaを200億ドルで買収

9月15日、Adobeが共同デザインツールのFigmaを買収すると発表した。買収額は200億ドル(約2.9兆円)。2012年創業のFigmaは、アイデア出しから設計、開発に至るまで、プロダクトデザインに関わる作業をチームが共同で行えるようにするクラウドサービスを開発・提供している。

Figmaは、2021年6月にシリーズEラウンドの資金調達で2億ドル(当時の為替レートで約220億円)を調達。評価額が100億ドルを超え、デカコーン企業となっていた。今回のAdobeの発表では、Figmaの2022年のARR(年間経常収益)は4億ドルを超えると予想している。現金と株式交換により、2023年の買収完了を見込んでいる。